年間10億本以上のストローを使用しているアメリカのコーヒーチェーン大手「スターバックス」は9日、2020年までに日本を含む全世界2万8000以上の店舗で、環境の保全を目的に、プラスチック製ストローの提供をやめると発表した。

こうした中、日本の一部店舗で試験的に導入が始まっているのが、透明のフタに三角の穴が開いている、ストローがなくても飲めるという特製の容器。

こういったプラスチック製のストローをやめる動きは、スターバックスだけでなく、先月にはアメリカのマクドナルドもイギリスとアイルランドの全店舗、約1400店舗で、2018年9月から段階的にプラスチック製のストローをやめると発表した。
現在、錦織圭選手も出場しているテニス・ウィンブルドン選手権でも、現地メディアによると、大会期間中はレストランやカフェなどで使用禁止になっているという。
プラスチック製品は海洋汚染の原因として問題視
なぜ今、世界各地でプラスチック製ストローを廃止する動きが起きているのか。
オーストラリアの海岸に打ち上げられたウミドリの死因を調査する映像には、ある1羽の体内から234個ものプラスチック片が出てきた。

また、ウミガメの鼻にささってしまったプラスチック製のストローを抜くという痛々しい映像はこれまでに3000万回以上再生されている。

今、深刻な海洋汚染の原因として問題視されているプラスチック製品。
アメリカの環境保護団体によると、アメリカ国内での1日のストロー消費量は約5億本で、そのほとんどがリサイクルされずに捨てられているという。
2018年5月には、EU=ヨーロッパ連合がストローやスプーン、フォークなど一部の使い捨てプラスチック製品の使用禁止を提案した。
日本での廃プラスチックのリサイクル率は84%と高水準だが、世界では年間800万トンものプラスチックが海に流れ込み、生き物や環境に被害を与えているという。
「タピオカミルクティー」どう飲む?
そして、"脱ストロー"は台湾でも起き、日本でも人気の名物「タピオカミルクティー」を飲むためには、極太のストローが必須だが、台湾の女性たちは「ネギ」のストローなど、あらゆる方法で飲もうと試行錯誤していた。

一方、日本にある台湾カフェ「春水堂」でも台湾名物のタピオカミルクティーを飲むことができるが、スーパーバイザーの若松あやみさんは「日本は現状、プラスチックストローのままです。環境問題などを考えると、海外が率先して取り組んでいるのを参考にしつつ、日本で規制があったら考えていきたい」と話している。
コストがかかる紙製ストロー
また、東京・原宿にあるハンバーガーショップ「THE GREAT BURGER」では、すでにプラスチック製のストローの使用を中止し、紙製のストローに切り替えている。

飲む際には引っかかる様子もなく、普通のストローと変わりなく飲めるというが、なぜ、紙製のストローは広まらないのか。
実は、以前使っていたプラスチック製ストローが0.5円なのに対して、紙製ストローは5円と10倍になるため、コストがかかってしまうようだ。

オーナーの車田篤さんは「デザインがかわいいなというところが、まず最初の入りでした。環境やゴミのことを考えた時に、紙の方がいいと思って使い続けています。海外だけではなく日本でも広まったらいいと思います」と話した。
環境問題に詳しい東京農工大学環境資源科学科・高田秀重教授は「脱プラスチック製ストローの動きは評価できる」とする一方で「フタや容器、袋なども今後は検討していかなければならない」と指摘した。
(「めざましテレビ」7月11日放送分より)