企業が労働者に払うべき賃金の最低額の目安となる今年度の最低賃金が、過去最大の上げ幅となる全国平均で26円アップの874円に決まった。

東京では、985円まで上がった。

しかし、業績アップが必ずしも見込めない企業側にとっては、これまで以上の負担を強いられる恐れもあるという。

最低賃金が上がっても…韓国では不満が爆発

最低賃金が大幅アップすると何が起こるのか。

韓国で今月発表された最低賃金は、日本円で約835円。この10年で2倍ほど上昇した計算となる。

第一生命経済研究所・首席エコノミストの永濱利廣さんは「韓国については、日本以上のペースで国際水準まで最低賃金を引き上げるという政策を取ろうとしている」と話す。

本来なら労働者にとっては喜ばしいはずだが、約8万人規模の労働者によるデモ活動も起きている。

最低賃金は上がっても、労働時間を減らされたことで結果的に給料が下がったり、リストラされるなどの問題が続出し、労働者の不満が爆発した。

韓国のコンビニエンスストアでは、増える人件費をカットするために、24時間の営業時間を短縮。

中には、人件費に圧迫され、最高気温が34℃の日でもエアコンを切って営業をしている店もあるという。

最低賃金の高いフランスでは「若者の失業率」が弊害に

一方で、2016年の世界の実質最低賃金のランキングで1位のフランス。最低賃金は日本円で約1243円。

海外の最低賃金制度に詳しい立教大学の神吉知郁子准教授は「フランスの最低賃金は、ここ数年ずっと上がってきている」といい、最低賃金が高いフランスでは物が売れ、景気が支えられる好循環が続いているという。

しかし、神吉准教授は「雇い主としてはスキルのない若者を雇うことが、最低賃金に対して割高に感じられてしまうので、若者の失業率が高くなることが弊害の一つと言われている」と、若い世代の失業率が高いというデメリットもある。

日本で最低賃金が上がると仕事が海外に行ってしまう?

そうした中で、日本は「上げろ最低賃金」などと書かれたプラカードを持つデモ隊など、最低賃金1500円を求めるデモが頻発している。

だが、日本で最低賃金が大幅に上がれば、そのしわ寄せが思わぬところにいってしまうという。

労働問題に詳しいコンサルタントの中嶋よしふみさんは「日本人がやっていた仕事が海外に行ってしまう。結果として、国内産業の空洞化が進んでしまう」と指摘。

日本より安い賃金で同じ作業が可能な国に仕事が移っていき、国内の産業が衰退してしまうという。

さらに、中嶋さんは「雇用が減って機械化が進んでしまいます。最後に残るもの、産業というのももちろんありますが、日本が貧乏になれば、そういった産業すら支えられなくなってしまう…」と機械に仕事を奪われてしまう可能性もあると懸念した。

(「めざましテレビ」7月26日放送分より)