日銀はETF買い入れ倍増などの追加緩和策を発表
「今までの発想にとらわれない対策をとっていく考え。しっかりとした、ある意味、覚悟を持って臨んでいく、メッセージ性のあるものを練り上げていきたい」
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、3月16日の国会でこう答弁した安倍首相。
さらなる経済対策が求められる中、日銀は16日午後、初めて予定を前倒しして金融政策決定会合を行った。
その中で日銀は現在、年間6兆円のETF=上場投資信託の買い入れを当面の間、およそ12兆円に倍増させ、金融市場に大量の資金を投入することで不安定な値動きを繰り返す株式市場を支える狙いだ。
3年半ぶりの追加緩和も株価は下落…
また、売上が減少している企業を支えるため、民間の金融機関を通して今年9月まで資金を金利ゼロパーセントで貸し出すなど、3年半ぶりに追加の金融緩和に踏み切ることを決定。
これを受け、東京市場では日経平均株価が一時300円以上上昇したが、終値は先週末に比べ400円以上値を下げ、3年4ヶ月ぶりの安値水準に。日銀の対策への失望感が広がったとの見方が大勢だ。
ーー市場の反応をどうみる?
日銀 黒田総裁:
あまり私からは申し上げるのはいかがかと思いますけど、あまり悲観する必要はないと思います
今回、日銀が踏み切った追加の金融緩和策。専門家はどう見たのか。
「人」と「モノ」の流れを良くする対策が必要
エコノミスト 崔真淑さん:
一言で言うと、財政政策がセットでほしいというところ。リーマン・ショックの時は金融市場が破綻状態で、それが私たちの実体経済に影響した。今回は新型コロナウイルスで、人とモノの移動に制限がかかり商売ができなくなる。今、世界の中央銀行が一生懸命対応して政策をうっているけれど、肝心要の需要を喚起することがないと難しい
崔さんによると、経済の中心となる「人」「モノ」「金」の動きのうち、リーマンショックの時には「金」の動きに問題が起きたため、金融政策で金の巡りをよくして景気回復をはかったが、今回は人やモノの動きが遮断されたことで消費が落ち込んでいるため、まずは人とモノの流れを良くするための対策が求められると指摘する。
エコノミスト 崔真淑さん:
例えば今だったら5Gとか。次の世代の話のビジネスに繋がるような新しい施策をすることです。そうすると企業がお金を使いだして、雇用も進むし、実際にモノのやりとりも進む。まずはそこなのではないかと思う
(Live News α」3月16日放送分)