男子日本トム・ホーバスヘッドコーチも視察に訪れる中、千葉ジェッツにプロ契約で加入した東海大4年の大倉颯太(22)が26日のサンロッカーズ渋谷戦で即戦力ルーキーぶりを発揮した。

チームはSR渋谷のエース・ベンドラメ礼生(28)に33得点を許し82-91で敗れたものの、その中で大倉は14分35秒の出場で7得点・2アシスト・1スティールと、攻守に渡って随所で光った。

第1クォーター終盤に登場すると、第2クォーターにはマッチアップしたベンドラメにアグレッシブなデイフェンスを展開。収容率100%となったアリーナを沸かせる。劣勢で迎えた第3クォーター残り5分には3ポイントシュートを射抜き、さらに残り3分にはスティールからそのままスピードに乗ったドリブルで敵陣まで持ち込みレイアップを沈める。
即戦力としての期待が垣間見えたのは勝負の第4クォーターでも大野篤史ヘッドコーチから起用されたことだ。84対68の残り4分、速攻からシュートに持ち込んで相手のファウルを誘うなど、16点差を残り2分半で6点差まで縮める原動力となった。

過去2シーズン、大学生の特別指定選手として千葉でプレーした大倉は、昨季2月の信州ブレイブウォリアーズ戦で前十字靭帯断裂、内側側副靭帯断裂、半月板損傷の全治12カ月の大ケガを負う。長きにわたるリハビリを経て、全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)で東海大を準優勝に導き、ついにはプロ契約選手として千葉に戻ってきた。
「ルーキーらしくというよりは、ひとつのピースとして優勝するためにチームに来たのでしっかりやっていかないとなと思っています」
横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝(東海大)、川崎ブレイブサンダースの米須玲音(日大)、群馬クレインサンダーズの八村阿蓮(東海大)など、インカレを終えた現役大学生がBリーグの舞台に続々と戻ってくる中、大倉も負けない存在感を発揮する。「優勝するために来ました」、そのひとつのピースであることを自らのプレーで証明してみせた。
サンロッカーズ渋谷91-82千葉ジェッツ
(青山学院記念館・2608人)
(フジテレビ 加藤忍)