JR埼京線の車内で29歳の女性会社員を盗撮しようとしたあと、新宿駅から線路に逃走した45歳の男が、警視庁に逮捕された。

バッグを手に逃走する黒いTシャツにジーンズ姿の男が、次々と線路をまたいで一目散に建物の脇へと消えていった様子が、列車の乗客により撮影されていた。

その後、すぐ近くの飲み屋街にある防犯カメラには、同じ服装の男が足早に通り過ぎる様子が映っていた。

9日午後、警視庁は映像に映っていたアルバイトの野﨑芳正容疑者を、東京都の迷惑防止条例違反の疑いで逮捕した。

これまでもたびたび起きている線路上の逃走…その危険性と代償に迫る。

「盗撮なら逮捕されないと思っていた」

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JR新宿駅周辺の地図を見ると、野﨑容疑者が降りた埼京線のホームから消えていった建物まで、直線で少なくとも250メートルある。

新宿駅には16番線まであるため、野﨑容疑者は15本の線路を横断したことになる。

視聴者撮影

約8分後には、線路の保安員とみられる人たちが現れて、周囲の建物をくまなくチェックしていた。

野﨑容疑者が姿を消した建物の裏手は、有名な飲み屋街「思い出横丁」があり、その1軒に設置された防犯カメラには、新宿駅方面に向かって歩く野﨑容疑者とみられる男の姿が映っていた。

約1分後には同じ通りを引き返して、カメラの前を足早に通り過ぎ、約4分後には駅員とみられる男性が何かを探すように通り過ぎていった。

逃走から約30分後に野﨑容疑者は新宿駅西口付近で警視庁の捜査員により確保されたが、その後の調べに対して「盗撮なら逮捕されないと思っていた」と供述しているという。

野﨑容疑者の線路への逃走により、山手線や埼京線などが14分にわたり運転を見合わせた。

列車を止めた場合の請求は巨額になる可能性も

これまでもたびたび起きている線路に立ち入っての逃走の危険性について、鉄道アナリスト・川島令三氏は「線路に立ちると電車が止まるシステムがあるが、もし働いていなければ電車にはねられることもあり得ます。中央線は2分間隔、山手線は2分30秒なので、その間を抜けるのはなかなか大変だと思います」と指摘した。

もし、列車の運転を止めた場合、鉄道会社からどんな請求をされるのか。また、どんな罪に問われるのか。

石川法律事務所・江口大和弁護士は「運転見合わせが長引けば100万円を超えるケースもあります。さらに遅延させた本数、振替輸送にかかった費用や対応にあたった職員の時間外賃金などが影響します。新宿駅はターミナル駅で一路線当たりの本数も多いです。乗り入れる他の路線も多いので、振替輸送にかかる費用も巨額になる可能性が高い」と話した。

また、江口弁護士は「列車内で盗撮をして線路上を逃走した場合、法律に触れる場合もある。列車内の盗撮は、東京都迷惑防止条例違反で1年以下の懲役、または100万円以下の罰金に。線路上の逃走は、鉄道営業法違反で1万円未満の科料などに問われる可能性がある」とした。

(「めざましテレビ」10月10日放送分より)