2020年「借りて住みたい街」1位に輝いた池袋

住宅情報サイト「ホームズ」が発表した2020年の「借りて住みたい街」ランキングで、1位に選ばれた池袋。

実は池袋がある豊島(区は​2014年、将来消滅する可能性がある自治体を指す「消滅可能性都市」とされ、絶体絶命の状況だった。しかし…

池袋歴50年の女性:
街も変わりましたし、歩いている人の雰囲気も変わってきたなと思います

池袋歴60年・60代女性:
駅前はどんどん開発されて変わったので、「えっ池袋!?」って

さらに…

豊島区・高野之夫区長:
子育てしやすい街。そういう街にしないと生き残れない。そういう挑戦をしようと

今、池袋は家族が住みやすい街に生まれ変わっているというのだ。閑散としていた公園も、開放感あふれる緑の公園に大変身。

今回の「ココ調」は、借りて住みたい街1位の池袋がどう街が変わったのかを調査する。

家賃相場は10万円以下・家族で住みやすい街に

さっそく、池袋に住む女性に街の魅力を聞くと…

池袋歴16年・10代女性:
電車がたくさん通っているので、いろいろなところに遊びに行きやすいかなって

池袋歴1年の女性
買い物とかが池袋で済んじゃう。新宿とか渋谷に出なくていいくらい便利なので、最近は(池袋から)出てません

池袋歴7年・20代女性:
家賃は意外とそんなに高くないです

本当に家賃が安いのか、不動産会社に話を聞いた。

SUUMO編集長・池本洋一さん:
新宿や渋谷、東京、上野といったターミナル駅の中でも、池袋駅の家賃が一番安いです

実際に「駅徒歩5分圏内1K」の家賃相場を比べてみると、渋谷駅は12.3万円、新宿駅は11.4万円と10万円を超えるのに対し、池袋は9万4000円と10万円を下回っている。(SUUMO調べ)

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さらに、いま池袋に住む人にはある傾向があるという。

SUUMO編集長・池本洋一さん:
若い女性もそうですが、特にファミリー層の方に池袋が選択肢に入ってきている傾向があるかなと思います

治安が悪い街のイメージだった池袋が、家族も住みやすい街に変わったという。

池袋歴18年・10代女性:
建物の建て替えが進んでいて、きれいになってきました

池袋歴22年・40代女性:
公会堂とかきれいになって、一見わからないくらいすごくおしゃれです

どのように変わったのか、街を歩いてみると…

横山ルリカ リポーター:
お~すごく大きな建物が目の前に広がっていますよ。池袋ってこんな建物あったんですね!

こちらは、豊島区の旧庁舎や公会堂跡地などに作られた、2020年6月オープン予定の新複合施設「Hareza(ハレザ)池袋」。

このエリアは10年前、老朽化した建物などがある殺風景な街並みだったが、明るくきれいな街に変貌した。

この施設には、座席数1300の巨大ホールなど、合わせて8つの劇場があり、文化の発信拠点を目指しているという。

芝生でくつろげる&ステージで音楽を楽しめる公園

変わったのは建物だけではない。

池袋歴13年・10代女性:
南池袋公園っていう、芝生のあるきれいな公園なんですけど

池袋歴1年・40代女性:
前はもっとごみごみした公園だったんですけど、最近、芝生とかすごくきれいになって

その公園に行ってみると…

横山ルリカ リポーター:
すごい!一面芝生ですよ。「池袋に緑!」って感じです。開放的!

池袋駅東口から徒歩5分、2016年にリニューアルオープンした南池袋公園。

横山ルリカ リポーター:
池袋というと、建物が密集しているようなイメージがあるんですが、ここに来ると気分がガラッと変わりますね!

駅や周辺に立ち並ぶビルの数々。その中に、広大()芝生()が広がっている。公園内には卓球台や遊具など、子供が楽しめるスペースはもちろんのこと…

大人もくつろげるカフェまで完備。

さらに…

池袋歴10年・20代女性:
ウエストゲートパークでしたっけ。西口公園が新しくなって。西口は昔、近寄りがたい印象があったと思うんですけど、今はもう全然きれいになって­­

小説やドラマで有名になった、少し暗いイメージの池袋西口公園も新しくなっているという。

横山ルリカ リポーター:
お〜すごいモノが見えてきましたよ。近未来的な広場になっていますね!

リング状のモニュメントに、広い特設ステージ。あの池袋西口公園が2019年11月にリニューアルし、「劇場()公園( グローバルリング」へと大変身していた。

さらに、公園内には12個のスピーカーが(え付けられていて、毎週水曜日には池袋の夜を楽しむクラシックコンサートを実施()している。(※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、現在は公演休止)

子育てしやすい「アート・カルチャー都市」を目指して

では、一体なぜここまで街が変わったのか?豊島区長に話を伺った。

豊島区・高野之夫区長:
ちょうど6年前に23区で唯一、豊島区が消滅可能性都市という、30年後には若い女性が半分になって、街がなくなってしまうという…あれがもう大変なショックで。それがきっかけです

「消滅可能性都市」とは、少子化や人口移動によって存続できなくなる可能性がある自治体のこと。2014年当時、単身世帯の割合が多く、定住率が低い豊島区は23区で唯一、消滅可能性都市と指摘された。

豊島区・高野之夫区長:
思い切ってこの街を変えてみようと。女性にやさしい街、子育てしやすい街。さらには、将来に向けての国際アート・カルチャー都市…

2015年、豊島区は「国際アート・カルチャー都市構想」を掲げ、街を再生して家族を呼び込もうと図った。

池袋駅周辺にある4つの公園を整備し、街にふくろうがシンボルの「IKEBUS」を運行させ、池袋の街や公園を家族で簡単に周回できるようにした。

(※ IKEBUSは、新型コロナウイルス感染拡大の現状を踏まえ、4月4日~4月30日まで全便運休)

そして、消滅可能性都市と指摘を受けてから5年。2019年、豊島区は人口を約1万8000人増加することに成功。その結果、ホームズの「借りて住みたいまちランキング」に2017年から4年連続で1位に選ばれている。

豊島区・高野之夫区長:
もっともっと魅力のある街になりますよ

横山ルリカ リポーター:
これ以上?

豊島区・高野之夫区長:
これ以上!

豊島区ではさらに、公園や公会堂のトイレにアートを取り入れるなど、積極的な街づくりを行っている。

(「めざましテレビ」『ココ調』4月3日放送分より)

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