オウム真理教による坂本弁護士一家殺害事件から、4日で32年となる。

当時、教団の不正を坂本弁護士と一緒に追及していた家族の会の代表も83歳となり、2021年で一家への墓参りを最後にすることを決めた。

「最後の墓参り」に込めた思いを取材した。

「オウム真理教家族の会」代表・永岡弘行さん(83)。

息子を脱会させるため、坂本堤弁護士に相談し、共にオウム真理教と闘ってきた。

「オウム真理教家族の会」代表・永岡弘行さん「坂本先生は、開口一番『永岡さん、世の中には、誰かがやらなければならないことがありますもんね』とおっしゃっていただいた」

坂本弁護士の存在を疎ましく思った教団は、1989年の11月4日、坂本さんの自宅に押し入り、坂本弁護士一家3人の首を絞めるなどして殺害した。

永岡さんは、命を失った坂本弁護士一家に対して、申し訳ないという思いをずっと抱き続けてきた。

「オウム真理教家族の会」代表・永岡さん「ただただおわび、申し訳ありませんという思い以外の何ものでもなかった」

永岡さん自身も、教団に猛毒のVXガスで襲われ、その後、後遺症などもあり、酸素ボンベを持ち歩く生活を送っている。

4日で、事件から32年。

高齢による衰えと後遺症が相まって、体力に限界を感じている永岡さんは、これまで何度も足を運んだ墓参りを、2021年で最後にすることを決めた。

「オウム真理教家族の会」代表・永岡さん「先生にさようならを。赤ちゃんも含めて、さようならのごあいさつだけでもしておきたいと思って。これが最後でごめんなさいを含めてね。ありがとう、本当にありがとうございましたというお礼を一言、言いたい思いで参りました」

オウム真理教の後継団体「アレフ」をめぐっては、被害者への賠償金およそ10億円以上が払われておらず、オウムによる問題は、いまだに解決していない。

「オウム真理教家族の会」代表・永岡さん「『(家族)全員が帰ってくるまでは、この運動を続けましょうね』という言葉も(坂本弁護士から)ありました。その志を忘れることなく頑張っていきたいと思います」