政府の専門家会議が新しい見解を示した

24日夜、新型コロナ対策専門家会議が「ここ1、2週間が感染拡大の瀬戸際…」としていた2週間が経過した3月9日、専門家会議が新たな見解を示した。

加藤厚労大臣:
現在の国内の状況は、諸外国と比較しても爆発的な感染拡大には進んでおらず、なんとか持ちこたえられている状況である。

脇田隆字氏(国立感染症研究所 所長):
最近はかなり感染が拡大している国がいくつかあると思います。そういうところと比べますと、日本の場合はなんとか、数は増えているんですが、それがどんどん加速度的に増えているというよりは、少しずつ増加している。

感染が広がるイタリアでは、3月9日までの10日間で5700人以上が感染し、死亡者は300人以上増えた。さらにイランでも、3月8日までの10日間で新たに約6300人以上が感染し、死亡者は168人増えている。

一方、日本ではダイヤモンド・プリンセス号の乗客を除くと、3月9日までの10日間で新たに報告された感染者数は277人、死亡者は3人。政府の専門家会議は、国内での感染拡大について「なんとか持ちこたえられている状態」と評価したのだ。さらに北海道で続く外出自粛や、イベント自粛などの効果について聞かれると…

尾身茂氏(地域医療機能推進機構 理事長):
北海道での緊急事態宣言から、少なくとも2週間後からでなければ、その効果を推定することは困難です。その後約1週間をかけてその対策の効果を判断し、従って3月19日ごろにはその結果を発表できる。

外出自粛、イベント自粛などの効果については、今月19日ごろに発表する予定だとした。しかし…

舘田一博氏(東邦大学医学部 教授):
新型コロナウイルス感染症はインフルエンザのように暖かくなってくると消えてしまうようなウイルスではありません。新型コロナとの戦いは、数カ月から半年、もしかしたら年を越えて続けていかないとならないと我々は考えているところです。

尾身茂氏(地域医療機能推進機構 理事長):
感染者数は、一時的な増減こそあれ、当面増加傾向は続くと予想されます。従って、依然として警戒を緩めることができないと私たちは判断しております。今回、国内での流行をいったん抑制できたとしても、しばらくはいつ再流行してもおかしくない状況が続くと見込まれます。また、世界的な流行が進展していることから、国外から感染が持ち込まれる事例も、今後繰り返されるものと予想しております

専門家会議で示された3つのポイント

たとえ流行が収まったように見えても再び拡大する危険性もあるといい、収束の時期は全く予想できないとの見解を示した。

大村正樹フィールドキャスター:
専門家会議は2月24日「これから1~2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」と発表してから2週間がたちました。一定の結論は、まだ出ていません。この2週間の間に、先月28日に北海道で緊急事態宣言、そして安倍首相が全国に臨時休校を要請しました。3月9日の専門家会議で出たポイントを3つにまとめました。

<専門家会議で出た3つのポイント>
1 爆発的な感染拡大は進んでおらず、一定程度持ちこたえているのではないか
2 北海道での対策については、緊急事態宣言から少なくとも2週間後でなければ効果を推定することが困難。その後、約1週間かけて効果を判断する
3 新型コロナとの戦いは、年を越えて続けていかなければならない可能性も…

安藤優子:
「持ちこたえている」という表現が微妙な感じですが、実際にはどういうことを意味しているんでしょうか?

二木芳人氏(昭和大学医学部 特任教授):
まさに言葉の通りで、おそらく一生懸命努力しなければ、イタリアや韓国に匹敵するような大きな感染爆発が起きた可能性があるので、それを抑え込んでいると。

倉田大誠アナウンサー:
これは、まだ「瀬戸際」という表現のままなんですか?

二木芳人氏(昭和大学医学部 特任教授):
そうですね、瀬戸際を回避できたとは、まだ言えないです。

サバンナ高橋:
今回のことで、皆さんマスクしたり、咳エチケットや手洗いへの意識が高まったと思うんですけど。今後も手洗いや咳エチケットはずっと続けていかなあかんことになったんかなと思いました。

二木芳人氏(昭和大学医学部 特任教授):
そうですね。そういう基本的なことはぜひしっかり守っていただきたい。ただ、休校の措置やイベントなど、今はかなり厳しく自粛していただいていますけど、その辺はいろいろと対策を取った上で、できるものなどを少し模索していくことはできるようになる可能性があると思っております。

高橋克実:
日本は、イタリアや韓国と比べて感染者が大きく増えていないのを見ると、いまわれわれが取っている行動は間違いじゃないと思えてきますね。

二木芳人氏(昭和大学医学部 特任教授):
私も効果はそれなりに出ていると思います。それを19日に、きちんと検証して、もう一度専門家会議の方から発表があると思いますので。

安藤優子:
尾身さんは「感染者はこれからも増えるだろう」とはっきりとおっしゃいました。上昌広医師も国会に呼ばれて「こういう病気を封じ込めるのは極めて難しい」というふうにおっしゃっていましたが、これはどう思いますか?

二木芳人氏(昭和大学医学部 特任教授):
基本的には封じ込めというのは、ほとんど難しい状態です。ですから、できるだけ緩やかな数の増加で、いわゆる患者の増える時期を遅らせて、トータルの数を減らす。それによって医療体制が追い付かない、あるいは医療崩壊を起こすというようなことを抑制するというためにやっているわけですから。

安藤優子:
しかしそれは、後ろにピークをずらしたところで、いつかピークは来るということですか?

二木芳人氏(昭和大学医学部 特任教授):
そういう話ですね。完全に抑制するということはもうできていないわけで、じわじわと増えていますけど、この被害をできるだけ少なくするために今努力しているというふうに考えて…。

安藤優子:
それは、重症化する人も比例して少なくなるということでしょうか?

二木芳人氏(昭和大学医学部 特任教授):
そういうことですね。日本の医療体制というのは非常に優れていて、今の段階ですとほとんど重症化した人の数も限られていますし、そこから助けられる確率も結構高いですから、そういうことを維持するために。これ以上患者が一気に増えて、もう医療が追い付かないという状態をなんとか解消するための努力です。

二木芳人氏(昭和大学医学部 特任教授):
ポイント3については、日本も含めて、世界として新しく出てきた感染症に対して、まだまだこれから戦いが続くと。一つは、いろいろと新しい検査方法が出てきてこのウイルスがどういうものか本体を知っていかなければいけないですよね。感染しているけど症状のない人がどれくらいいるかとか。あともう一つは、やはり新しいワクチンですとか治療薬が開発されて…となると、1年2年では済まないわけですから、継続をしていくという意味だと思います。

宮澤智アナウンサー:
そうするとオリンピックはどう考えていればよいでしょうか?

二木芳人氏(昭和大学医学部 特任教授):
日本は今頑張ればある程度見通しがついて開催の可能性が出てくると思いますが、他のエリアですよね。例えば南半球でどんどん患者が増えている状況になった時に、果たしてそういう状況でオリンピックができるかというのは、IOCやJOCの方々がお考えになることでしょう。世界との兼ね合いということになろうかと思います。

(「直撃LIVE グッディ!」3月10日放送分より)