逮捕に日大生激怒

日大生:
ちょっと許せないですね。このコロナ禍もあって、生活が困窮している学生もいる中で、そういう行動はトップに立つ人としては許されない。

日大生:
かなり嫌な事件というか、我慢してこの1、2年間過ごしてきた僕らからすると、こういうのは許せないなと思います。就活は終わったんですけど、そういう中でも自分の大学を誇らしく思えない部分はありますね。

学生たちの口から、次々とあふれる怒りの声。

学生数約7万3000人、国内最大級の規模を誇る日本大学。29日、そのトップである田中英寿理事長が所得税法違反で特捜部に逮捕されました。

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田中良幸キャスター:
1階部分は「ちゃんこ ふぐ料理」と書かれている飲食店となっていまして、店舗兼住宅ですよね。ただ、住宅は上の方と見られていますが、大きな窓ガラスも含めて、すべてカーテンが引かれたままとなっています。

田中容疑者は、日大の関係業者から提供されたリベート収入などを除外して過少に税務申告、2018年と2020年の所得税あわせて約5300万円を脱税した所得税法違反の疑いが持たれています。

特捜部が田中容疑者の自宅を家宅捜索して見つかったのは、2億円あまりの現金。
2008年の理事長就任から13年もの間日大のトップに君臨し、ワンマン体制を続けてきた田中容疑者。一体どんな人物なのでしょうか?

「ワニ皮財布に100万円の札束」

めざまし8は、50年来の知人でもある、日大の元職員、さらに原点ともいえる青森の知人たちを取材した。

50年来の知人でもある日大元職員:
どんどん、どんどん人脈を伸ばしていって、それでああいう形になったんです。
財布のなかにもこれくらいのさ、ワニ皮の財布にさ、これで払っとけと、最低でも100万は入ってる。

ーー財布に現金で100万円?
50年来の知人でもある日大元職員:
そうそう。

ーー田中理事長の脱税での逮捕で率直な受け止めは?
50年来の知人でもある日大元職員:
まあ当然だと思いますね。むしろ遅きに失したくらいだと僕は思ってますね
田中理事長がね、25年くらい前からこういうことをやっているというのはもう、学内でも学外でも噂になっていたんですが。

逮捕が遅かった、と話す50年来の知人。
カネと権力への執念を以前から感じていたと話します。

ーーどういうお金の話になっていた?

50年来の知人でもある日大元職員:
建物関係の業者と談合やったり、そこでリベートをとったりというのが通常だったんです、僕が知っている範囲ではね。理事長の時に各学部の建築関係とかありますよね。それで、ひどい時には10%取っていたんですよ。キックバックをね。
それで業者も困っちゃって、それを受けないと次は回してもらえないから、身を捨てて名をとる形でやったんじゃないかなと僕は思います。

詳細はわかりませんが、業者との密接な関係を証言します。

正論言えば左遷、気に入れば小遣いや昇格

さらに、日大OBからは……。

日大OB:
阿佐ヶ谷の田中(理事長)さんのちゃんこ屋で人事が決まるという話はよく聞いておりました。中々、普通の人が田中さんの前で異論を挟んだりするり意見を言いにくい雰囲気を作っていたんではないかという風に思います。

ーー田中理事のことは皆さん周りの方はなんと呼ぶ?
日大OB:
公には「田中先生」ですね。「田中先生のおかげで今回の会合も面白く開けました」、「もう田中先生のおかげで大学も発展してきました」みたいな。

大学では、田中容疑者に物申すことはご法度。それに反して意見を言うと……。

50年来の知人でもある日大元職員:
正論を言う人間は全部左遷される。1つの部屋に閉じ込められて、まあ給料はそこそこ払われるけど権限は持たされない。そういう人間が今まで何人かいた。1つの部屋に机だけ置いて。自分のかわいがっていた部下も左遷ですよ。だから困るんです、だから表立って言えないんです。

逆らえば、自分だけではなく部下も含めて周りの人間も一緒に左遷させられることも。
では、田中容疑者に気に入られた場合はというと……。

50年来の知人でもある日大元職員:
それは小遣いがもらえるし、ボンボンと昇格できるしこんな良いことはない。酒はいろんなところで与えてくれるから、いろんな事がありますよ。こう言ったらなんだけど女も与えてくれるから。

金満ぶりを見せつける一方で、この知人によれば、高価なモノを身に着けることもなく、
豪勢な食事もあまりしなかったといいます。
質素に見えた一方でこう指摘します。

50年来の知人でもある日大元職員:
やっぱり自分の権力を保つため理事長というあれ(肩書き)が魅力だったんじゃないんですか。

「礼儀正しい」「青森の恥」地元での評判は…

日大のトップに君臨し続ける田中容疑者。
めざまし8は、その原点を知るため、高校時代をすごした青森県を取材した。

高校時代の相撲部の先輩:
真面目で良い後輩だった。1年生の時から全国大会のレギュラーになるというのはほとんどないからね。彼はそれだけ強かった。

相撲が強かったと語るのは、田中容疑者が過ごした青森県の高校相撲部の先輩。
学生時代から相撲で名をはせていたという田中容疑者。当時の印象については……。

高校時代の相撲部の先輩:
相撲の世界っちゅうのは、アマチュアでもそういう縦の関係っていうのはあるんですよ。そういうことは彼もきちんとやってくれてたよ。
礼儀も正しいしちゃんとした子だったね。ちゃんと後輩の面倒見てくれてましたよ。

一方、別の同級生からはこんな意見も。

高校時代の同級生:
横柄でふてぶてしい感じっていう印象ですね。(田中容疑者は)相撲部で寮に入っていたんですよね。ホームルームが始まってずいぶん遅れてくるんです。なんていうんでしょうね。振る舞いっていうかね。自分は別格みたいな感じでやってくるっていう感じですかね。

ーー今回の脱税についてはどうですか?
高校時代の同級生:
意外と本質的にあり得ることだったんじゃないでしょうか、お金に汚いって言うんでしょうかね。私たち5年ごとに同窓会をやっているんですよ。毎回出席の葉書は来るんだそうです。そうかといって、出ては来ない。幹事は当然人数分として料理を用意してますよね。それもみんなお金ですよね、青森県の恥だと思っています。

別の同級生は「良い意味でリーダーシップがある。悪い意味で態度がでかい。面倒見がよく、後輩や同期に教えたりしていた。今回のことは同級生としては残念。」と語ります。

高校を卒業後、日本大学へと進学した田中容疑者。
日大相撲部在籍時には学生横綱に輝き、卒業後は、日大相撲部の総監督を務めました。
さらに国際相撲連盟会長、日本オリンピック委員会副会長なども歴任。

相撲部監督から“日大のドン”へ。絶大な権力を手にした田中容疑者。

日大をめぐっては、元理事の井ノ口忠男被告と医療法人グループ前理事長の籔本雅巳被告の2人が付属病院の建て替え工事などを巡る背任の罪で起訴。2人は田中容疑者に多額の現金を提供したと供述していますが、田中容疑者は逮捕後も、現金の受け取りを否定しているといいます。理事長の逮捕を受け、日大は「誠に遺憾で、東京地検の捜査に全面的に協力する」とコメントしています。

東京地検特捜部の捜査の行方は?

背任事件の捜査の末、たどり着いた今回の理事長の脱税事件。
捜査はどういう筋道で行われているのでしょうか。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝さんはこう解説します。

若狭勝弁護士:
東京地検特捜部としては、今回は背任の共犯として刑事責任追及したいという強い思いがあったはずです。ただ、背任の共犯の証拠が整わず今回脱税で逮捕ということになったようです。一連の流れを見れば特捜部が本気でやってきたと言えます。
「何年前からタンス預金で貯まっていた」と言われると脱税容疑で摘発できません。2020年に誰から収入があったという紐付けが必要。帯封付きの現金で、どこでお金が流通していたという記番号で、それがひとつに流れた、と。私も捜査でやったことがありますが、帯封付きの現金でその金の流れがわかったということがあります。

理事長の“不正蓄財の全容”とそのカネの出入りについての解明に向けて、特捜部の捜査が進むものとみられます。

(「めざまし8」11月30日放送)