バンクーバーオリンピック・男子フィギュアスケートで銅メダリストの髙橋大輔さん(32)が、引退から約4年経った7月1日、突然現役復帰を宣言した。

会見では「次に進むためにもう一度、現役という形ですけど、決断に至った理由ではあります。勝てるものなら勝ちたいなとは思いますけど、正直、素直な気持ちは今は勝てる自信は一切ないです。不安な気持ちは100%ありますが、楽しみな気持ちしかない。また一からのチャレンジャー」と話した。

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2010年のバンクーバーオリンピックで日本人男子として初めてフィギュアスケートのメダリストとなった髙橋さん。

"世界一"とも言われたステップを武器に世界選手権やグランプリファイナルで日本人男子として初めて優勝。

さらにはオリンピック3回連続出場を果たすなど、次々と歴史を塗り替えてきた。

そして、2014年のソチオリンピックでの6位入賞を最後に現役引退を発表。

しかし、2014年10月に行われた引退会見では「正直、現役に未練がないわけではないので…」と今回の復帰会見を予感させる一言が出ていた。

「自分のできる精いっぱいを目指したい」

引退から約4年、復帰を決めた髙橋さんの本音に久慈暁子アナウンサーが迫った。

「こんなんだったっけ?とか思われたら、確かに辛いかもなと思ったんですけど、全力で頑張っていきたいなと思います」と決意を新たにした髙橋さん。

だが、「まだひざの状態もそうですけど、けが持ちなので。そういったところで思いっきりやりすぎても、あとに影響が出てしまうので、そこはあせらずゆっくり」と、体調は万全ではないという。

しかし、「今までのジャンプを戻すのではなくて、新しいジャンプを作り変えようという気持ち。一から作り上げていく中で、ジャンプやフィーリングも現役の時よりいいんじゃないかと思っています」と話した。

2018年の平昌オリンピックで、羽生結弦選手が金メダル、宇野昌磨選手が銀メダルを獲得しているが、2人の存在については「彼らは別次元だなと思っています。今の段階では、そこと戦えるレベルは想像できないくらいなので、それより自分のできる精いっぱいを目指したい」と明かした。

髙橋さんは決して、トップレベルを目指しているわけではないというが、「これまで世界で戦ってきたので、世界で活躍できないのであれば、現役には戻るわけにはいかないという考えでしたが、全日本選手権を見て、彼らは世界のトップクラスには入れないけど、その中でやりきって喜んでる姿に感動して、こういう戦い方もあるし、そういう気持ちで戦ってもいいんじゃないかなと思った」と今回の現役復帰を決断した理由を明かした。

さらに、「僕自身もこの4年間でいろいろなことを経験させていただいて、成長するしかない、落ちることはないと勝手に思っているので、今回の復帰は自分のエゴ。わがままみたいなものなので、そういう意味では自分自身のために、周りのことを考えずに…」と語った。


過去にも、引退後復帰したケースがある

実は、フィギュアスケートの世界では、髙橋さん同様に一度は引退したものの復帰するケースが過去にもある。

女子選手として世界で初めてトリプルアクセルを成功させた伊藤みどりさんや、トリノオリンピックの金メダリストで「皇帝」の異名を持つ、ロシアのプルシェンコさんが、引退した後に復帰をしているが、いずれも引退前と同じような成績は残せていない。

かつて、髙橋さんの演技を見続けてきたフィギュア解説者の佐野稔さんは、「『勝負勘』みたいなものは、確実に4年離れていると鈍っていると思います。少しずつ勝負勘をしっかり取り戻していくことが一番重要になっていく」と現役復帰をする上でのカギを挙げた。

(「めざましテレビ」7月2日放送分より)