帰省自粛の学生にコシヒカリ5キロと布製マスク1枚を送付

新型コロナウイルスの感染拡大により、東京都や神奈川県、埼玉県などを対象に緊急事態宣言が出された。その影響もあり、この区域からの来訪自粛を呼び掛けている自治体もある。こうした中、対象区域外の故郷へ帰省したいと思いつつも、自分が感染を広げてしまっては意味がないと、留まる選択をした学生に対して支援の手を差し伸べた自治体が話題になっている。

新潟県燕市では緊急事態宣言の対象区域からの来訪の自粛を呼び掛けているが、燕市は、帰省を自粛している、緊急事態が宣言された区域に住む同市出身の学生に対し、燕市産のコシヒカリ5キロと手作りの布製マスク1枚などを送るとしたのだ。
 

コシヒカリは燕市内の有志が支援を申し出たもので、応募をすると首都圏に住む燕市出身の若者の支援や情報発信を行う「東京つばめいと」に登録される。
 

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燕市のツイートには「こういう対策もあるのか。知恵ですね」や「わが地元素晴らしい考え。コシヒカリ5キロはありがたい」などのコメントが寄せられ2万3000超のいいねが付いている。(4月14日現在)

緊急事態宣言の対象地域では店舗の営業自粛が相次ぎ、アルバイトができなくて困っている学生も多いはず。このような形での支援は本当にありがたいことだろう。

帰省の自粛をする若者を応援したいという市民有志の声を受けての取り組みとのことだが、具体的な条件などはあるのだろうか?そして申し込みはどのくらい来ているのだろうか?燕市の担当者にお話を伺った。
 

すでに171件の申し込み、10件ほど発送

ーー対象は緊急事態宣言が出された区域に住む燕市出身の学生のみ?

今回の「お米とマスク」については、国の緊急事態宣言が出された区域に住む燕市出身の学生とさせていただきました。社会人や自主的に緊急事態宣言を出した自治体で暮らす学生などは対象外とさせていただいております。学生であれば、大学生でも専門学校生でも大丈夫です。


ーー来訪の自粛を要請しているが、燕市としては帰省の自粛も呼び掛けている?

国の緊急事態宣言を受け、4月8日に市のホームページに市長のメッセージを掲載しました。そこに、緊急事態宣言が出された区域から燕市への往来は自粛してほしいと書きました。「帰省の自粛」という具体的な表現はしていませんが、緊急事態宣言が出された区域から燕市への往来を自粛するということは、帰省も含まれていると捉えています。


ーーお米とマスクはすでに何件くらい送っている?

13日11時現在で171件の申し込みがありました。13日は10件ほど発送しました。
 

ーー応募してどのくらいの期間で届く?

マスクを市内の事業者さんにお願いしているのですが、少人数の手作り生産なので、なかなかまとまった数がそろいません。出来次第順次送りますが、1週間から10日程度はみていただきたいと思っています。


ーー米は有志の方のご厚意ということだが、数に限りはある?

今のところ、限りを設けることは考えていません。


ーーいつまで実施している?

今のところ期限を決めてはいません。今後の状況により、柔軟に対応したいと考えています。
 

13日時点で171件の申し込みがあり、人数の上限、期限を設けていないという今回の取り組み。また、コシヒカリとマスクの他、味噌ときゅうりなどが追加された。

さらには、鈴木力市長からの「おいしいご飯をモリモリ食べて、少しでも元気を出してほしい」などと書かれたメッセージも同封されるという。この難局を乗り越えるためにも国民全員の協力が必要になってくる。
 

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プライムオンライン編集部
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