これは、九州新幹線の車内で起きた放火未遂事件の発生直後の映像。

撮影者:
やばい、八代の手前で止まっている

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煙がうっすらと広がる車内で乗務員が対応している。

時速200km前後の速さで走る新幹線の車内で起きた事件。逮捕された69歳の男は「京王線の事件のニュースを見てやった」などと話していることが分かった。

出発から6分後、新聞紙に火をつけ…

事件は、11月8日午前8時37分に熊本駅を出発し、新八代駅に向かっていた九州新幹線「さくら401号」の車内で起きた。

出発から約6分後、3号車の前から6列目の自由席に乗っていた男が突然、床に液体をまきライターで紙に火をつけ燃やそうとしたのだ。

新幹線は非常ブザーが作動したため緊急停止。火は車掌らによってすぐに消し止められ、3号車の乗客約30人にけがはなかった。

「人が3号車からなだれ込んできた」乗客が証言

映像を撮影した男性は、緊迫した車内の様子をこう証言する。

新幹線の車内にいた男性:
3号車の方から人がなだれ込んできて「バカが火をつけた」とか言って。年配の方とか走って逃げてこられていて。新幹線の車両と車両の間のドアが開くと、煙がすごく出ていた。

男性は火をつけたとみられる男の様子も目にしていた。

新幹線の車内にいた男性:
「全然、俺関係ない」みたいな感じの普通の雰囲気でしたよ。暴れるふうでもないし。

新幹線はその後、新八代駅まで移動。その車内に警察官が駆けつけ、福岡市博多区の職業不詳・三宅潔容疑者(69)を放火未遂の疑いで逮捕した。

新八代駅のホームから撮影されたこの映像。

新幹線の車内で警察が、黒い帽子をかぶった三宅容疑者の話を聞いている。さらに三宅容疑者のものと思われるカバンの中も調べていた。

座席の一部が焼け焦げ…事件直後の車内

こちらは、JR九州が公開した事件後の3号車の様子。

警察官らが三宅容疑者が座っていたとみられる、前から6列目の座席周辺にライトを当てるなどして調べている。

別の写真では、座席前の床にメガネケースらしきものなどが散乱。

さらに一部が焼け焦げ黒く変色している座席の画像も公開された。

乗客は事件発生当時の状況をこう振り返る。

新幹線の乗客A:
いつの間にか火が出ていて、新聞紙か何かを。とりあえず火の手が上がって、みんなで後方に移動した。びっくりしました。

新幹線の乗客B:
私は8号車ですので、3号車から「火事や火事や」ってたくさん来られましたけども。怖かったですやっぱり。

事件の影響を受け、九州新幹線には一時最大50分の遅れが出た。

相次ぐ電車内での凶行

相次ぐ電車内の犯行。2021年8月6日には、小田急線内で乗客10人が男に刃物で切りつけられるなどした事件が発生。

10月31日には、京王線の車内でジョーカー姿の男が乗客を切りつけ、車内に火を放つ事件が起きたばかりだ。

警察の調べに対し、容疑を認めているという三宅容疑者。動機についてこう話しているという。

三宅潔容疑者:
東京の京王線で起きた事件のニュースを見てやった

警察は、床にまかれた液体の鑑定を急ぐとともに、犯行の計画性についても調べを進めている。

加藤綾子キャスター:
安全対策の強化は難しいとも言われているんですけれども、こうした事件をきっかけにヒントを得て、もっと大きなことをしてやろう、となる可能性もあって。それが怖いなと思ってしまうんですよね。

社会学者・古市憲寿氏:
怖いって気持ちは僕もわかるんです。ただ、このテロを受けて「じゃあ新幹線で持ち物検査をしよう」という話になると、テロに屈したことにもなると思うんですね。テロリストって確率的には、1億人以上住む日本にほとんどいないわけですから、そのために社会の仕組みを変えるというのはちょっと違うんじゃないかなと、僕は思うんですよね。

加藤綾子キャスター:
確率的には低いということや、めったに起こらないって冷静になったらわかるんですけど。こうして連日起きていたり、それだけでは片付けられない不安感というのが残ってしまうんですよね。

社会学者・古市憲寿氏:
それがテロリストのやり口というか。社会に不安を与えて扇動してしまうという。だから長期的には、不遇感をなくすこと。社会に恨みを持つ人を減らしていくっていうことが、実は近道なんじゃないかなって気はします。

(「イット!」11月8日放送分より)