川崎ブレイブサンダースは7日、富山グラウジーズを87-74で下し連勝を飾った。

MVPは今季最多の36得点を挙げたニック・ファジーカス(36)だ。リーグ初代得点王にも輝き“キング”の異名を持つチームの大黒柱は派手なプレーこそないものの、柔らかなシュートタッチで高確率でボールを次々と沈める堅実さでコートを支配した。

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開始からエース、ジュリアン・マブンガ(31)が得点を伸ばす富山。対する川崎は富山のゾーンディフェンスを崩しシュートを放つもリングに嫌われる苦しい展開に。2桁のリードを許し試合を折り返す。

ファジーカスはこう勝因を挙げる。

「前半は自分たちの思い描くプレーができず重い展開になってしまったが、ハーフタイムに選手みんなでしっかりと話し合って後半に良いスタートが切れたことが今日の勝因だと思う」

ハーフタイム中のミーティングに佐藤賢次ヘッドコーチ(41)が合流する前に選手同士が話をして「自分たちが何をするべきなのか」「どういった対策をすればシュートを決めることが出来るのか」と後半に向けたポイントを共有したという。

後半、その川崎はディフェンスのギアを上げる。
6本のスティールを奪い堅守からの速攻で猛追。さらにはファジーカスの連続得点などで点差を縮め、中盤に46-48と2点差に迫る。

富山もタイムアウトをとると、マブンガの果敢なドライブで逆転を許さない。富山がわずかにリードしたまま58-60で第4クォーターへ。

勝負の最終盤、川崎はジョーダン・ヒース(30)の得点で60-60とついに同点に追いつくと、富山から移籍の前田悟(24)が速攻からレイアップを沈め、63-62と川崎がこの試合初めてリードを奪う。

そして、ここまで低調だったファジーカスの3ポイントシュートにようやく復調の兆しが。

「今季とどろきアリーナでは3Pシュートを1本しか決めることが出来ていなかったので、今日はシュートタッチが戻ってきて良かった」とファジーカスの2本の3Pシュートで引き離し、その後も着実に得点を重ね87-74で試合終了。難敵を相手に逆転勝利で今季8勝目を挙げた。

ファジーカスは36歳となった今でも富山との2連戦でGAME1が32分、GAME2が34分とフル稼働だった。今季も1試合平均22.4得点、8.6リバウンドと存在感は抜群。悲願のリーグ優勝へ、ファジーカスが今季も“キング”として君臨し続ける。

川崎ブレイブサンダース87-74 富山グラウジーズ (川崎市とどろきアリーナ、2423名)

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。