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「クローゼットで仕事」に「電子レンジ禁止」も…悪戦苦闘エピソードが続々

一斉休校に伴い突如始まった、子供と一緒にテレワークする生活。

相談会参加者:
子供同士が集まると、どうしても賑やかになるので、 とても仕事が出来る状態じゃない。正直、会社に行きたいと思いながらテレワークをしている。

そんな悩みを解決するため、ソフトウェア開発などを手がける企業が相談会を開催。仕事と子供に悪戦苦闘する働く人のリアルな声が紹介された。

参加者は約20人 赤ちゃんを抱えながらテレビ電話で参加する働くママも
参加者は約20人 赤ちゃんを抱えながらテレビ電話で参加する働くママも

相談会参加者:
(集中するために)ウォークインクローゼットで仕事している人もいた。

相談会参加者:
私が電話会議をして喋っている最中に家族が電子レンジを使い家中のブレーカーが落ち、 オンラインでの接続が切れてしまった事があった。なので、電子レンジに“電話会議中はレンジ禁止” と書いたりとか、そういう工夫をしています。

テントや動画も活用し…まずは「子供たちの満足度を上げる」

一方、自分なりの方法でこの状況を乗り切ろうとする人も…

相談会参加者:
子供がどうしても遊びたくてわー!ってなるので、 そこと仕事をどうやって両立させるか。うちの会社の人間はベランダにテントを張って子供を遊ばせて、その間に仕事をしている。

相談会参加者:
(子供が)あやとりをする、掃除をしました、 みたいなのを全部動画で撮っておいて、それを家族で共有する。幼稚園で「スゴイね」とか、先生が言ってくれる事が自宅だと無くなるので。祖父母も頼って子供のテンションを 上げるような工夫も家族でしているという話を聞いた。

導入企業が増えるテレワークについて、相談会の主催者は…

Asteria 広報・IR室 長沼史宏 室長:
コロナウイルスの影響で、緊急的に(テレワークを)やろうという会社が増えてきているので、少し現場が混乱している。子供がいる同士で話をすると、そんな工夫があるんだなと言う事が分かるので、またこういう会は子供連れの人を中心に集めて定期的に開催できればと思っている。

テレワークで生産性は上がる? 文書での申請や印鑑承認は?

三田友梨佳キャスター:
今回の相談会で上がった疑問について、石倉さんに答えていただければと思います。いくつかあったうち、2つ挙げてみました。まずは「テレワークで生産性は上がるのでしょうか」という質問はいかがですか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
テレワークによって業務が効率化していったり、無駄な会議がなくなったり、移動がなくなったり、全体的に生産性が上がってくることはあると思います。ただ、みなさんやり始めたばかりで、テレワーク特有の業務の仕方やツールの使い方に慣れていない方もいらっしゃる。業務になれてくると、さらに生産性が上がってくると思います。

三田友梨佳キャスター:
2つ目は、文書による申請や、印鑑による承認はどうすればよいのでしょうか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
会社内の稟議で使うための書類や会議用の資料、クライアントさんとの間の契約書、こういったものはすべてデータにしてクラウド上で管理ができるツールが沢山出てきているんですね。そういったツールが安価で、無料で使えるものも出てきていますので、業務に影響のない範囲から、そういったものを導入していくことは必要かなと思います。テレワークをしていく中で、紙自体をなくしていく、ペーパーレス化を進めていく、全体の業務を効率化していくきっかけになるといいのかなと思います。

「働く場所が自宅になる」=「好きな時間に働いてよい」ではない

三田友梨佳キャスター:
このほかにも、テレワークを導入する企業から石倉さんがよく相談されることはどのようなものがありますか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
在宅勤務になると社員が好きな時間に働いてしまって勤怠管理だったりとか、労務管理がしにくくなるのではないかという相談をいただくことが多いんですね。ただ、「働く場所が自宅になる」=「好きな時間に働いてよい」ではないので、2つを分けて考えるべきだと思うんですね。自宅で働くとか、リモートワークをすると言うことだと思うんですけれども、オフィスで働いていたときと同じ時間で働いていただく。たとえば定時が9時~18時の方は、テレワークでも9時~18時から始めていただくというのがポイントなのではないかと思います。

三田友梨佳キャスター:
そうなると、残業などの管理はどうすればよいのでしょうか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
基本的にはオフィスで働いていたときと一緒で、社員の人に自己申告していただくしかない。クラウド上の勤怠管理ツールで始業と終業を入力してもらうことになると思います。テレワークになると、パソコンのログやチャットに入っているログもしっかりと記録がとれますので、実はオフィスにいるときよりも本当にその時間に働いていたのか、実は残業していたのに申請していないのではないかとか、そういったことも見えるようになってきますから、今までよりも勤怠管理は正確にやりやすくなるかもしれないですね。

三田友梨佳キャスター:
こうしたワークフローの課題がテレワークをきっかけに見えてきたのであれば、そこからまた次のステップが見えてくるのだと思います。ただ元々テレワークは家に子供がいることを想定していないケースも多いですから、官民連携した様々な形の支援が必要といえそうです。

(「Live News α」 3月10日放送分)