都市封鎖を2ヵ月半ぶりに解除

ライトアップに歓声が上がり、お祝いムードに包まれた中国・武漢市。武漢市では4月8日午前0時に、1月23日から続いていた都市封鎖が解除された。

ライトアップされた中国・武漢市

武漢市民:
武漢人民はこの長い間、いろいろ頑張って、いろいろ耐えてきた。

各地へ向かう鉄道や航空便なども再開され、高速道路の料金所では、市外へ向かう車が次々に通過していく様子が見られた。

鉄道や航空便なども再開

中国の保健当局によると、8日に国内で新たに確認された症状のある感染者は62人。このうち59人が海外からの入国者だといい、武漢での新たな感染者はなかったとしている。

感染拡大抑止のアピールと開放感が漂い始めている中国だが、こんな声も。

2ヵ月半ぶりに武漢を離れた女性:
(無症状の感染者について)心配もあるし、警戒する必要もある。

AI技術を生かした“コロナ対策”

こうした心配も残る中、中国国内では、AI技術を生かしたコロナ対策に注目が集まっている。

この「食事配達ロボット」は、自らエレベーターに乗り込んで、部屋まで食事を届けてくれるという。人との接触を減らすことができるとして注目されている。

食事配達ロボット

客がスマホでオーダーすると、店内で調理開始。お店の人ができあがった商品をロボットに乗せると、スムーズに出発してエレベーターへ。乗り降りもぶつかることなく、迷わず指定されたオフィスの前へ配達を終えた。

指定されたオフィスの前へ配達

その帰り道、狭い通路で苦戦する場面もあったが…ロボットを見守っていると、曲がる際に何度か方向を調整して、無事にお店へと戻ることができた。

狭い通路も無事通過

声で操作する「AI音声認識エレベーター」

そして、ボタンに触れなくても操作ができるという「AI音声認識エレベーター」も登場。

エレベーターの前に立ち、「上の階へ」と呼びかけると、上へ向かうボタンが点灯する。

声を認識して上へ向かうボタンが点灯

これは、北京のベンチャー企業が開発したAI音声認識エレベーターで、行き先の階の指定やドアの開け閉めを声だけで行うことができる。

AI音声認識エレベーター

中国では、感染への不安から、指ではなく爪楊枝でボタンを押す映像も話題となったが、すでに北京や上海などの約50のビルでこの音声認識エレベーターが導入されており、今後は海外への展開も進めたいとしている。

つまようじでボタンを押す映像も話題に

AI音声認識エレベーター開発「声智科技」・古擘さん:
新型コロナの影響は、中国だけでなく世界中に広がっている。自分たちの技術が、世界の“コロナ対策”に役立つことを希望する。

AI音声認識エレベーター開発「声智科技」・古擘さん

事態収拾アピールの一方で、情報公開を含め科学的な議論が封殺されてはいけない

三田友梨佳キャスター:
2カ月半ぶりの都市封鎖の解除、どうご覧になりますか?

津田塾大学・萱野稔人教授:
この解除は、中国政府にとって、ものすごく大きなアピールの材料になると思います。アピールというのは、事態収拾に成功したというアピールという意味もありますし、そもそも、そうした危機を封じ込めるためには、中国なら強権的な政治体制の方が向いているんだということをアピールする、体制の正当化という側面もあると思いますね。特に、監視する手法と強権的な社会主義的なやり方というのが、実は相性がいいということを世界に示すような、そんな材料になるんじゃないかと思います。

萱野稔人教授

三田友梨佳キャスター:
そうした中国のアピールを国際社会はどう受け止めるのでしょうか?

津田塾大学・萱野稔人教授:
今、米中の覇権争いということも言われる中で、中国式の社会主義なのか、それとも欧米式の民主主義なのかというところで、多くの国に「中国の方が正しいんだ」という影響を与える可能性は十分あると思います。ただ、その際、やはり中国のそういったやり方に対しては大きな問題があるということは、改めて強調する必要があると思います。

三田友梨佳キャスター:
その問題点とは、具体的にはどういうことですか?

津田塾大学・萱野稔人教授:
いくら今回封じ込めに成功していたとしても、その封じ込めに成功したこと自体もまだ確実ではありませんけれど、もともとは中国でウイルスの拡大、感染の情報がしっかりと伝えられなかったこと、情報公開されなかったこと、それが拡大の原因になっていますから、政治的な権威を守るために、科学的な議論が封殺されてしまうという。ここに、そもそもの今回の世界的な感染拡大の原因があったということで、その問題は、やはりしっかりと強調しておく必要があると思いますね。

三田友梨佳キャスター:
武漢での都市封鎖は解除されましたが、決して、武漢で感染リスクがゼロになったわけではありません。治療薬やワクチンができるまで、ウイルスと闘う覚悟は持ち続ける必要があるのかなと思います。

(「Live News α」4月8日放送分)