4日、非常に強い勢力の台風21号が日本列島を縦断し、関西の都市部を直撃。
各地で観測史上初となる最大瞬間風速を記録し、被害も甚大なものとなった。

死者11人、ケガ人約300人…停電も

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立本信吾フィールドキャスター:
台風21号の特徴としては非常に風が強く、そして速い速度で関西の都市部を通過していきました。
被害全体としては死者11人、ケガ人約300人。5日午前9時時点での停電は約58万軒という状況です。


台風の影響で、大阪都市部を中心に交通手段は完全に麻痺。各地で強風が吹き荒れ、看板が飛ぶなどの被害が続出した。
関西空港は台風の接近に伴う高潮の影響でA滑走路や駐機場が冠水し、さらに観測史上最大の風速58.1m/Sという強風が吹き、連絡橋にタンカーが衝突。
利用客と関空に勤務する人を含め約3000人が空港内に取り残され、孤立した。

寺川奈津美気象予報士:
関西空港がここまでの被害に遭うとは思っていなかったのですが、記録的な高潮になるとの予想はされていました。
その理由がこちらです。

記録的「高潮」を生んだ3要素

【高潮を生んだ3要素】
(1)吸い上げ効果
(2)吹き寄せ効果 

寺川:
まず1つ目は「吸い上げ効果」。台風は掃除機のような役割をして、潮位をぐっと持ち上げる効果があります。
台風の気圧が1hPa低下するにつれて海面は1cm上昇すると言われています。
今回、台風の上陸時がだいたい950hPaくらいでしたので、通常よりも50cmくらい吸い上げ効果による影響があったと思います。
ただ今回大阪港で言いますと、潮位が通常より3mくらい高くなっているんです。
残りの2m50cm分は、「吹き寄せ効果」の影響が大きかったと思います。この「吹き寄せ効果」は名前の通り、風が吹き寄せることによって波が高くなるもの。
少し難しいんですが、風速の二乗に比例すると言われていますので、風速が少しでも大きくなるだけで指数関数的にぐんと波の高さが高くなるんです。 

安藤優子:

きのうの関西空港は、最大瞬間風速が58.1m/sでしたよね。

寺川:
そうなんです。さらに進路も見てみると…

寺川:
ちょうど関西空港のあたりは、台風の中心付近あるいはすぐ右側にあたってるんです。
台風は反時計周りですから、どんどん南からの風が常に供給されて吹き寄せる形になりまして、ぐんと潮位が上がったというわけなんです。
そしてもう一つ、今回はこの影響もあったのではないかと言われています。

【高潮を生んだ3要素】
(3)ウェーブセットアップ

寺川:
それが、ウェーブセットアップ。説明が少し難しいんですが、イメージ的には、吹き寄せ効果と似ています。
ただ吹き寄せ効果は風によって波がぐんと高くなるのに対して、このウェーブセットアップというのは、地形が影響しています。
地形によってぐんと岸付近で波が高くなるんですけど、波が砕けることによって、どんどん後ろから海水がさらに押し寄せるという効果。
これも加わって、今回記録的な高潮を生んでしまったのではないかと言われています。

安藤:
こういう立地につくったということは、関西空港はこういうことが起こるだろうということは予想していたはずですよね…
国交省は今回の被害の原因を調べることにしていますので、国交省としても重大な案件として見ていると思います。


さらに今回のような強い風を伴う台風には、「都市部ならではの危険」がある。

「ビル風」が加わり約1.5倍の風速に

【大阪・泉南市:強風による電柱の倒壊により大規模な停電が発生】
・最大瞬間風速 51.2m/S

【大阪市西成区:商業施設の足場が崩壊】
・最大瞬間風速 47.4m/S

防災危機管理アドバイザー山村武彦氏によると、「高層ビルに挟まれた道路では吹き降ろすビル風に加わり、約1.5倍の風速になり危険になる」という。


立本:
マンションやビルの間は、実は大変危険な状況になるので、特に注意が必要です。

安藤:
外側に貼った看板とかが落ちるたりすると、下に住宅とかがある場合も都心ではあるし、そうなったら被害が避けられないですよね。

高橋克実:
JR西日本を始めとして、今回の対応の違いを感じます。これはもっと徹底すべきだと思いますね。
この未然の対応があったからこそ、ここまでの被害で収まったのかもしれない。
今回のことを踏まえて、もっと早く全部休みとかにするべきかも。

寺川:
まだまだ台風のシーズンは続きます。
早くも台風のたまごが発生しています。皆さん今後も注意していきましょう。


(「直撃LIVE!グッディ」9月5日放送分より)