立入禁止の私有地に侵入して列車を撮影する“撮り鉄”。こうした撮り鉄による迷惑行為が相次ぎ、鉄道会社が異例の注意喚起をする事態となっている。
立入禁止の看板も無視! “撮り鉄”の危険行為
12月18日、千葉県・いすみ鉄道では、人気のレトロ車両に昭和30年代に使用されていた列車のヘッドマークを装着するイベントが行われた。
この記事の画像(14枚)貴重な光景を写真に収めようと集まった鉄道ファン、いわゆる“撮り鉄”。
のどかな田園風景を列車が走る人気のイベントだが、一部の撮り鉄による迷惑行為が相次いだ。
駅に設置された柵の向こう側でカメラを構える3人の男性。すると…
すぐ横を列車が通り過ぎて行く。
さらに取材班のカメラはこんなヒヤリとする場面もとらえていた。
私有地への立ち入りを禁じた看板があるにもかかわらず堂々と侵入。線路までの距離は約3メートルしかない。
警報音が鳴り響く中、列車が迫るギリギリまでカメラを構えている。
スタッフ:
今、男性たちが撮影するすぐ横を列車が走っていきます。危ないですね!
線路脇での撮影は接触事故につながりかねない極めて危険な行為。
この撮り鉄に「なぜ立ち入り禁止の場所で撮影したのか?」を尋ねたが、無言で立ち去っていった。
イベント中止も検討。撮影だけでなく迷惑駐車も
こうした線路脇での撮影がどれだけ深刻なのか?
鉄道会社に許可を得て、列車内から取材。
発車してすぐ見えてきた20人近くの撮り鉄だが、この場所は私有地のため許可なく撮影するのは禁止。
そして雑木林を抜けるスポットでは、列車に近づくため柵を乗り越えた位置で撮影をするなど、線路脇でカメラを構える撮り鉄はその後も相次いだ。
いすみ鉄道 運転士:
撮っている本人も分かっていてギリギリまで寄ってきている。万が一のことがあると自分の責任になってしまうので怖い。
さらに、近隣住民からは周辺道路での迷惑駐車などへの苦情も鉄道会社に寄せられているという。
いすみ鉄道 古竹孝一社長:
(イベントは)ローカル鉄道を盛り上げたいという趣旨でやっているので続けたい。続けるために皆さんにマナーを守ってもらいたいという思いだけ。
いすみ鉄道はトラブルが続くようであれば、今後イベントの中止も検討するとしている。
(「イット!」12月20日放送分より)