専門家に聞く「緊急事態宣言」

安倍首相は4月7日に「緊急事態宣言」を発令した。
緊急事態宣言が出された意味と最新の宮城県内の感染状況などについて、感染症が専門の東北大学名誉教授で、東北医科薬科大学特任教授の賀来満夫先生にお話しを伺う。

仙台放送・寺田早輪子アナウンサー:
東京では4月8日、新たに144人の感染が確認されたという情報も入っています。このタイミングで出された緊急事態宣言。
この内容はついては、どのようにとらえていますか?

賀来満夫先生:
ギリギリのタイミングだと思う。医療崩壊を防ぐために、感染の急増を防ぐために、安倍総理が国民に強いメッセージを出したと思います

寺田早輪子アナウンサー:
これ以上、感染を拡大させないためにという発表ですが、中でも賀来先生が注目したのがこちらのメッセージ…

安倍首相の会見 (4月7日):
専門家の試算では、私たち全員が努力を重ね、人と人との接触 機会を最低7割、極力8割削減することができれば、2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができる

賀来満夫先生:
この新型コロナウイルス感染症は、人と人が出会うことで感染が広がっていきます。
その機会をできるだけ減らしてください。10人に会うのであれば2人まで抑えていただければ、コロナウイルス感染症は広がっていかない。下がってくると強調している。
これは非常に重要です。
現状でこのままの行動であれば、ずっと感染が拡大して爆発していきます。もし、10人中8人、2割しか減らなければ、同じように感染が拡大していきます。
でも8割減らすことができれば、ピークが2週間ぐらいで下がってくる。
これが非常に重要なポイントだと思います

寺田早輪子アナウンサー:
ピークアウトというのは、増加から減少に転じるポイントのこと?

賀来満夫先生:
そうです。それが2週間ぐらいで来ますということです

宮城県内の感染状況は?

宮城県内の感染者数の推移を示したグラフ。

寺田早輪子アナウンサー:
(宮城県の感染者の推移は)このようにずっと増加傾向にあるが、4月8日午後5時の時点で、県内では33人の感染が確認されています。
3月29日から11日連続ということになっていますが、これについては?

賀来満夫先生:
確実に感染している患者が増えている。多分、宮城県内でかなり多くの感染している方がきっとおられる。水面下で、わからない中でおられる。
もちろん東京との接点だとか、お店を経由したとかあるんですけど、確実に増えてきている。非常に注意しないといけない

寺田早輪子アナウンサー:
東北で突出して多いのは東京との接点でしょうか?

賀来満夫先生:
まず、首都圏と直結している。多くの方が首都圏から来られる。首都圏に行かれる。移動が非常に多い。
東北の中心である仙台、宮城県ということを現している

寺田早輪子アナウンサー:
新たに1日で増えた数ですけど、6人という日もありますが、2人、3人、1人という日があります。これについては?

賀来満夫先生:
逆にいうと、新たに10人単位で増えているというわけじゃありません。しかし、確実に感染は広がっている。それは事実です。
ただ、急激なオーバーシュートするような爆発することではないですが、注意しないといけない

寺田早輪子アナウンサー:
感染のピークに関して、気をつければ2週間でピークアウトできるという総理の見方もありましたが、どのようにご覧になられますか?

賀来満夫先生:
これ(緊急事態宣言)が7都府県に出されているが、緊急事態宣言を宮城県でもしっかりと受け止めて守っていければ、多分この1カ月間、5月の連休明けには少なくなってくる可能性もあります

「正しく恐れる」とは?

宮城県内の感染者が確認された状況をまとめた図がこれ。

8日、新たに美里町に住む40代男性の感染が確認された。
これで県内の感染者は33人となった。

県内で初めて確認された感染者はクルーズ船の乗客だった。
その後、仙台市内の飲食店では、クラスターが発生したと推定されている。
徐々に増える県内の感染者だが、その一方で感染経路がわからないという患者も増えてきている。

寺田早輪子アナウンサー:
感染経路がわからないとなると、本当に怖いなと思われる人もいると思います。
ここで確認したいのが、武漢で感染が確認された当初、専門家が「正しく恐れることが大事」という話がありました。「正しく恐れる」とは、どのようなことでしょうか?

賀来満夫先生:
新型コロナ感染症は、すれ違っただけでうつるというものではないです。遠くにいてうつるものでもない。
非常に近いところでうつっていく。人と人との接点でうつっていく。そこが非常に重要なのです。
それをどうやって防ぐか。そこをどうやって出会うか。手を洗う、マスクをつける、消毒をする、換気をする。そういった、基本的なことを守っていけるか。
それと、リスクが高い、感染をうけやすいところがある。そこを避けてもらう。そうすれば、かからない、あるいはうつさないことになります

寺田早輪子アナウンサー:
3密を避けるという言葉は、耳慣れた感じになってしまったという人もいるかもしれないですが、本当に重要なことなんですよね?

賀来満夫先生:
そうなんです。3密が、まさに新型コロナ感染症がうつりやすいところなんですね。
そこをどうやって避けるか。基本的な感染症対策を行いながら、どうやってリスクを下げれるか。そこをぜひ、皆さんに考えていただきたい

寺田早輪子アナウンサー:
正しい手洗いというところも、もう一度、確認したいと思います

(仙台放送)