12月17日、大阪・北新地のビルに入る心療内科クリニックで起きた放火殺人事件。28人が病院に運ばれ、24人が死亡しました。めざまし8が容疑者周辺の取材を進めると、過去のトラブルとそれを契機にした“深い孤独”が浮上しました。

「信じられない」中学の同学年の男性が語る 容疑者の印象

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警察は19日、クリニックに通院していた職業不詳の谷本盛雄容疑者(61)を容疑者と特定したと発表しました。谷本容疑者はどんな人物なのでしょうか。同じ中学に通っていた同じ学年の男性に話を聞きました。

谷本容疑者の中学時代の同学年の男性:
信じられないね。そんなに悪い子じゃなかったし、怖い印象はなかったですね。そんなに目立つ子でもなかったし、おとなしそうな印象しかないんだ。深く付き合ってはないですけど、そんなには悪い子のようには思いませんでした。目立つ子ではなかった。

容疑者には、おとなしい印象しかないといいます。

――中学卒業後は?

谷本容疑者の中学時代の同学年の男性:
会ってないと思います。

――同級会とか、そういうことも?

谷本容疑者の中学時代の同学年の男性:
同窓会も来たことないですね。

一方、谷本容疑者が働いていた職場の関係者からは、職人として「腕がいい」という証言がありました。

過去に“息子を切りつける事件”…家庭環境に大きな変化が

田中良幸キャスター:
谷本容疑者は大阪市此花区で生まれ育ちました。父親は板金工場を営んでいて、谷本容疑者も一時、その会社を手伝っていたということです。

その後、2002年からは別の板金工場で働き始めた谷本容疑者。当時の働きぶりについて、職場の関係者は…。

職場の関係者:
きちっとできる人。後から入ってきた人らでもきれいにちゃんと教えてくれるし、教え方でもピリッと厳しく、自分にも厳しいから。おかしな仕事されたくないんじゃないですか。自分が責任持ってやってたらね。腕も良かった。本当に腕のいい人でしたよ。

勤務態度は真面目で、責任感が強い腕の良い職人。しかし、2010年頃、家庭環境に大きな変化が訪れ重大な転機となります。

職場の関係者:
みんなに縁切られて、親も兄弟も子供さんにも。ひとりぼっちになった。そういう心の悩みが。

「家族に縁をを切られていた」と語る関係者。どういうことなのでしょうか。さらに、その詳細を知る人物たちを取材しました。

トラブルを知る人:
息子さんを切りつけるって。玄関のところに血があるような感じ。それ以上のことはブルーシートを張って見えないようにしてた

息子との間で大きなトラブルが起きていたと話します。さらに、谷本容疑者が以前住んでいたマンションで起きたトラブルについて、管理人はこんな出来事を明かします。

以前住んでいたマンションで不審火 「たばこが原因」と主張

以前住んでいたマンションの管理人:
谷本容疑者の部屋が火事になって、丸焼けになったんです。大騒ぎになりましたよ。消防車など全部来て、部屋が丸焼けなんだから。

約10年前に住んでいた部屋で“不審火”が起きていたというのです。

以前住んでいたマンションの管理人:
たばこの吸い殻、たまたまコンビニ行ってる間に火がついたと。布団に燃えついて、帰ったら火だらけになっとったというのが、本人の言い分です。

谷本容疑者は「たばこが原因だ」と話していたといいます。取材でわかってきたのは、谷本容疑者が巻き起こしてきた度重なるトラブル。

そうした問題のあと、姿を消したという谷本容疑者。この空白の期間に深まったとみられる「孤独」。そして、2021年に入りある変化が起きていました。谷本容疑者は突如、かつて妻や息子と暮らしたとみられるこの家に姿を現したといいます。

町内会長:
ここのおばちゃんが、4~5日前から自転車で出入りしてはるから(谷本容疑者に)「こっちに引っ越ししたんですか?」って聞いたという形ですね。それを聞くと言うことは、全然知らん人やったと思います。ここに長い間住んではるけれども。谷本いう人物を知らんから。知っていたら聞かへんわな。

最近の生活ぶりについて話を聞くと…。

――電気とかガスとかは?

町内会長:
電気とかガスは切れているわ。全く通っていない。

さらに、隣の住人からはこんな話も。

――人が住んでいる感じは?

近所の人:
ラジオが付いていましたから。そんな長いことちゃいます。

――1週間?

近所の人:
そうかな。それぐらいちゃうかな。

そして、この家では事件当日の朝、不審なことが起きていました。

事件直前にも放火か…容疑者の自宅とみられる住宅で

田中良幸キャスター:
現場から3キロほど離れた大阪市西淀川区にあるこちらの住宅が、谷本容疑者の住宅とみられています。1階部分はシート、そして規制線が張られていまして、3階部分の雨戸が一部焼けたような跡が残っていますよね。というのも事件の30分ほど前に、こちらで放火とみられる火災が発生していたということなんです。

事件直前に住宅で起きていたもう一つの火災。ビルへの放火事件とどういう関係があるのでしょうか。

一方、19日には事件で亡くなった犠牲者8人の身元が新たに判明。その中には、クリニックの西沢弘太郎院長の名前もありました。

“トラブルから縁遠い”院長 現場前の献花台には多くの花

西澤院長の人柄について、4年ほど前から交流があったという男性を取材しました。

株式会社Kaien 代表取締役 鈴木慶太さん:
偉ぶる感じも全くない先生ですし、淡々と、でも丁寧にこちらの話を聞いて頂けるという感じですね。本当に控えめで謙虚で、ちょっと自信がなさ過ぎるというか。先生もっと、大阪でNO.1というくらい。

さらに、クリニック内で火が放たれたことについては、次のように話します。

株式会社Kaien 代表取締役 鈴木慶太さん:
やはり精神科とか心療内科というところが、その人が人生で非常に困って通うことが多いところなので、そのリスクが低いかと言われると、一般の所よりも少し高くなるかもしれないとは思っています。ただし、先生のお人柄を考えると、そういう危険性が高くなるタイプでは全然無いですし。「先生の治療方針が全然納得いかなくて」とか、「困ってお医者さん変えたいです」なんて話は聞いたこともないので。そういった意味ではトラブルになる可能性はゼロではないかもしれないですけれど、そういういうところから本来、縁遠い方だとは思います。

働く人のため夜の10時まで診察するなどし、患者からの信頼が厚かったという西澤院長。

多くの人たちの命と、かけがえのない場所を理不尽に奪われた、怒りや悲しみ。事件発生から3日目の19日。現場前に置かれた献花台には、花を手向ける人の姿が後を絶ちませんでした。

(「めざまし8」12月20日放送)

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