東京ガールズコレクション史上初の無観客開催
中止や自粛が広がるエンタメ業界で発想の転換が新たな可能性を生み出した。
この記事の画像(17枚)開催30回目を迎える国内最大級のファッションイベント・東京ガールズコレクション。
例年、延べ3万人の観客を動員する人気イベントだが、今年は新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け、史上初の無観客開催となった。
W TOKYO 村上範義代表取締役社長:
来場者がいないことに対しての経済的インパクトはあるが、それならば次の5G時代に向けて新しいインターネットでファッションを発信していくあり方にチャレンジする機会になった。新しい価値創造ができるチャンスを頂いた。
この無観客という状況を逆にこれからの時代に対応する配信戦略を考えるチャンスと捉えたのだ。イベントの模様は例年、ラインライブで配信しているが今回急遽新たな試みを行った。
ライブ配信は新企画が盛りだくさん
例えば配信映像に出演者の顔のアップを多く使用。没入感と臨場感をさらに強化するのが狙い。
名前をテロップで表示したのもTGCのターゲットである若い世代がスマホなどの小さな画面で視聴することを考慮した変更だという。
さらに、ステージ直前のバックヤードインタビューやランウェイから舞台袖に戻る表情を配信した。
フワちゃん :
もうすぐ(ステージに)行くの?
藤井サチさん:
もう出番です
そして会場に訪れることのできなかったファンに向けてはこんなイベントも。
ファン :
こんにちは。最近はまっている化粧品は?
池田美優さん:
イットコスメのCCクリーム。美容成分とかの入ったやつがお薦め
当日会場に来るはずだったファンを対象に会いたかった出演者をツイッター上で募集。当選者は出演者と直接電話で話せるという企画まで実施した。
配信の視聴者数は延べ190万人…去年の約2倍!
配信に特別感を演出し付加価値をつけたことで、約7時間にわたった配信の視聴者数は延べ190万人(去年の約2倍)という結果に。
W TOKYO 村上範義代表取締役社長:
むしろ配信しかないことによってそこに対しての注目度を上げて今までに無かった新しい形が生み出せたのでは。渦中にあるがポジティブな姿勢で柔軟に状況に適応しながら進化していく。これが企業が継続していく方法なのでは。
ピンチをヒントに変えていく思考法…困難な時代のヒントになるかもしれない。
新型肺炎はコンテンツビジネスにかなり大きな影響
内田 嶺衣奈キャスター:
今回のTGCは配信向けに特化してモデルのアップ映像を多くしたり、ファンを楽しめる工夫がかなりされていますよね
エコノミスト・崔真淑コメンテーター:
オンラインでないとできないこととか、出演者と電話でお話ができるなんて最高だし、それは視聴者も増えると思います
内田 嶺衣奈キャスター:
エンタメ業界の自粛モードが広がる状況を逆手にとって新たなビジネスに挑戦する姿勢はいいことですよね
エコノミスト・崔真淑コメンテーター:
素敵ですね。新型肺炎はコンテンツビジネスにかなり大きな影響を与えています。新しい発想の転換をすることによって動画配信、オンラインビジネス、さらには5G時代にもフィットしていると思います。5Gは動画が見やすくなるだけではなくて、各通信キャリアが何千億円もなぜ投資しているかといえば、データビジネスとか顧客と出演者のつながりとかいろいろなデータビジネスの広がりが持てるからなんです。これをきっかけにビジネスの幅が広がると嬉しいです
内田 嶺衣奈キャスター:
新型肺炎をきっかけに崔さんが注目している動きやサービスはありますか?
エコノミスト・崔真淑コメンテーター:
リモートワーク市場でいろいろなアプリが登場していますが、電話会議のためだけにお化粧するのって結構つらいものがありますよね。このサイバーリンクという会社が提供しているサービスはお化粧をしているように見せてくれるアプリなんです。電話会議のためにわざわざお化粧しなくてもこのアプリを使えば女性はお化粧したように、男性はスーツを着ているようなアプリだとかいろいろなものが出てくると面白いと思います
内田 嶺衣奈キャスター:
日本の経済にとっては苦しい状況が続いていますが、こんな時こそ発送を柔軟にして新たな物を取り入れてみるタイミングなのかもしれません。
(「Live News α」3月5日放送分)