文部科学省・前局長の佐野太容疑者(58)は、大学側から支援事業に関して便宜をはかるよう依頼され、その見返りに息子の試験の点数を上乗せして入学させた、受託収賄の疑いで逮捕されている。

佐野容疑者に便宜をはかるよう依頼していたとされる、東京医科大学の臼井正彦前理事長と、鈴木衛前学長は、事件への関与を認めているという。

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こうした中、FNNが入手したのが、東京医科大学の内部で作成されていた、いわゆる“裏口入学リスト”だ。

裏口入学リスト…紹介者・関係者がズラリ

こうした“裏口入学リスト”は、大学幹部の指示のもと、長年にわたり作成されていたという。
FNNが独自取材で入手したリストは、臼井前理事長が大学幹部だったころに作成されたものとみられ、17人の受験者の氏名が記されていた。

さらに受験者の氏名に加え、大学のOBである親の氏名・卒業年度、OBを紹介した東京医科大学の関係者の氏名、他にも「内科OB」や「孫」「○○病院副院長」など、具体的な立場の表記が並んでいる。
また、1人の紹介者が2人の受験生を紹介していたパターンもみられる。

このリストが作成されたのは試験の前月。公正でなければならない大学入試の直前に、東京医科大幹部から入試選考委員に渡されていたのだという。

受験生を“優先順位マーク”で区別

さらに、別の年に作成された文書には、裏口入学の手口がより鮮明に記されていた。

手書きの文字で「第一候補」「第二候補」に選別された受験生の氏名には、「最優先で合格させる受験生」のマークである二重丸、次いで、マルやバツのマークで優先順位がつけられている。

受験生の名前の下には、大学幹部の名前に続き「メイ(=姪)」と書きこみがあり、血縁者であることが強調されている。

明らかになった裏口入学の実態。
13日、林文部科学大臣は会見で「そういったことが事実だとすると誠に遺憾。大学教育の信頼を損なう重大な問題である」と話した。

「立件は難しい」 急がれる実態解明

「一般的に、私立大学を舞台にした事件で罪を問うのは極めて難しい」と、フジテレビ社会部長の青木良樹氏は解説する。

さらに「文部科学省・前局長の息子の裏口入学をめぐる受託収賄事件は、公務員が関与したという点で事件が成立し、また国公立大学で同様のことが起きた場合は大学職員は“みなし公務員”であるため、贈収賄事件として立件される可能性はあるものの、私立大学・民間が相手となると、立件は難しい」と分析。

また「当事者・関係者の証言が必要になるため、さらに立件は困難」だと指摘するとともに、「文科省幹部への取材では、東京医科大学は年間23億円の私学助成金を受けているが、仮にこの裏口入学事件が事実だとすると、一定の減額はあり得るといい、入試が公正なものであったかの調査にも乗り出す」という。

大学側は現在「そのような事実は把握しておりません」とコメントしているが、東京地検特捜部は、こうしたリストを複数入手しており、実態の解明を進めている。


(「プライムニュース イブニング」7月13日放送分より)