ベンガラの赤い町並みで知られる観光地、高梁市の吹屋地区に人気のソバ店があります。

東京から移住した男性が閉店危機の店を引継ぎ1年。店には、新しい触れ合いの場所が生まれていました。


深まる秋に…。風情あるベンガラの町並み。吹屋地区には、観光客の姿も戻ってきました。

観光客の休憩所として親しまれているソバ店です。ここに新しい”観光スポット”ができていました。

(店長 銘形一哉さん・29歳)
「聖火トーチ、運よく走らせてもらえて。自分で応募して、こういう思いで走りたいんだと街の人の推薦文を書いてもらって走れた」

店長の銘形一哉さんは、東京オリンピック・パラリンピックの聖火ランナーに選ばれました。

緊急事態宣言のため変更され2021年5月に行われた「トーチキス」のイベントに参加し、聖火をつなげたのです。

(店長 銘形一哉さん)
「その土地の人達と仲良く生活していけるように、その土地の未来をつないでいける存在になりたい」

銘形さんは、吹屋地区の人達への思いを聖火に込めました。

4年前、銘形さんは、東京から吹屋地区に移住したのです。

地域の人たちの手伝いをしながら過ごしていた時、地元で愛されたソバ店が従業員の高齢化で閉店の危機にあることを知ったのです。

(店長 銘形一哉さん)
「もったいない。(僕に)やらせてもらえないか…」

ソバ打ちやだしの味付けなど、一から学び、2020年、2代目の店長となりました。

具だくさんの田舎そば…。愛された味を引き継いだ銘形さんですが、新型コロナウイルスの感染拡大で、休業を余儀なくされたこともありました。

9月末に再開してからは、店は大繁盛で、日曜日には行列ができるそうです。

(客は…)
「母の手打ちを思い出すわ」
「おいしい」

「あ、オリンピックの聖火だ。誰走ったの?ご主人、走られたの。へー」

(店長 銘形一哉さん)
「本当は高梁市内を走る予定だったが、緊急事態宣言で岡山城に集まって」

(客は…)
「ふーん、うれしいそうな顔してる。トーチはご主人のもの?」

こうして、店内に飾られた聖火トーチをきっかけに会話が弾みます。飾り棚は、地元の人が手作りして銘形さんにプレゼントしてくれました。

(地元の人は…)
「ここに根付いてくれると期待している。期待の星。地域に溶け込んでくれるのがうれしい」

(店長 銘形一哉さん)
「自分一人ではできなかったことなので、働いてくれる人、この土地の人たちに支えられての店。聖火リレーも走らせてもらえたので感謝している。この味をちゃんと残していく。これからも一歩一歩手を抜かずに続けていきたい」

吹屋地区の味をつないだ銘形さん。聖火をつないだトーチを囲んで、地元の人や観光客の心もつないでいきます。