外出自粛要請が出された週末、渋谷の人出は半分以下に

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都の小池百合子知事は3月25日に開いた緊急記者会見で、“週末の不要不急の外出自粛”を求めた。現在も自粛要請は続いているが、この会見があった直後の週末(3月28~29日)の都内の人の流れはどう変わったのか?

人々の行動データプラットフォームを運営するunerryによると、渋⾕を訪れた人の数は半分以下になり、東京に隣接する4県から東京への流入も大きく抑えられたのだという。

調査は、unerryの行動データプラットフォーム「Beacon Bank」を使う100万人の位置情報データを解析したもの。

渋谷区の人の流れの量を「2月の1週目(2/1,2)」を100%として、それ以降の土日を数値化したところ、2月は4週目までほぼ横ばいだったが、5週目(2/29,3/1)に20.5ポイント減の79.5%に。

“緩んだ”といわれる「3月の3週目(3/21,22)」には81.5%にやや戻ったが、外出自粛要請が出された「3月の4週目」つまり、3月28日、29日は53.3ポイント減の46.7%となった。
 

渋谷の人出(提供:unerry)

また、渋谷駅周辺の状況を詳しく見ると、駅周辺の人の集中が軽減していることも分かったという。unerryはこの理由を「駅周辺の商業施設の休館の影響が考えられる」と分析している。
 

2月1週目に渋谷を訪問した人の行動範囲(提供:unerry)
3月4週目に渋谷を訪問した人の行動範囲(提供:unerry)

隣接4県から東京への流入も抑制

さらに、東京に隣接する4県(神奈川、埼玉、千葉、山梨)について、「3月28日~29日」と「その前の週」を比較し、どの県からの流入が抑制されたか、調査を行ったところ、神奈川県は48.1ポイント減、埼玉県は44.5ポイント減、千葉県は42.5ポイント減、山梨県は34.3ポイント減となり、隣接4県全てからの流入が大きく抑制されたことも分かっている。
 

東京都内へ他県から来訪する割合の変化(提供:unerry)

この調査結果からどのようなことを読み取ればよいのか?
unerryの担当者に話を聞いた。
 

ほぼリアルタイムのデータをAIで解析

――運営している「リアル行動プラットフォーム」とは何?

位置情報を活用するスマホアプリ(観光アプリやクーポンアプリなど)に位置情報技術を提供することで蓄積されている「人流ビッグデータ」のプラットフォームです。
国・自治体の調査分析や企業向けのマーケティングに活用されています。

――今回の調査方法は?

行動データプラットフォーム「Beacon Bank」のビッグデータを解析することで、各場所や施設にどれくらいの規模のどのような特徴の生活者がいるかが分かります。また、約6000万ダウンロード(2020年3月末時点)のアプリの位置情報と連携し、ほぼリアルタイムのデータをAIで解析することができます。
 

「まだ6割近くは東京に向かっている」

――今回の調査結果「東京への流入は隣接4県全てから大きく抑制された」からどのようなことを感じる?

外出自粛要請の効果はあったものの、1回の自粛要請ではまだ6割近い人は東京に向かっているとも言えます。したがって、どのようなメッセージを国・自治体として発信した結果、どのような効果があったかを、できるだけタイムリーに把握して理解していくプロセスが重要になってくると考えています。

――「渋谷の人出は半分以下に」。この結果からはどのようなことを感じる?

「自粛要請」には一定の効果があったと感じました。
しかし、状況は刻一刻と変化していますので、継続的なモニタリングが重要だと考えています。

また、繁華街、ターミナル駅と住宅街など場所の特徴に応じて、顕著な変化が出てきていますので、どのような場所、そして生活者層に変化があったのか、さらに掘り下げていく必要性を感じています。

 

ひとまず1週目の週末は、ある程度の効果が見られた、小池都知事による外出自粛要請。
一方、安倍首相は6日、政府の対策本部を開催し、緊急事態宣言の準備に入ることを表明したうえで、早ければ7日にも正式に宣言を出す見通しだが、それにより今週末の人の流れがどう変わるのかも注目だ。
 

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