熊本産アサリの産地偽装の疑惑の影響が、北海道内にも及んでいます。熊本産に代わりに需要が急増している道東の厚岸産のアサリが高騰しています。
大粒のアサリがフライパンで踊ります。ニンニクの香りが食欲をそそる白ワイン蒸し。使っているのは厚岸産のアサリです。
カフェ リベルタ 小林 賢志郎 店長:「厚岸産のアサリは大きさと火を使った時のだしの出方が他と違う。看板商品の一つ」
札幌市厚別区のJR新札幌駅に近いカフェダイニング「カフェ・リベルタ」。
厚岸産のアサリを使ったパスタは、人気商品です。
三宅 真人 記者:「アサリの風味がきいていて、とてもおいしいです」
しかし熊本の産地偽装の疑惑を受け、ある不安が…
カフェ リベルタ 小林 賢志郎 店長:「(厚岸町の)友達の実家から直接仕入れている。今後も(仕入れ価格が)上がっていくかなと言っていたので、(料理の金額を)上げざるを得なくなるのは不安です」
田中 うた乃 記者:「厚岸と言えばカキの産地で有名ですが、実はアサリの一大産地でもあるんです。このアサリが値上がりしています」
道内の生産の7割を占める厚岸産のアサリ。浜値は1キロあたり1300円台と1月より300円以上も値上がりしています。
厚岸町の隣、釧路市のスーパーでは2月、1割ほど値上げ。来週以降、さらに2割値上げせざるを得ない状況です。
買い物客:「国産であれば、いまのこの状況では(値上がりは)仕方ない」
Q.500~600円になるかも?
買い物客:「そこまでいくとちょっと手が出せない」
買い物客:「遠い存在になるのかな」
あいちょう 芦野店 相沢 長昇 店長:「北海道産、厚岸産のアサリの価格がとても上昇している。消費者がその価格まで上がるとついてこられなくなる。取り扱いをできなくなる(店が)多くなると思う」
札幌のカフェではコロナ禍に加え、原材料のアサリの高騰が追い打ちをかけるという、二重苦となっています。
カフェ リベルタ 小林 賢志郎 店長:「コロナは何ともできないけど、アサリのメニューの値段調整は頑張って客に喜んでもらえるようにしたい」
厚岸産のアサリを使っている飲食店では、ほかにも仕入れ値の上昇を危惧している店が多くありました。飲食店、そして消費者にとっても悩ましい時期が続きそうです。