2018年4月に撮影され、8月1日に公開された大阪市内を走る「ドライブレコーダー」の映像。
前方を走るタクシーが走行中に突然、炎上した。
タクシーが路上に落ちていたガソリン携行缶を引きずってしまったことが原因だという。
幸い、乗っていた3人は車から脱出した。
こうした「自動車落下物事故」について、専門家は「夏のこの時期は特に車の落下物に注意が必要」だと警鐘を鳴らす。
自動車事故に詳しいレイ法律事務所の松下真由美弁護士は「行楽シーズンということもあり、普段車に乗らない人も車に乗って出かけることが増えます。特に、夏は台風のシーズンということもあり、強風で荷物があおられて落下物が増えたりすることがあります」と話す。
2016年度の国土交通省の調査では、自動車の落下物を処理した件数は1年間で約75万件にも及んでいる。
多くは大型車からの落下物…

国土交通省が発表している平成28年度の自動車落下物の内訳の多くは、「木材」や「鉄類」、「積み荷を覆うシート」と、トラックなどの大型車から落下物が多く発生していることがかわる。
国内で撮影された映像には、前方を走る1台のトラックの荷台から突然、大きな木材が空中に舞い、道路に落下した。トラックの運転手は気づいていないのか、そのまま走り去ってしまった。
また、海外では対向車線を走るトラックのタイヤが外れて、車に直撃。その車はそのまま対向車と衝突し、崖に転落するという大事故が起きている。
そして、2016年4月には、福井市の国道でトラックの荷台から角材が落下し、対向車のフロントガラスを突き破り、運転していた男性が死亡するという事故が発生している。
大切なのは「十分な車間距離」

番組の調査によると、トラック以外の車からの落下物もあった。
2018年1月に愛知県の高速道路で撮影された映像には、前方を走る観光バスが右カーブに差し掛かった瞬間、トランクルームの扉が開き、次々とスーツケースが落下。後ろを走る車の運転手は、突然の出来事に驚きの声をあげていた。
こうした落下物に巻き込まれて、事故を起こさないための対策はあるのだろうか。
JAF東京支部 事業課 交通環境係の高木孝さんは「車間距離を十分に取るということが大切になります。例えば、時速100キロで走行していた場合、約100メートルの車間距離を取ることが必要だと言われています」と注意を促した。
前を走る車が急に車線変更をした場合などは、その車が落下物に気づいて車線変更をしたといった可能性など「何か理由があってのことと考えた方がいいです。基本、減速をするのが一番」だと話した。
(「めざましテレビ」8月2日放送分より)