過剰接待「一切要求していない」

入院していると伝えられていた渦中の山根会長が、騒動発覚後、初めて取材に応じた。

8月2日午前、電話の向こうで口を開いた日本ボクシング連盟の山根明(78)会長。
3日前に大腸ポリープを摘出する手術をしたことから、1日のインターハイ開会式を欠席したことを明かした。

ーー体調はどうか?

体調は大丈夫やで。ポリープは取ってるからね。

ーー閉会式には来るのか?

行かない。俺が行くか行かないかは俺の勝手や。

ーー「告発文」は見たのか?

僕はテレビは見られてませんけど。
見たってウソばっかし言ってるから。全部がウソや。

ーー「告発文」はどこが間違いか?

全部がウソだね。“作り”だね。
だから受けて立つ。


告発文はて嘘だと主張する山根会長。
それぞれの疑惑や現在の心境について、およそ90分間にわたり激白した。告発文でも問題視された過剰接待については、次のように話した。

山根会長:
(過剰接待は)ありません。
あいつらは「連盟から要求の文書が来た」と言うが、連盟からそういう文書を出したことはありません。
僕は“改革をしている人間”ですから、そんなことは一切望んでいません。
「VIPの部屋」とかそういう要求も一切していません。
テレビの報道ではVIPの部屋で食べ物がどうこうやってるけど、(要求したという)「カンロ飴」とかおちょくった話を言ったらダメ。
カンロ飴なんて120円ですよ。なんの贅沢もしていない。
「ホヤが好きだ」とかおちょくったことを言ったら困る。まだ開催県からホヤも食べさせてもらってませんよ。


さらに、開会式会場に用意されたあの豪華な椅子についても言及。

山根会長:
大きな椅子も私から要求した覚えはありません、一切!パイプ椅子でもそのまま座ってます。
勝手に開催県がしていることで、機嫌取りでしょうね。自分たちからやっといて、要求されたとか宣伝に使ってる。

奈良判定「絶対ありません」

1日に行われたインターハイボクシング競技の開会式。
欠席した山根会長とは別にもう1つ空席だったのが、全国高体連の佐藤秀行委員長の席だ。

その佐藤委員長の姿は、一般の観客席にあった。
なぜ壇上の椅子に座らなかったのか? 山根会長に尋ねると…

山根会長:
日本連盟から除名されている人間が、なぜ登壇するんですか?

(中央左)全国高体連 佐藤秀行委員長

佐藤委員長もかつてボクシング連盟に所属。
しかし、山根会長の逆鱗に触れ除名処分を受けたという。

山根会長:
指示しなくても(登壇しないのは)当たり前でしょ。試合会場も出入り禁止です。


ボクシング界に強い影響力を持つ山根会長。
「自分も地方組織の人間だったから地方の気持ちがわかる」山根会長は、そう言って自身の奈良県連時代について語った。


山根会長:
僕は地方連盟出身の人間ですから、借金もいっぱいしました。
だから嫁にも離婚されました、ボクシングに使って。
(妻の)喫茶店の売り上げを持ち出したりするから離縁されたんです。
地方連盟の都道府県の気持ちは、全部くんでいる。


では、自身の出身母体である奈良県連の選手を判定で優遇する奈良判定をはじめとする不正はあったのか?

山根会長:
あぁ“奈良判定”。それは絶対ありません。ありません。
だから、審判委員会に聞いてください。
私はそういうことに一切タッチしていません。


疑惑の判定について聞くと、こう話した。

山根会長:
岩手国体で(奈良が)2回ダウンして(勝ったことも)、プロは1回ダウンしたら2ポイント付く。
アマチュアは(ダウンも)クリーンヒットの1つなんです。ポイント制ですから。


公平な審判だったか?という問いかけには、強い口調で答えた。

山根会長:
公平な審判をしている。

ロレックス売って160万円送金

一方で、リオ五輪代表の成松大介選手がJSCから交付された助成金240万円を山根会長の指示で、別の2選手に80万円ずつ分けたことについては、事実を認めた。

山根会長:
成松の件は、私自身が3等分しなさいと言いました
確かに私自身があげられたら、3人くらい一緒に受けられたらいいなと思ったんですけど、成松選手に3等分してくれと。
本人の納得で80万円ずつにしたわけです。


やっていけないことだと認識していたのかを聞くと…

山根会長:
それは知らなかった。そこまで認識不足でしたから、選手のとこに行くことに関して。そういう感覚を持ってませんでした。


さらに、不正流用との指摘を受け、今年5月、成松選手に返金したという160万円の出所についても語った。

山根会長:
私は時計を売りました。160万円急に言われてもありませんから。

ーー大切な時計?

山根会長:
ロレックスです。自分の息子が買ってくれた大事なロレックスの時計を息子に内緒で売りました
16万円ならあります。160万円急に言われてもないので、仕方ないので息子から買ってもらった時計を売って、それで送金しました。

孫の口座「おじいちゃんに貸して」

そして、試合用グローブなどの販売を連盟が指定した杉スポーツ1社に限定している問題

告発状では、不透明な独占販売により中抜きした利益を会長が不当に得ているのではと指摘されている。

山根会長:
(グローブを販売する)受け皿がないと…取りあえずグローブがなかったら試合ができないから、それでは連盟で会社をもって作ってやったらどうだと言ったら、吉森専務理事が反対をしたんです。
最終的に、専務理事と話し合って杉スポーツにさせたわけです


では、当初の代金振り込み先が、山根会長の孫の口座だった点については…

山根会長:
最初、振り込みをするにも急に1~2日で通帳ができないので。たまたま孫の通帳をあるかということで聞いて、それをおじいちゃんに貸してくれないかと。その通帳を杉スポーツに渡したわけです。
だから、その当時は、はっきり言ったら連盟で会社を作って販売したら、別にややこしい問題にもならなかった。

グローブの請求書

全選手に「愛情注いで強化」

告発状に書かれた数々の疑惑を「嘘ばかりだ」と否定した山根会長。
選手に対する自らの信条については、こう語った。

山根会長:
私は選手に対して愛を持って接していますから。
選手も役員も山根会長にピリピリしていると、そんなことありません。
愛情を注ぐということが、一番大事なんですよ。
私が強化したというのは、全選手に愛を与えてきている。それで強くなったんですよ


山根氏が連盟の会長に就任した翌年、日本は、ロンドン五輪で2つのメダルを獲得。
しかし、プロとなった村田諒太選手は、告発問題を受けフェイスブック上でこう批判した

成松、大変な思いをしていると思います。
選手のことを考えていたら、こんなことは絶対にあり得ない。
そして、そろそろ潔く辞めましょう。
悪しき古き人間達、もうそういう時代じゃありません。
新しい世代に交代して、これ以上、自分達の顔に泥を塗り続けることは避けるべきです。
(村田諒太選手のフェイスブックより)

(左)村田選手 (右)山根会長

山根会長:
だから、村田がね「古き人もう引退してもらう」というような、そういう表現で私に言ったことに対して、大きいショックを受けたね。
あの子には愛情を与えて金メダルを取らせたんですよ。ね?
どの競技団体もオリンピックになるとね、連盟がしっかりしてなくちゃメダルは取れませんよ。ね?
この金メダルは山根会長のメダルです、山根会長のおかげでメダルが取れましたと、そう言った男が、金メダルを私の首にかけてくれたんですよ。その時の私は泣きました。おめでとうと。良かったねと。
そういった人間が、なぜにそういう談話を出したかと。

会長辞任は「俺の腹一つよ」

3日前に、大腸のポリープ8個の摘出手術をしたという山根会長。

山根会長:
タイミングがね、そんな大騒ぎになると思わなかったね。(開会式は)だからちょっと最初は行くつもりで段取りしたんですけど、出血があったんでね。


現在、会長辞任を求め、自分を脅迫している人物がいることを明かした山根会長

自身の今後についてはこう語った。

ーー辞任のつもりはない?

分かりませんね。それは俺の腹一つよ

ーーまだ療養中?

そんなんでへばっとったら、法人の会長はやっていけない。記者会見をしますから

ーーどこで?

大阪でやりますね。


辞任については、分からないとした一方で、今後、記者会見をする意向を示した山根会長。
333人の告発者との全面対決の行方は、どうなるのだろうか。

(「プライムニュース イブニング」8月2日放送分より)