高校最速163キロ右腕・佐々木朗希が初のフリー打撃登板

高校最速163キロを誇る“令和の怪物”ことロッテのドラフト1位ルーキー・佐々木朗希投手(18)が24日、ZOZOマリンスタジアムでプロ入り後初めて打撃投手として登板し、打者と対戦した。

午前8時半にグラウンド入りした佐々木は全体練習前にウォーミングアップを開始。9時過ぎに育成入団の植田将太捕手(22)とキャッチボールで肩を馴らした後、9時40分に初のマウンドへ。植田がミットを構える中、ドラフト5位・福田光輝内野手(25)、茶谷健太内野手(22)の左右の打者を相手に5分間の打撃投手を務めた。

佐々木朗希(ZOZOマリンスタジアム・3月24日)
佐々木朗希(ZOZOマリンスタジアム・3月24日)
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直球25球のうち157キロを3回 投球練習では158キロも

この日は特別にスピードガン計測が行われたZOZOマリンスタジアム。
海が隣接するため強風が名物のスタジアムには最大風速10メートルの強い風の吹く中、佐々木は直前の投球練習で158キロを2度マークする。

そして、オープン戦ホームラン3本、開幕スタメンへアピ-ルを続ける福田への初球。157キロを計測したボールを福田は振り遅れてファウルとなった。

ドラフト5位・福田光輝との対戦
ドラフト5位・福田光輝との対戦
いきなり157キロをマーク
いきなり157キロをマーク

福田には5球×3セット、茶谷には5球×2セット、ストレートのみ計25球を投じた佐々木。22球目を福田にレフトスタンドに運ばれたものの、安打性の打球は5本。茶谷からは空振りを1つ奪った。球場のスピードガンでは、150キロオーバーが13球(未計測4球)、最速157キロを3度計測した。最も遅い球速でも145キロだった。

最速157キロを3度計測
最速157キロを3度計測

「打撃投手でも打ってもらおうという意識はなかった」

佐々木は「打者相手に投げることができて、すごく楽しかったです。打撃投手ですが、打ってもらおうという意識はありませんでした。(福田光輝と)同期入団とか関係なく、初めてだったので、力みはあったと思います。目立っていいボールはなかったです。ボールも多かったですけど、ストライクゾーンにも投げることができました。前に飛ばされるボールも多かったので、コントロールを修正していきたいです」と自己評価した。

最大風速10メートルでの投球には「風とか、この球場の特徴を感じながら投げることができました」とマウンド上では落ち着きもあった様子。

最大風速10メートル
最大風速10メートル

球速に関しては「悪くはなかったですが、球速にばらつき(145キロ~157キロ)もあったのでそこを修正して安定していい球を投げられるようにしていきたいです」と次回への課題を話した。

佐々木朗希・3月24日
佐々木朗希・3月24日

福田にスタンドに運ばれたことについては「いい気持ちではなかったです。今日は打撃投手ですが、これから変化球を入れたり、配球が違えば、また違うと思います。速い真っ直ぐだけでは打たれてしまうので、工夫もしていきたいです」と分析した。

打者から見た佐々木朗希

対戦した福田は「高めの球とか今まで見たことがない速さでした。ボールが小さく見ました
速いとは聞いていたのですが、打席に入る前に投球練習で158キロが出ていたので当てられたら怖いなと思いました(笑)
足を高く上げるダイナミックなフォームに圧倒されましたが、負けないように向かっていく気持ちでいきました。身長も高いですし、手足も長いので、距離が近く感じました。ベース上で伸びる感じで、引っ張るのは難しいと思いました。ボールに角度もありますし、回転もきれいでした」と驚いた。
ホームランについては「たまたま芯に当たったボールがスタンドに入っただけです」と語った。
また、茶谷は「外角のボールは遠く見えました。凄いです」と振り返っている。

ドラフト5位・福田光輝内野手
ドラフト5位・福田光輝内野手

捕手から見た佐々木朗希

ボールを受けた植田は「初めて受けましたが、思ったよりも速くて重たかったです。キャッチボールの時から伸びがありました。投げる前は緊張しているように見えました。福田にホームランを打たれてムキになっている感じはありました(笑)インコースを自分から要求してきたので」と証言した。

監督・コーチから見た佐々木朗希

井口資仁監督
井口資仁監督

佐々木を視察した井口資仁監督(45)は「ここまで順調に来ていますし、ようやくマリンのマウンドで投げることができました。今日はストレートだけでしたが、次回は変化球、順調に進んでほしいです」と期待を寄せた。

佐々木朗希はプロ入り後、1軍に帯同しながら吉井理人投手コーチ(54)と慎重に調整を進め、2月13日にキャンプ地・石垣島で初のブルペン入り。27日には宮崎のブルペンで初めて捕手を座らせ本格投球練習を開始し、3月13日に遠征中のナゴヤドームのブルペンで初めて変化球(スライダー・フォーク)を解禁するなど順調に調整を進めている。また、報道陣に非公開の佐々木のブルペンを撮影した広報カメラも話題となっている。

マンツーマンで指導を行う吉井理人投手コーチも「ほとんどストライクだったので、すごいなと思いました。ここまで順調にきている。これから色んな意味で強度が上がるので、故障させないように、僕らも楽しみにしています」と期待を寄せた。

吉井理人投手コーチ
吉井理人投手コーチ

また、「早く実戦デビューできるようにやっていきたいです。明日25日に何ともなければ、次は27日に3分間増やして8分間、変化球ありでやろうと思います」と語った。
来週にはシート打撃も予定されている佐々木、4月中の2軍戦での実戦デビューに向けて着実に歩みを進める。

(フジテレビ・加藤忍)

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。