経費削減と有効活用のため700点超の備品販売

鳥取・三朝町の廃校となった小学校の備品の販売会が、2月8日と9日に開催された。
グランドピアノが500円で売りに出されるなど話題となったこともあり、想定を超える買い手が訪れた。
販売開始30分前、会場の旧三朝東小学校に続く道路には、車の長い列。

スタッフ:
本日の整理券は終了しました。本日の入場はできません

混乱を避けるため、入場整理券を配布し、10分ごとに10組の入場としたが、初日分350枚が販売会開始前になくなり、入れない人も出てしまった。

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この販売会は、2019年春、三朝町内3つの小学校が統合したことを受け廃校となった三朝東小学校で開催。
不要となった備品を処分すると、約700万円かかるため、経費削減と有効活用のために販売を決めた。

今回の目玉は、まだまだ現役のピアノで、500円で買える。果たして、誰の手に渡るのか?
2019年春まで使われていたグランドピアノ。

このほか、机やいすからバスケットゴールまで、価格は全て500円以下。
購入は先着順とあって、事前に開かれた内覧会には、約2,000人が品定めに訪れていた。

そして販売会当日。

奥田剛史さん:
きのうの夜8時から並んだ。子どもにピアノを買おうかなと

最初の組の整理券を手にし、ピアノを狙うのは、三朝町内に住む奥田剛史さん。

10歳の娘のために階段を駆け上がり、一番にピアノの元にたどり着いた。

奥田剛史さん:
うれしいです。元々ピアノを買う予定だったが、グランドピアノをどうせならほしいなと

販売される備品700点以上に、次々と買い手が付いた。

訪れた人:
テーブルとこれも6個。今12点目かな

訪れた人:
バスケットゴールとサッカーゴールと。体育指導の仕事をしている

訪れた人:
テレビを自分の部屋に。最高です

訪れた人:
孫の心を育てるのに便利です

重さ約300kgのピアノの持ち帰りに手伝う人の姿

しかし、大変なのは、大きな備品の持ち帰り。

中には、トラックを事前に借りてきた人も。
一方で、ピアノを購入した奥田さんは、友人4人で用意したトラックに積み込む考えだったが、グランドピアノの重さは、約300kg。あまりの重さに作業が止まった。

運送会社に頼ろうとしたが、断られた。

奥田剛史さん:
きょうのきょうでは無理? 無理かもしれん...

奥田さんが立ち尽くす中、現れたのは、同じくピアノを狙い大山町から大人数人で訪れていたグループ。
6人が加わり、計10人でグランドピアノを運び、購入から4時間、車に運び込まれた。

奥田剛史さん:
ありがとうございました。助かりました

手伝った人:
困っていたので、助けようと

奥田剛史さん:
感謝の気持ちでいっぱいですが、どうやって下ろそうか頭を悩ませています。娘に気持ちよく使ってもらえるようにできたらいい

道路の渋滞や販売方法など課題も

2日間で、備品はほぼ完売。約19万円を売り上げた。

三朝町教育委員会・福田徹さん:
1つでも多く人の手に渡るのが目的。非常にありがたいこと

一方で、周辺道路の渋滞や、先着順という販売方法に苦情が相次ぐなど課題も。

三朝町は、同じく廃校となった三朝南小学校で3月開催予定の販売会で、反省を生かしたいとしている。

(山陰中央テレビ)

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