家庭用蓄電池の販売を巡るトラブル。「長野市の業者に代金を払ったのに工事をしてくれない」などと、長野県内の複数の客が警察に相談している。社長とは連絡が取れず、怒りの声が上がっている。

90万円支払ったのに…「工事やらないなら、お金返せ」

飯綱町の男性:
とりあえず出てきて話を聞かせてほしい。工事やらないならお金は返せと。詐欺でしかない

被害を訴える飯綱町の男性
被害を訴える飯綱町の男性
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怒りが収まらない長野・飯綱町の40代の男性。
2021年1月、長野市の販売業者の社長から営業を受け、自宅の太陽光発電設備に蓄電池をつける契約を結んだ。

工事の契約書の写し
工事の契約書の写し

5年前に同じ業者にソーラーパネルを設置してもらった経緯もあり、男性は「全額前金で」と頼まれると、そこまで不信を抱かず90万円を支払った。

「材料足りなくて工事できない」繰り返した業者の社長

しかし…

飯綱町の男性:
工事の前日になって、「材料足りなくてできません」というところからですかね。3回目の工事の延期の時には連絡がつかず、電話つながるんだけど出ることはなく、留守電だった

何度催促しても工事は行われず、2021年5月、ついに社長と音信不通になった。

飯綱町の男性:
1回目(ソーラーパネル)の前例があったもんですから、ちょっと信用してしまった

記者リポート:
会社はソーラーパネルなどの販売不振で、業績が悪化していたということです

業者の設立は2016年。長野市内の事務所は、すでに引き払われていた。
関係者によると、太陽光発電の買い取り価格引き下げで業績が悪化し、2021年1月から工事を全くしていなかったと言う。

業績悪化か 社長は顧客に借金を頼むように

また、社長は2021年から顧客に借金を頼むようになったと言う。

軽井沢町の男性:
去年のゴールデンウィーク前に急に電話がかかってきて、「銀行が不渡りになりそうだから250万円ほど貸してくれないか」と

3年前、業者にソーラーパネルを設置してもらった軽井沢町の男性。頼まれて250万円を振込んだ。

軽井沢の男性:
新型コロナもあったし、大変な時期なので、うちとしてもメンテナンスをしてもらわないと困るし、つぶれたら困るなと

しかし、その後 社長と連絡が取れなくなった。

警察に被害届出した人も

「蓄電池が設置されない」「貸した金が返って来ない」という訴えは少なくとも十数人、額にして1億円を超えるとみられ、警察に被害届を出した人もいると言う。

飯綱町と軽井沢町の男性は、協力して社長の足取りを調べ、2021年6月に長野市内で本人に会ったが…

業者が入っていた事務所
業者が入っていた事務所

軽井沢の男性:
「携帯とかを見せてみろ」と言って、そしたらボートとか競馬とかいろんなものに入金しているのがわかって、多い時には200万とか300万を突っ込んでる日があって、正直ふざけんなよって感じ

金を返す約束は取り付けたものの、再び連絡が取れなくなった。今も社長の携帯電話はつながらないままだ。

飯綱の男性:
返せるものであれば返していただきたいというのが一番。それが無理なら社会的制裁を受けて、罪をつぐなってもらうほかない

警察は「個別の案件で話すことはない」としている。

(長野放送)

長野放送
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