横浜市で起きた連続点滴死事件で、検察は、9日、横浜地裁が言い渡した無期懲役の判決を「不服」として控訴した。被害者が3人にのぼる重大事件で、死刑を回避した判断の是非は、高裁の審理に委ねられることとなった。

久保木被告は2016年9月、当時勤務していた旧大口病院で、入院中の78歳の女性患者と88歳の男性患者2人の点滴に、消毒液を混入して殺害した他、患者に投与予定の点滴袋5個に消毒液を入れた、殺人と殺人予備の罪に問われている。

殺人などの罪に問われている元看護師・久保木愛弓被告(34)
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裁判の争点は刑事責任能力の程度。検察側は「責任能力が認められる」として死刑を求刑。弁護側は「心神耗弱の状態で、無期懲役が相当」と主張していた。起訴内容を認めている久保木被告は、最終意見陳述で「死んで償いたい」と述べていた。

横浜地裁は、9日の判決で、被告の完全責任能力を認めた。しかし、動機などについて「酌むべきべき事情がある」と指摘した上で、「更生の可能性がある」として無期懲役を言い渡した。判決後、遺族は「納得できない」などとコメントしていた。

社会部
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