政務活動費の不正計上問題が持ち上がった豊田恵美京都市議。告発したのは夫の貴志氏、2人に何があったのでしょうか。めざまし8は妻の父親を独自取材。すると、背景には離婚の協議をめぐる問題もあることが見えてきました。

食い違う夫婦の主張…豊田市議「不正はございません」

豊田市議に突如、持ち上がった政務活動費の不正問題。告発した貴志氏はかつて、京都府議や京都市議を務め2年前に議員を引退。入れ替わるように、2019年に市議となったのが妻の豊田市議でした。

その後、貴志氏は豊田市議の事務所で職員を務めていたといいますが、2020年3月に交通事故で大けがを負い、11月4日まで仕事が出来なかったといいます。しかし、豊田市議の政務活動費の収支報告書を見ると、その期間も約137万円が事務所職員の給与として計上されていました。

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豊田市議の夫 貴志氏:
(事故で)頸椎捻挫ということで働けなかった期間がある。働いてなかったんですけれども、その期間も妻の方が、彼女の方が、私に対して給与を支払っていたという現実があります。

――そのお金はもらった?

豊田市議の夫 貴志氏:
もらってないです。彼女が所持している私の通帳と、キャッシュカードの方の履歴を金融機関であげてもらったんですけども、本人の名義で振り込みがされているというのが明らかになっています。私名義の通帳を返して欲しいということを本人に話をしたんです。その時に本人が返そうとしないし、その件については口をつぐむんです。

働いていないにもかかわらず、政務活動費から給与が支払われ続けていたと主張する夫。これに対して12月9日午後、妻の豊田市議は次のように述べました。

京都市議会 豊田恵美議員:
不正はございません。

会見でも夫の告発を否定しました。さらに…。

京都市議会 豊田恵美議員:
貴志氏とは離婚協議中ですが、協議は難航しておりまして、離婚調停を起こす準備をしております。私たち夫婦には小学4年生の娘がおり、私は母親として娘の幸せを第一に優先させて結婚生活を送ってきました。今回の離婚についても、娘の気持ちを第一に協議を進めたいと考えております。

現在は離婚に向け話し合っている最中で、娘の幸せを最優先に考えていると語ります。そして、夫が訴える休業中の給与については…。

京都市議会 豊田恵美議員:
後続車から追突をされた(交通事故の)事実はありますけども、貴志氏はその(負傷)後も普通に生活をしており、私の事務所でも仕事を継続しておりました。

豊田市議は、貴志氏が働いていないとする期間も休業しておらず、不正はないと主張。一方、貴志氏は休業していた証拠があるといいます。

“休業損害証明書” 夫が証拠と強調も「強要されて書いた」

豊田市議の夫 貴志氏:
「休業損害証明書」を提出したんですけども。

――保険会社に?

豊田市議の夫 貴志氏:
はい、保険会社に。これは全て彼女の字です。

そう言って取り出したのは、保険会社に提出したという休業損害証明書のコピー。貴志氏によると、署名したのは妻の豊田市議だというのです。

京都市議会 豊田恵美議員:
(貴志氏は)働いている実態があったために証明書を書くことはできないと断りました。最後は、私は断り切ることができないという弱い立場にありました。

豊田市議は貴志氏から強要されて書いてしまったとし、証明書が提出されたのは報道で知ったと主張。その上、夫婦関係についてこう明かしたのです。

京都市議会 豊田恵美議員:
私たちの夫婦関係、人間関係は対等ではなく、常に貴志氏が上で高圧的な言い方をする。必ず彼が上に立つ主従関係、上下関係にございました。感情が昂ると暴力を振るうこともあり、貴志氏には恐怖心も持っておりました。断り切ることができず、不用意に休業損害証明書に記載をしてしまったことについては心から反省をしています。

真っ向から対立する主張。妻・豊田市議の会見を受け、9日に改めて貴志氏に話を聞きました。

豊田市議の夫 貴志氏:
怒りとあきれですね。

――暴力という話も。

豊田市議の夫 貴志氏:
私が議員の時代は、そういう認識があったかもしれないです。ただ、彼女が議員になってからは、立場が180度どころではなく、彼女が威圧的にむしろ振舞っていたと私は認識しています。

なぜここまで亀裂ができてしまったのでしょうか。めざまし8は、妻・豊田市議の父親に話を聞きました。

父は子供を心配 貴志氏「娘を取り戻したい」

――旦那さんとの仲はどう見えていた?

豊田市議の父:
夫婦が、嫁さんとか婿さん訴えるっておかしい話やろ、考えたら。はじめに立候補すること自体、やめとけ言うて。うちの家内もやめとけ言うてたんやけど、なぜかこういう問題が。逆になっちゃう。

――夫婦の立場が?

豊田市議の父:
立場が。そうするとやっぱ境ができるさかい。私らはしてほしなかったわ、現実な。

豊田市議の父親が心配していたのは、小学4年生の子供のことでした。

豊田市議の父:
一番は迷惑なんが、子供が一番かわいそう。親の問題で別れたりしたら、どっちか行かんならんとか、そんなんはね。もう元にはもどらないだろう。

貴志氏によると娘は現在、妻の豊田市議の元で生活しているといいます。

豊田市議の夫 貴志氏:
家族を、娘を取り戻したい。きちんと娘を育てていきたい。その思いだけなんです。かわいい娘をやっぱり自分が育てていきたい。

こじれてしまった両者の関係。今後、決着を迎えられるのでしょうか。

(めざまし8 12月10日放送より)