農水省が新型コロナに関する対策やお願いを公表

新型コロナの感染拡大の影響が日本経済へも影響を及ぼし始めた。

安倍首相が2日からの小中高及び特別支援学校での臨時休校を要請したことにより、学校給食として納品予定だった牛乳や野菜などがキャンセル。納品業者は対応に苦慮し、愛知県一宮市では小・中学校の給食で使うはずだった野菜や果物が市民に安く販売された。

新型コロナに関する影響はこれだけではない。中国からの輸入減少などによる食料不足を懸念した消費者らがスーパーなどに殺到。実際に都内のスーパーでは、2日朝の時点で週末の買いだめにより米が一時的に品切れ状態に。さらに、保存のきく冷凍食品なども品薄になっていた。

このような中、国民の食料品に対する不安や懸念を払拭するため、農林水産省が「新型コロナウイルス感染症について」のお願いを公表した。

食料品は不足していません!

「国民の皆様へ」という呼びかけで、まずは、懸念されている食料品の不足をきっぱりと否定。

○食料品は不足していません!
米、カップ麺、冷凍食品などは現在、通常通りの生産・供給を行っています。製品在庫も十分にありますので、需要を満たす十分な供給量・在庫を確保しています。安心して落ち着いた行動をお願いいたします

(出典:農水省「新型コロナウイルス感染症について」より)
(出典:農水省「新型コロナウイルス感染症について」より)
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続いて、学校や卒業式・送別会シーズンを見込んだ食料品・生花の需要を呼び掛け。

○牛乳乳製品の消費にご協力ください
学校給食用牛乳の休止等による牛乳乳製品の急激な需要減少が懸念されています。是非、生産者の方々を支えるため、また、ご自身やお子様の健康のため、牛乳やヨーグルトなどを食べていただけるようにご協力をお願いいたします。

○お手頃価格の野菜で健康維持を!
野菜は、暖冬でキャベツ等を中心に潤沢に出回っており、価格もお手頃です。この機会にぜひ野菜をたくさ召し上がり、バランスの取れた食事で健康維持につなげてください。

○ハレの日には国産牛肉を!
3月は門出の季節です。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、卒業式や送別会が中止・縮小される場合にも、ご家庭でのハレの日のお祝いに、今年も安全・安心でおいしく高品質な国産牛肉を!

○お家やオフィスに花を飾ってみませんか?

3月は、春の花が豊富に出回る季節です。卒業式や送別会が中止・縮小される場合にも、ホワイトデーに花を贈ったり、お家やオフィスに花を飾ってみませんか。

臨時休校による学校給食の休止、卒業式の簡素化や送別会の自粛などで、これらの消費が落ち込むことが予想されているため、各家庭や職場での積極的な消費を促した。

(出典:農水省「新型コロナウイルス感染症について」より)
(出典:農水省「新型コロナウイルス感染症について」より)
(画像はイメージ)
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農薬散布用のマスクの一般用マスクの代替利用はやめて

また、国内でマスク不足が話題になっていることに関連して、「農薬散布用マスクの適切な利用」についても言及。

農薬散布用のマスクについて、例年の需要を満たす十分な供給量が確保されているとしつつも、一般用マスク等の代替利用が増えると農薬散布用のマスクが不足し、今後の農薬散布作業に支障をきたすおそれがあると指摘。「農薬散布用のマスクを一般の生活に使用しないようお願いします」と呼びかけた。

そして国民向けのお願いの最後には「新型コロナウイルス感染症の主要な感染経路は飛沫感染と接触感染であると考えられています。2020年2月21日現在、食品を介して新型コロナウイルス感染症に感染したとされる事例は報告されていません」とし、「製造、流通、調理、販売等の各段階で、通常の食中毒予防のために行っている一般的な衛生管理が実施されていれば心配する必要はありません」と過剰に反応する必要がないことを訴えた。

農林漁業者向けへは融資も

続いて、「農林漁業者の皆さまへ」として、新型コロナウイルスの影響による補償に言及。

「一時的な影響に対し、緊急的に対応するために必要な長期資金を日本政策金融公庫等が融資」することなどに触れ、安心して農林漁業の経営に励んでほしいとしている。

(出典:農水省「新型コロナウイルス感染症について」より)
(出典:農水省「新型コロナウイルス感染症について」より)

食料品の不足はないとのことなので、誤った情報に惑わされて必要以上の買いだめに走ることなく、一方で、臨時休校などで行き場を失った国内産の牛乳や野菜などの消費を皆で支える意識は持った方がいいのではないだろうか。

農水省「新型コロナウイルス感染症について」はこちら

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プライムオンライン編集部
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