新型コロナ「第6波への備え」は、コロナ病床を確保する医療現場の今を取材しました。

魚津市で唯一、新型コロナの患者を受け入れる富山労災病院です。
現在、入院患者はゼロですが、今も、病床や人員は第5波と同じ態勢を維持しています。

*富山労災病院 感染管理認定看護師 高本恭子さん「第6波が来るかどうかわからないが、すぐ対応できるように当時のままにしてある」

コロナが落ち着きを見せているなか、現在、コロナ病棟に所属している看護師のほとんどは、他の科の応援にいっています。

連日、50人ほどの感染者が確認されていた8月下旬。

*「入院3人いけるかな…」

富山労災病院では、県の病床確保計画に示されている15床を上回る患者を受け入れていました。
特にデルタ株が蔓延してからは、はじめは無症状でも数日経ってから症状が悪化するケースがあり、抗体カクテル療法やレムデシベルなどの投薬による治療を続けたといいます。
その結果、第5波で受け入れた87人のうち重症化した患者は0人で、それが大きな自信につながったといいます。

*富山労災病院 コロナ患者対応チームリーダー 菓子井達彦医師「重症化しないということは患者さんのためにも重要だし、一般医療のひっ迫を起こさないためにもとても大きいこと。中等症2の状態まででストップさせるという意味では新しい治療法はとても大きい」

25日見直しされた県の病床確保計画では、これまで患者を受け入れていなかったフェーズ1で10床、フェーズ2では3倍の15床、フェーズ3では30床を受け入れます。

*富山労災病院 コロナ患者対応チームリーダー 菓子井達彦医師「ここはもともと感染症病棟ではないが、設備やノウハウが蓄積されたし、何よりここの看護師が第5波でコロナの患者の対応に慣れた。この地域のコロナ患者の受け入れ要請を断るということが絶対ないようにしたい」

しかし、患者を受け入れる上で課題もあります。

*富山労災病院 感染管理認定看護師 高本恭子さん「次の人が入るときには、シャワーヘッドなど触っただろうという所を掃除して、最後に髪の毛まで看護師が全部掃除する。防護具を着て掃除するので大変。コロナの病床には清掃業者が入ってもらえず、どこの病院もそうだが、課題。ひとつでも課題が解決すると、次は違ったところに力が注げてケアできる」

一方、富山の医療の中核を担う県立中央病院。
9月上旬には、県内で最も多い51人の患者が入院しました。
県立中央病院は、ほかの病院よりも重症化のリスクが高い患者を多く受け入れています。
県の病床確保計画では、これまでと変わらず、最大70床を受け入れます。
*県立中央病院 感染症内科 彼谷裕康医師「通常診療やりながらだと、第5波のときギリギリだった。70受け入れは可能だが、その際は通常診療を減らすしかないと思う。ベッドがあればすぐ対応できるものではない。どこから人を連れてくるかという問題がある。それさえあれば、体制や治療法も決まっている。どういう状況だと感染するかもだいたいわかってきている。人の問題」

医療スタッフの確保に加え、課題となるのが救急現場です。
救命救急センターには、コロナの感染者に限らず、連日、多くの重症患者が運び込まれます。
コロナの感染が疑われる患者は一般の患者と動線をわけ、陰圧室で診察しています。

*県立中央病院 感染症内科 彼谷裕康医師「今も感染疑いの人がときどきくるので、ここ(陰圧室)で診察している。その際に、救急車が何台も列を作ることがある。この部屋(陰圧室)はひとつしかないので、救急隊がしばらく待つことになってしまう」

救急現場で勤務する看護師は…。

*県立中央病院救命救急センター看護師 宮本由加利さん「コロナに関わらず、常に来られた患者を全力で診察したり治療したりする。コロナではない患者をみるときは媒介してはダメだし、自分自身も感染してはいけないので、防護服の着脱や手指消毒は気を使った。年末年始に向けて人の動きが活発になりそうなので、手洗いうがいは徹底してほしい」

また、県の感染症対策課は、ワクチン接種が進んだことで、第6波では軽症者が増えるとみていて、療養するためのホテルを来年3月まで維持することに加え、すぐに入院できない場合に一時的に待機する酸素ステーションを新たに設ける方針です。

*県感染症対策課 菊池正寛課長「確保している病床をめいっぱい使うと、一般医療にかなり影響が出てくる、必要な手術を受け入れられなかったり、癌の治療など大切な治療もあるので、なるべくそういったものに影響をきたさずに入院するということが必要。人員の確保も合わせて、もう少し機動的に対応できる体制をお願いして対応していく」

軽症者が増え、重症者が減るとされている第6波。
無症状の人も増えるとみられ、気づかないうちに、他の人、特にワクチンの抗体が落ち始める高齢者などに感染を広げてしまうといったことも考えられます。
第5波のように、医療をひっ迫させないためにも基本的な感染対策を続けていく必要があります。