バスケットボール男子日本代表を新たに率いることとなったトム・ホーバスHC(54)が視察に訪れる中、日本の司令塔・富樫勇樹(28)が史上初となるB1通算3ポイントシュート600本成功の偉業を達成してみせた。
この記事の画像(4枚)昨季王者の千葉ジェッツは24日、本拠地の船橋アリーナでアルバルク東京を88ー71で下した。
主将の富樫がチーム最多の26得点を挙げ、堅守を誇る好敵手に前日のリベンジを果たした。
「昨日の反省点を活かし、第1クォ―ターからリズムよくスタートダッシュできて、しっかりリードを守り切った。それが全てだと思う」。
前日に今季最低の65得点に沈んだ千葉は第1クォーターに一挙36点を奪った。
序盤に富樫が3ポイントシュートを射抜くと、中盤にも1本沈め、一気に勢いにのった。
終了間際にはマッチアップしたA東京の田中大貴(30)をドリブルで抜き去り、B1史上初の600本目の3ポイントシュートをブザービーターで決めてみせた。
積み上げた3ポイントシュートの数は600回。
「最速で達成できたのは自信になる」としながらも、「ビッグマンがうまくスクリーンをかけてくれるおかげ」と真っ先にチームメートに感謝する。
仲間が大きな体で相手ディフェンスの壁となり妨げてくれるからこそ達成できた記録だと謙遜するが、本人のたゆまぬ努力もある。
今季は3ポイントシュートラインのさらに遠い位置からのシュート練習を、夏の東京五輪の頃から続けているという。
その理由を「五輪も含め自分の(167センチという)サイズでやっていくうえで、シュートのエリアを広げないといけない」とする富樫。
3ポイントラインより1m以上離れた新たな武器“ディープスリー”でさらなる進化を求める。
指揮を執る大野篤史ヘッドコーチ(41)も「彼はサイズのない中で、自分がどうやって残っていくのかを真剣に考えて、自分が生き残る武器を手に入れたと思う。彼の努力とチームメートのサポートがあってこそだと思う」と称えた。
視察したトム・ホーバスHCも「千葉ジェッツの出だしはすごかった。富樫選手がよくペースをコントロールしていて、楽しい試合だった」と収穫を満足げに振り返った。
千葉ジェッツ88-71アルバルク東京
(船橋アリーナ・2257人)
(フジテレビ 加藤忍)