劇団四季の新しい劇場が11日にオープンした。

初日は上演を待ち焦がれていた多くのお客さんであふれ返っていた。

この新劇場で上演されるのは、ミュージカル「キャッツ」。

9年ぶりに東京で上演するために品川区にキャッツ専用の劇場が作られた。

ワクワクが止まらない、不思議な空間を堤礼実アナウンサーが取材。

初演から35年目を迎える今も愛され続けるキャッツの秘密に迫った。

35年続くロングランミュージカル!

ミュージカル「キャッツ」は、“都会のゴミ捨て場”を舞台に個性豊かな猫たちが舞踏会を繰り広げる物語。

1983年の初演以来、日本各地で公演を続け、通算公演回数は9811回、総入場者数は約969万人。(8月19日現在)

今なおロングランを続けている日本で最もヒットしたミュージカル作品の一つ。

そんなキャッツを日本で初めて演出したのが、先月に85歳で亡くなった浅利慶太さん。

初演当時の浅利さんは「キャッツの魅力はたくさんありすぎて、とても一言では言えない。“舞台はこんな素晴らしいものですよ”ということを見ていただくために、面白さだけは全部集めた」と語っている。

すべて手作り!「キャッツ」の世界観を作るゴミのオブジェ

今回オープンした「キャッツ・シアター」の特徴は、舞台と客席のまわりにある無数のゴミのオブジェ。

劇場そのものが「キャッツ」の世界観を作り、舞台と客席が一体化した空間になっている。

舞台と観客席の周り一面に広がるゴミのオブジェは、すべて劇団四季の手作りでオリジナルだという。

このオブジェがどのようにして劇場内に配置されたのか。

今から2カ月前の6月中旬、劇場内にゴミのオブジェが次々と運ばれていた。

昔懐かしいかき氷機やボード型のサッカーゲーム、サンダルやボウリングのピンなど、3000個近いゴミのオブジェは、すべて手作業でひもなどでしっかり固定されてつけられていく。

約1か月かけて“都会のゴミ捨て場”という設定のキャッツワールドが出来上がった。

実は、このゴミのオブジェは「キャッツ」ならではの秘密があるという。

「猫の目線で全部ゴミが作られていて、実際のサイズの3倍から5倍くらいの大きさでできています」とリーダー的なネコ・マンカストラップ役を演じる加藤迪さんから教えてもらった。

例えばボウリングのピンは、堤アナの胸元くらいまでの高さで、たまご型の育成ゲームやテレビゲーム、かき氷機もサンダルも普通の3倍から5倍くらいの大きさ。

探してみたい!「ご当地もの」のオブジェ

さらに、ゴミのオブジェの楽しみ方はもう一つあり、「ご当地もの」が毎回新しく作られている。

2009年の横浜公演では崎陽軒のお弁当、2012年の広島公演ではもみじまんじゅう、2016年の大阪公演では阪神タイガース関連のオブジェが登場している。

そして、今回の東京公演では東京タワーのマスコット「ノッポン」やしながわ水族館のチケットがあるという。

そんな「ノッポン」はどのようにして作られたのか。

まず、茶色い絵の具を使って筆で顔をぬり、手のひらでこすりつけるようにして全体をなじませていく。

そして、筆を指ではじいて茶色の絵の具を飛ばして、まるで泥が付いたかのように仕上げていた。

ちなみに、ゴミのオブジェの中には四つ葉のクローバーが1つだけ隠されているという。

まるでネコの世界に入り込んだような空間には「ご当地もの」や「四つ葉のクローバー」など、お客さんをワクワクさせる魅力たっぷりの世界が広がっている。

「ネコよりもネコらしく」プロのテクニック

見どころは、ゴミのオブジェだけではない。

加藤さんは「ネコよりもネコらしく、と(指導者に)言われる」と話し、ネコを演じるキャストのプロならではのテクニックを披露してもらった。

「肩を抜いて肩甲骨が動くようにしている」という山中由貴さんは、動きだけではなく顔の表情もネコに見えるほどなりきっていた。

「キャッツ」に登場するネコたちは個性がさまざまで、ちょっとワイルドでつっぱり風ネコや陽気でやさしいおばさんネコまでいる。

ディティールにこだわった劇場やキャストたちの迫真の演技が35年経った今も、人々を魅了し続けている。

(「めざましテレビ」『スゴ撮』8月20日放送分より)