瀬戸内に建つ、現役で活躍する明治の明かり

瀬戸内海を管轄する第六管区海上保安本部が、歴史ある灯台を通し、瀬戸内の魅力を新たに掘り起こす取り組みをスタートさせた。

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宇品灯台のレンズは、1895年(明治28年)明治時代にフランスから輸入したものだ。
…今も現役で活躍する明治の明かり。
広島海上保安部では、こうした明治時代からある灯台をもっと知ってもらおうと、プロモーション映像の制作を始めた。

通常の業務の様子をカメラに収める。

広島海上保安部・屋宜隆次長:
灯台というのは、全国で3,000を超えております。明治時代に建設されて、今現役であるのは全国で64基。第六管区の管轄では18基の灯台が残っています。64分の18ですから、瀬戸内海にはかなりたくさん残っている。この財産を使わない手はない、というところでそこに着目した

映像の目玉は海上からのドローン撮影

灯台の撮影は続く。
船で向かったのは、江田島市にある屋形石灯標。

海上からドローンで撮影する。今回の映像の目玉だ。

さらに映像では、夜の闇を照らすだけでない灯台の役割についても、説明を加えようとしていた。

広島海上保安部・屋宜隆次長:
黄色と黒の意味は国際的に決められておりまして、下が黄色、上が黒の意味するところは、『この標識の北側に可航する水域がありますよ。そこを船が通れますよ』と。逆に言えば『南側に浅瀬がありますよ』と、色を見て船乗りはわかっている

撮影は、瀬戸内海にある12の灯台に及んだ。

「灯台の魅力知ってほしい」映像は観光や町おこしへ

撮影開始から約3カ月。
3月26日、第六管区海上保安本部のウェブサイトに完成した灯台の映像が公開された。
映像の一部がこれだ。

1つの灯台の映像は、約2分。
これまで知られることのなかった数々の灯台が映し出されている。
そして、今回公開した映像は、観光や町おこしに活用してもらおうと、無償で提供されることになった。

広島海上保安部・屋宜隆次長:
明治から百何十年、無骨な灯台が建っている。それを見て、ロマンと言いますか、明治の方に思いを馳せて楽しんでもらえればなと

映像公開から約1週間、新たな動きが…
広島海上保安部の首藤課長が訪れたのは、広島市にある瀬戸内海汽船のオフィス。

広島海上保安部交通課・首藤学課長:
この度はありがとうございます。こちらドローンで撮影した映像になりますので。よろしくお願いします

この夏、とびしま海道やしまなみ海道のエリアで運航が始まる観光型クルーザー「シースピカ」。
この船内の大型モニターで、灯台の映像が流されることになった。

瀬戸内シーライン事業部・岡田俊司部長:
興味を持たれるお客様たくさんいらっしゃいますので。灯台の説明とかもしていければいいなと思ってます。非常にありがたいといいますか、お客様に喜んでいただけるんじゃないか

知ってほしい灯台の魅力。
船の安全を守り続けるその姿は、なんとも頼もしい。

(テレビ新広島)

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