元プロ野球選手の新庄剛志さんが引退から13年経った2019年11月、プロ野球復帰へのトライアウトに挑戦すると宣言。

4月16日放送の「直撃!シンソウ坂上」(フジテレビ系)では、4ヵ月にわたり、新庄さんに密着し、バリ島での驚きの“極貧”生活やトレーニングを密着した。

なぜ、プロ野球への挑戦を?

番組MCの坂上忍は、日本から飛行機で約7時間のインドネシア・バリ島へ。

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初対面だという新庄さんに「話がかみ合うかな…」と心配しつつも、最初のあいさつで波長が合った様子。体の仕上がり具合に驚く坂上に、「13年何もしていなかったので、3ヵ月間気合を入れて」と話す新庄さん。引退後も体形は維持はしていたが、“野球用”の体として鍛えてはいなかったと明かした。

そんな新庄さんがバリ島で練習するグラウンドはサッカー場。バリ島には野球文化が根付いておらず、野球場がほとんどないため、毎日サッカー場を借りて練習をしているという。ちなみに、ここの使用料は1人約80円。このグラウンドから見える海の景色が大のお気に入りのようだ。

1990年~2000年にかけて、阪神タイガースのスター選手として球場を満員にしていた新庄さん。2001年には、イチロー選手とともに日本人野手として初めてアメリカ・メジャーリーグに挑戦。2006年には日本ハムファイターズで念願の日本一を達成。プレーだけでなく、ド派手パフォーマンスで観客を魅了した。

引退翌年の2007年からバリ島に移住し、モトクロスのレーサーになったり、画家になったりと豪邸で悠々自適な生活を送っていたが、なぜ急にプロ野球への挑戦を思い立ったのか。

その理由は自身が始めたYouTubeやInstagramに「もう一回、ユニフォーム姿を見たい」というファンの声があげられたからだという。「ある日突然、起きて2秒後に“俺、野球選手になる”って思って。僕は発信して自分に勝ちたい人間。最近アンチが少なくて燃えないんです。“新庄なら復帰できそう”というのが、僕のテンションをガーっと下げてるんです」と48歳で再び立ち上がった理由を明かした。

さらに新庄さんは「日本の40、50代に勇気を与えたかった。今まで応援してもらったから、そのお礼として、僕が先頭切ってトライしますよって。これが成功したら、みんなの勇気につながるんじゃないかと思いました」と熱弁。

その熱量に坂上も「すごいことです」と圧倒されつつ、「サッカーで言うとカズさん、でもカズさんの場合はずっと現役で続けている…」と、Jリーグで現役最年長として活躍する三浦知良選手の名前を挙げると、新庄さんは「そこなんです!(野球では)山本昌さんが50歳までやった。僕も日ハムの時にずっとやっていたら55歳までできています」と断言。新庄さんの並々ならぬ自信に坂上は「すぐ人の上に行きたがる」と苦笑した。

「ブサイクに…」整形を決意したワケ

本気でプロに挑む新庄さんが決意表明から3ヵ月間、かなりストイックにトレーニングを積んでいたということで、子どものころから野球が好きな坂上が成果をチェック。

キャッチボールに続いては遠投。現役時は“ロケットアーム”と称されるほどの強肩が武器だったが、引退から13年たった今も軽くステップするだけで90mの距離を楽々クリア。まだ始めたばかりだというバッティング練習でも軽く振るだけでボールは場外へ。新庄さんの現段階の実力を確認した。

すると、急に新庄さんが坂上に「歯を治しました?」と質問。「下は違いますが、インプラントにしました。気になります?」と聞くと、なぜか嫉妬する新庄さん。しかし、坂上が「3年かけました」と明かすと、「僕2日です!」と笑顔になり、「歯医者に行って3時間で上12本全部取って、5日で作ってもらって、今度は下を全部取って。それが楽ですよ」と話す心新庄さん。坂上よりインプラントにかかった時間が短かったことが嬉しかったようだ。

白さがとっても印象的な新庄さんの歯は、すべてインプラント。その費用は総額約2000万円。少しでも色がつくと気になるようで、ロケの前にもバリ島の歯医者でメンテナンスをしたという。

こうした話に坂上が「整形手術みたいな感じ?」と聞くと、新庄さんが「整形してます!」と驚きの告白をする。

実は、2007年に知人との間で起きた億単位の金銭トラブルがきっかけで人間不信に陥ってしまった新庄さん。さらに、どこに行っても注目され、何をしても噂される生活に嫌気がさし、整形を決意したのだという。

「歩いていたらクリニックがあって、整形しようって思って。110万円あったので、それでできるかなって入って(医師に)『めちゃくちゃブサイクにしてください。新庄って分からない顔にしてください』とお願いした」と新庄さんから飛び出すエピソードに驚く坂上。

新庄さんは「そういう金銭トラブルの経験があったから、日本人が嫌いになって、もう会いたくないみたいな。僕でも落ち込んだんですよ」とこぼした。

そんな傷心の新庄さんを救ったのが、バリ島で12年一緒に暮らすポメラニアンのラナちゃん。

しかし、このラナちゃんが今回のプロ野球復帰への挑戦で悩みの種になっているという。そこで新庄さんはカメラに顔を向けると、「日本に行くためには(ラナを)検査しないといけない。麻酔とか負担になるので、だから前澤(友作)さん、チャーター機でラナのためにお願いします!ラナがいなかったら活躍できない!」とアピールした。

なぜ、バリ島でトレーニングを?

プロ復帰を目指しているのに、なぜ新庄さんは設備の整った日本で練習をしないのか。

その理由を新庄さんは「僕は人がいると自分に負ける気がして嫌なんです。1人でやりたい。自分を追い込まないと、人生終わりだなと思う性格。今までも追い込んできたけど、その追い込みが甘かった。メジャーに行くにしても、自分なりに甘さがあって、これじゃいけないと思って。(プロ野球に復帰できる可能性は)1%と言いましたけど、100%に近いくらい無理なんです。けど、トライして何とか残り少ない人生からもう一回勝負したい」と熱く語った。

グラウンドでの練習後は、筋力トレーニングで体を追い込んでいるという新庄さん。現役を引退して衰えた筋力を鍛えなおすために通い始めたトレーニングジムの料金は、どの器具も使い放題で1日約800円。

現役時代は練習をしない選手として野球界では有名だったが、本当はどうだったのか。坂上が問うと、「実はチームで一番やってました。試合が終わって選手が全員帰ってから、警備員の人に鍵だけもらって1人で。人がいるところでやりたくない。(人前では)のほほんとして、やりたいタイプ」と明かした。

トレーニングのルーティンは腹筋を毎日500回以上。48歳とは思えない割れた腹筋で、引き締まった肉体がトレーニングの過酷さを物語っている。

新庄さんの体重は約75キロ。レッグプレスで一般男性が挙げられるのは100キロという中で、170キロを10回以上上げるトレーニングも。さらに、パーソナルジムでもないのに、勝手にお気に入りの音楽を大音量でかけ始め、一度も成功したことがない210キロのウエイトを気合いで上げていた。

バリ島移住の決断と“メール”での離婚

新庄さんが昨年まで住んでいたバリ島の自宅は、ガレージにバイクを7台並べ、専用のサウナまで備えた地上3階建8LDKの絵にかいたような大豪邸だったが、現在はこの豪邸を引き払い違う場所に住んでいるという。

バリ島の中心部から車で20分ほど行った場所にある現在の自宅は、家賃が3万円。「ジムが近いし、ラナOKだし、ハングリーになれる」という理由で決めたこの家は、長期滞在の観光客向けアパート。全部で12部屋あるうち、新庄さんはその一室を借りている。プールは共用で24時間利用できる。

新庄さんが住む6畳ほどのワンルームはベッドだけでほぼいっぱい。奥はシャワールームだが、お風呂はないという。

するとここで坂上は新庄さんの女性関係に切り込んでいく。

お互いバツイチの坂上と新庄さん。まず坂上が「彼女は?」と聞くと、「野球選手になると決めて別れた」と発言。「野球選手になると決めても別れる必要はないんじゃない?」と問うと、新庄さんは「アメリカに行くときも1人で行くって決めた。常に1人で決めたい」と明かした。

2000年にモデル(タレント)の大河内志保さんと結婚した新庄さん。2001年に初めてメジャーリーグに挑戦したときには、妻を日本に残し海を渡ったという。

その理由を「(仮に奥さんと一緒に)アメリカに行って、風邪とか引いて『病院ある?』とか聞かれても、野球に集中できないじゃないですか」と話し、それに対して坂上が「ほかの人はやっているじゃないですか」と返すと、「イチロー君と僕が最初に野手としてメジャーに行ったけど、そのレベルじゃなかったから」とそこには並々ならぬプレッシャーがあったと語った。

その後、2007年に新庄さんは離婚を決意。そこにはバリ移住が大きく関係していた。仕事でバリ島を訪れた際に、誰も自分のことを知らない、自由に暮らせる環境に感激して、移住を決意したという。

すぐに妻に離婚を切り出したが、その方法はまさかのメール。妻にメールで「離婚しよう」と伝えたといい、坂上は「僕、それを聞いて腰ぬかしました」と苦笑した。

対する妻の返信は「意味わかんない」というものだったが、新庄さんは全く譲らず、最後には妻が折れる形で離婚が成立したという。

このエピソードに「普通だったら訴えられますよ」と坂上が言うと、新庄さんは「でも僕の性格を知っているからそれでいいんですよ」と明かした。

こうしていざバリ島へ移住しようとした新庄さんだったが、知人との金銭トラブルが発生し、財産のほとんどがなくなってしまう。バリ島移住の目的が、悠々自適な生活を送ることから、「物価が安いところで生活する」に変わってしまった。

「今、めちゃくちゃ燃えています」

プロ野球選手を目指すという決断をした新庄さんは、まだ野球でお金を稼げているわけではない。

そんな新庄さんの現在の収入源は日本のある企業の広告に出る仕事のみ。

「すごい生活ですね」と驚く坂上だが、新庄さんは「だってバリですもん。1日600円くらいあったら大丈夫。ラナのご飯をいれても1000円あったら十分ですね」と笑った。

さらに番組では新庄さんの1日にも密着。

溺愛するラナちゃんの散歩から1日が始まり、その際にバッドで素振りをして体を目覚めさせる。それからジムで筋力トレーニングを約2時間続け、トレーニング中にバッティングフォームをチェック。筋肉が張った状態で体にスイングの軌道を覚えさせている。

昼食はバリの中心地にある庶民的な食堂でとり、肉体を戻すために、脂質を避けた食生活を心掛けている。

昼食後はグラウンドで練習し、準備から片付けまですべて自分で行っている。人を雇ってボールを拾ってもらうことは簡単だが、新庄さんは「自分で打って自分でボールを磨いて、全部やらないと。格好つけじゃなくて」と“新庄流”のこだわりを見せた。

トレーニング後は、フルーツを買いにスーパーへ。疲労回復に効果があるというビタミンCが豊富なキウイを2キロも購入。日本で買うと3000円ほどするが、バリでは1500円ほど。「日本でこういう買い物したことがないから、マジ楽しいんです!」と目を輝かせた。

それから向かった先はトレーニング専用ではなく、地元の人が使う1回300円の共用プール。泳がずにひたすらプールの中を走り、休憩時にはプールでも筋トレ。

夕方、食生活を肉から魚中心に変えた新庄さんが向かったのは地元の魚市場。

それから再びジムへと向かい徹底的に追い込んでいく。こうして復帰に向けて質素な生活を送っている新庄さんだが、唯一お金をかけているのはトレーニング後のマッサージくらいだった。

これまでの生活スタイルをすべて変え、厳しい環境にあえて身を置く新庄さん。そこまでして自分を追い込む理由を「今、夢を持っていない子が多いので、その子たちに見せたいんです。だから、本当は練習とか僕は見せたくないタイプなんですけど、みんなに見せて一緒にしていこう!というのを伝えたい」と熱弁した。

さらに、こうした決意の裏には、新庄さんの姉に対する思いもあるという。

2歳年上で、子どものころは勉強もスポーツも優秀でキラキラした存在だったという姉が、現在難病に侵されているという。

日々体をむしばむ重い病と必死に闘っている姉も現在50歳。新庄さんは「プロ野球を目指すというのは、姉ちゃんにも見せたいというのもあります」と明かした。

現在、バリ島のあるインドネシアでは新型コロナウイルスの感染が広がり、アジア圏では中国に次ぐ死者を出している。実はこの新型コロナウイルスが、新庄さんのプロ野球復帰にも影響しているという。

番組のスタジオにバリから中継出演した新庄さんは、日本のプロ野球のある球団にオファーを出したが、「2日で断られました」と告白。しかし、「今、めちゃくちゃ燃えています。違う球団に入って見返したい。コロナで球団にオファーできなくなって、でもシーズン中に何とか戻りたい気持ちはあります。やっぱり暗くなっているので、僕みたいな人間が球場で明るいことをやって、楽しませたい気持ちがものすごく強いんです」と訴えた。

新庄さんの挑戦は、まだまだ続いていく。

(「直撃!シンソウ坂上」毎週木曜 夜9:00~9:54)