1月11日、都内の会見で、ある女性の代理人が明らかにしたのは、精子提供をめぐるトラブル。

原告の代理人
被告は法の隙間をつき、性的快楽を得ることなどを目的として、原告に対し、あたかも自分が原告の求める条件に合致する精子ドナーであるかのように装い、精子提供と称した卑劣な行為により、原告の人権を踏みにじる深刻かつ重大な被害を負いました

女性
信用できる精子ドナーが見付かった場合にのみ、精子提供を受けよう

そんな思いを抱いて、SNSで知り合った男性から精子提供を受け、妊娠・出産した女性。

男性が国籍や学歴を偽っていたとして、2021年12月、約3億3000万円の損害賠償を求める訴えを起こしたのです。

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訴状によると、30代の女性は、夫との間に第1子をもうけた後、夫に遺伝性の難病の疑いがあることが判明。

第2子を希望していた女性は、SNSで精子提供者を探し、2019年3月、20代の男性と知り合います。

原告女性のSNSでのやりとり(訴状より)
国立大学卒とのことですが、どの大学ですか

相手男性
京都です

原告女性
主人が東大卒で同じような方を探していたので京都大学出身とのことで嬉しく思います

相手男性
よかったです

女性は、生まれる子が「東大卒の夫とできる限り差を感じることがないように」と夫と同等の学歴をもつ配偶者がいないドナーを希望。

男性が条件を満たしていると信じた女性は、2019年4月から10回ほど、男性から性交渉による精子提供を受けて第2子を妊娠。しかし、その後、ウソが判明。

訴状によると、男性は中国籍で既婚。さらに京都大学ではなく、別の国立大学を卒業していたことが分かったということです。その時には、すでに中絶可能な時期を過ぎていたため、女性は出産を決意しました。

原告の代理人
精子提供を受けることを希望する方はツイッターなどのSNSで精子ドナー候補を探し、直接連絡を取り合った上で交渉し精子提供を受けるしかない社会実態があります

SNSで知り合った男性からの精子提供を巡って起きた異例のトラブル。

めざまし8では、若狭勝弁護士に今後の展開の見通しや争点について伺いました。

若狭勝弁護士:
被告側の反応で行く末が決まってくるが、1つの争点は、最初の条件が「東大卒」「未婚」ですが、被告と何度も会って、性交渉を結んでいるという過程で、条件が、トーンダウンしてきた可能性がないかどうか。実際に会ってみて、被告の人となりをみて、この人の子どもならと変わっていった可能性があるかないか。仮に、最初から被告が「東大とか京大卒じゃない」言い始めれば「なし」となったのか、この人ならという気持ちで産む決意になったのか。被告の反論としては、今言ったようなことが考えられる

若狭勝弁護士:
訴訟を起こすことは、法律的にありうる話で、全然問題ないと当然思うが、原告が勝つのかどうかは被告の反応をみないとなんとも言えない。ここまでが法律家として考えです。個人的には、最近読んだ三浦綾子さんの小説『氷点』と重ねてしまった。生まれてきた子どもがどういう立場になるのか一番危惧、心配している

(めざまし8 1月12日放送より)