日本は山と海に囲まれていて、川も多く、かつ地震も多いため、“世界で最も水害リスクが高い国”と言っても過言ではないという。

特に昨今は、大型台風や暴風雨で甚大な被害が相次ぎ、国民の危機感はこれまでになく高まっている。

こうした水害をはじめとるす水の研究を30年以上続けてきたのが、東京大学生産技術研究所の沖大幹教授。

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日本と同じく水害リスクが高いタイでフィールドワークを積み上げてきた。そんな沖教授が抱く、日本の“減災意識”を世界に発信したいという思いを取材した。

タイで30年以上研究を

沖教授は「タイでずっと研究をしているのですが、『温暖化で気候が変わって暴風雨が増えたり、高潮が増えたらどうしますか?』と聞いたときに『何もしない』や『神に祈ります』とかそういう答えが半分くらいでした」と話す。

沖教授は2007年にノーベル平和賞を受賞した「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」に携わるなど、世界に向けて水問題を発信してきた。

中でも調査を続けてきたタイでは、被害予測が不十分なため、避難することをあきらめてしまう人もいるという。

そこで、地形や海面上昇などのデータを分析し、住民に危険度を周知。インフラ整備に加え、マングローブや海岸を保全することによって、水害に強い街をつくる方法を現地の人に伝えてきた。

温暖化が加速すれば、水害はさらに増えていく。水害リスクの高い日本が培ってきた減災意識を世界へ伝えていきたい。こうした思いを抱きながら、沖教授は日々研究を続けている。

そんな沖教授は「タイでも市町村レベルでどういったリスクがあるかを把握し、地元の気候変動対策が進んでほしい」と期待を込めた。

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