ー西菱電機と本記事の目的


西菱電機株式会社は、三菱電機グループのシステムインテグレーターで、無線通信システムに強みを持っています。西菱電機の新規事業を事業化したのが「IoT事業」です。これまでに、IoTを活用した換気お知らせパッケージ、AIを活用した混雑判定システム、スマートフォンを活用した業務報告アプリなど、多様なサービスを企画開発してきました。


現在は「作業報告書を紙から電子化したい」「災害などのインシデント発生時に関係者とすぐに情報を共有したい」といったデジタル化や即時性を必要とされる企業や官公庁などのお客様に対して、システム開発やクラウドサービスの提供を行っています。


これらのサービスを可能にしているのが、自社開発した業務システムプラットフォーム「Seiryo Business Platform(西菱ビジネスプラットフォーム、以下「SBP」)」です。


本記事では、上場企業で従業員450名が在籍し創立56周年を迎える西菱電機において、なぜ新規事業を立ち上げたのか、どのような壁にぶつかり乗り越えてきたのか、そして今後のビジョンについて、プロジェクトの裏側を交えながら、事業開発本部の小野と宮城でお話ししていきます。


ー西菱電機はなぜ新規事業を立ち上げたのか

▲アンゾフの成長マトリックスで見る事業の変遷


STEP 1 組織の立ち上げ

2014年4月、事業開発本部の前身組織である販売事業推進部が発足し、新規市場開拓に着手します。まず、既存製品およびサービスの強みと弱みを分析することから始めました。分析にあたって、弊社とお取引のない業界のお客様を訪問し、リアルなご意見をヒアリングさせていただきました。ヒアリングの結果、西菱電機の製品・サービスは、自社が得意とする業界や市場には最適ですが、異なる市場にはそのままでは適合できず、新規市場のお客様の課題解決には十分ではないことが分かりました。


当初は「既存製品をそのまま新規市場に展開する」という戦略を考えていましたが見直しをして「既存市場と新規市場のお客様の共通の課題を解決しながら、業界ごとのお客様に合う製品を展開する」という戦略に転換しました。アンゾフの成長マトリックスに当てはめると「新市場開拓」という戦略から「多角化」を見据えながら既存市場にも適合する「新商品開発」をする戦略への転換となります。


STEP 2 事業テーマの決定

「テーマも含めて新規事業を検討するように」というミッションだったため、まずはテーマ選定から取り組みました。メンバーと何度か企画会議を行ううちに「海外でIoTやLPWA(※1)が注目されているようなので、西菱電機が持つ無線技術の知見とシナジーを持ったワイヤレスIoTを事業化できないか」という意見が挙がり、早速、事業化に向けた検討が始まりました。


※1:LPWA(Low Power Wide Area)とは、低容量・低電力かつ長距離での無線通信が可能、という特長をもった通信技術の総称。LPWAの中でも、LoRaWAN、Sigfox、などの規格が代表的。


STEP 3 実証実験の開始

当時は、国内でLoRaWANに取り組む企業がほとんどいませんでした。海外のIoT機器メーカーやネットワークベンダーとの打合せを重ねながら、LPWAのネットワークを理解し、海外の先行事例を調査しました。調査を終えると、実証実験のため、LoRaWANのゲートウェイやセンサー機器など、必要な機材を手配。自社で実証実験を行い、無事に成功。実証実験の成果を伊丹市様にご紹介した結果、伊丹市内の農家様と共同でLoRaWANを用いたワイヤレスIoTの実証実験を行うことになりました。


STEP 4 サービスの開始

世間的にLoRaデバイスが未だ低価格化されていなかったこともあり、より汎用的なワイヤレスIoTをめざして、EnOcean、WiFi、セルラーなどの実証実験を実施。さらに、お客様ごとに異なるニーズに適応させることができるクラウド環境としてIoTプラットフォームを開発し、金型工場のIoT化、縫製工場のIoT化、など、お客様と共同で実証実験を行いました。そして、ついに2017年、ワイヤレスIoTサービスを正式にリリースしました。

▲(左)IoTサービス管理画面(IoTダッシュボード)、(中)スマホGW(ゲートウェイ)アプリ、(右)IoT機器


STEP5 サービスの発展

前述のIoTサービスの基盤となるIoTプラットフォーム開発時に、クラウドで一元的にデータを蓄積できる仕組みを構築しました。さらに、業務システム開発におけるスピードや仕様変更に対する柔軟性など、従来お客様が持っている不満を解消する業務システムプラットフォームを開発し、先のIoTプラットフォームと統合して、現在の「SBP」が完成しました。これにより、西菱電機の中核事業である無線通信システムのフィールド業務やインテグレーション、スマートフォンの販売、などとも親和性が高く相乗効果が期待できるサービスとなりました。

▲業務システムプラットフォーム「Seiryo Business Platform」


ーどのような困難に直面したか


▲組織の立ち上げからサービスの発展までのステップ


0→1(ゼロイチ)でアイデア出しをするカルチャーが社内にない、どの様に進めていけば良いかもよく分からない、という状態の中、セミナーに参加したり、専門家に相談したり、とにかく手さぐりでした。そんな中、チームにバックグラウンドの異なる多様性の高いメンバーが揃ったことで、お互いを尊重しながら意見やアイデアをぶつけられたことが、アイデア形成のために良かったと思います。


新規事業のアプローチ方法としては、世の中で起こっていること、自社のこと、などを客観的に観察し、将来どうなっていくか仮説を立て、ヒアリングやプロトタイプにより検証をする、という方法をとりました。特別な方法ではありませんが、ただ愚直に繰り返すことで、一つ一つ壁を乗り越えられたと思っています。後になって、このアプローチは、現在主流となっているデザイン思考を実践したものだった、と気付きました。


新規事業のサービス設計思想としては、お客様がSBPをPaaS(※2)として利用することで、①お客様の予算内で十分なシステム開発ができる、②従来のシステム開発より多くの機能を搭載できる、③システム導入後に業務プロセスの変化が生じても追加改修が必要ない、といったことを着眼点として、お客様がこれまでシステム導入において悩みとしていた部分を徹底的に解消することを最優先にしており、これによってお客様の期待を超えるソリューションとして提供できています。


さらに「AIやRPAで扱いやすい形式で必要な情報をデータ化できる」「創業以来取り組んでいる防災システムで培った緊急連絡に関するノウハウ」などを強みとして、大企業から中小企業まで、様々な規模のお客様にご利用いただいております。


※2:PaaS(Platform as a Service)とは、クラウドにあるプラットフォームを利用できるサービス。


ー今後のビジョン

▲事業開発本部のミッション・ビジョン・バリュー


事業開発本部では「人に寄り添うデジタル化社会の実現」をミッションに掲げています。企業には、若手からシニアまで幅広い年齢の方、パソコンが得意な方、スマートフォンが得意な方、どちらも苦手な方、など様々な方がいらっしゃいます。世代、性別、人種、IT習熟度などに関係なく、みんながストレスなく、そしてより直感的にITを使える、ITが自分たちの業務を助けてくれる、ことを実感できるようなサービスを提供し、業務の負担が軽減されたり、データ化によって今まで気が付かなかったことに気付けたり、そうした社会を創っていきたい、このミッションにはそうした思いが詰まっています。


ー西菱電機株式会社 事業開発本部 概要

「デジタル技術で成長する組織に変革する」を事業コンセプトに、自治体および企業向けに、業務システムの受託開発、自社開発のパッケージ商品の提供、コンサルティングをしております。業務効率化など、お客様が抱えている多様な課題を丁寧にヒアリングさせていただき、コスト、機能、品質の3つのバランス、そしてサービス導入後の運用のしやすさまで考慮して、お客様にとって最適なサービスをご提案いたします。




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データ提供 PR TIMES
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