約3万円のコートが半額、カシミヤ100%のニットは6割引き…しかも新品。

名古屋の企業が手掛ける衣類のインターネット通販が割安で人気を呼んでいる。割安にできる理由は、ブランドタグを付け替える「リネーム(Rename)」と呼ばれる手法だった。

新品の衣類が割安で…廃棄していたメーカー側にもメリットの「リネーム」

ブルーフォックスのファー付きダウンコート、正規価格なら約3万円のところ、半額の1万4190円。

カシミヤ100%のニットは、約4万円が6割引以上で1万4190円。

さらにパンツも、約3万円の商品が6割引以上で、9899円だ。

驚くのは金額だけでなく、どれも新品であること。高級ブランドからリーズナブルなものまで揃うが、割安にできる理由はタグを付け替えて元のブランドを分からなくして販売する「リネーム」だ。

リネームを運営する会社、名古屋市千種区の「ファイン」。このシステムを始めたきっかけは、アパレルメーカーが抱えている業界の課題だったという。

ファイン代表取締役 加藤ゆかりさん:
もともと別のブランドが販売シーズンを終えて売れ残った商品です。アパレルメーカーでは販売シーズンを終えると、売れ残った在庫をどうにかしたいという課題があるんですね。そういったものを安く買い取らせていただいて、名前を付け替えて再度販売しているものになります

メーカーは、安売りすることでブランド価値が下がるという懸念のため、売れ残った新品を廃棄している。そこで生まれたのがリネームの発想。

売れ残った在庫を安く買い取ってタグを付け替えて販売することで、ブランド価値を守りながら商品を廃棄することもないシステム。また、メーカーは廃棄にかかる費用もなくなる。

リネームした商品は新品でも安く、正規の3割から8割引きで、品質も価格以上だ。

タグは首の裏にあるものはもちろん、洗濯表示のものまで付け替え、取り外したあとは数を数えてメーカーに返却する徹底ぶり。

商品は、百貨店で販売されているようなブランドもあれば、ショッピングモール、カタログ通販やテレビショッピングで売られているようなものまで、幅広く扱われている。

リネームのコーディネートで12万円が4万7000円…逸品をお値打ちに

リネームの商品で、トータルコーディネートをするとどんな装いになるのか。加藤さんが考えてくれたのが「オフィスカジュアルなコーディネート」。

ブラウスにパンツ、ニットのガウンコートの3点で、キチンとしているが、軽くて暖かく着心地もよく、ブラウスのデザインもオシャレだ。

加藤さん:
もともとのブランドが百貨店のなかでも、割とハイエンドなブランドさんがメインになっております

正規価格では約5万円のコートが2万1890円、約4万円のブラウスが1万5290円、約3万円のパンツが9889円で、トータルで約12万円のものが、4万7069円。4割以下だ。

そして黒のワンピースとジャケットは全国の百貨店で取り扱っていた商品。正価で約4万円のワンピースが1万4190円、約9000円のジャケットが5489円で、あわせて5万円以上かかるものがリネームでは2万円以下に。

普段、なかなか着ないけど揃えておきたい1着を、リネームを活用して安く手にいれるのはメリットになりそうだ。

CDの買取販売業からリネームへ…業界の課題解決の有効策に

もともとはCDなどを買取販売するリセール事業を手掛けていて、4年前にリネームを立ち上げた「ファイン」。

2019年には、工場で余って廃棄される予定だった生地を使って服を作る「リネームクロス」も始めた。

第一弾として作ったワンピースのデザインを手掛けたのが、婦人服業界でトップシェアを誇る名古屋のアパレルメーカー「クロスプラス」。

クロスプラス 森永宏昭さん:
素直に面白いと思いました。生地から企画を考えるというのが今までの流れになかったので

生地ありきで作られたというワンピースは、ゆったりとしたシルエットで、年齢を問わず着られるデザイン。4389円というリーズナブルな価格も魅力だ。

廃棄されるはずの衣類や生地に目を向け、消費者に割安で提供するリネーム。
「ファイン」の加藤さんは、「業界全体で改善していくために、今あるものをまず、お互いに有効活用できるようなそういった形ができればいいなと思う」と業界の課題解決に意欲的だ。

今後はネット通販だけでなく、アパレルの店舗でも扱ってもらうことを目標にしている。

また、リネームはインターネット通信販売が基本だが、期間限定で店舗販売する「ポップアップストア」もあり、次回は、3月18日(水)から23日(月)まで松坂屋名古屋店で行われる。

(東海テレビ)

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