新型コロナウイルスの感染拡大で外出制限が広まる中、輸血などになくてはならない献血に協力する人が減り続けている

出典:日本赤十字社

日本赤十字社は1月1日から2ヶ月間に渡る「はたちの献血」キャンペーンを展開しており、2月15日までは十分な量が確保できていた。

しかし、安倍首相が「大規模イベント延期の検討」や「発熱時は学校や仕事を休む」よう呼び掛けた2月18日あたりから献血への協力者が減少。

献血は毎日1万3千人の協力が必要とされており、2月16日から22日の一週間では約3800人も不足したというのだ。

さらに政府が「症状が軽い人は自宅療養」「テレワーク推進」など、外出自粛を広く求めた新型コロナウイルスの基本方針を発表した2月25日から、減少傾向が一層加速。
25日以降の献血量は87.7%に落ち込み、25日から29日の献血者数は約5800人が不足する結果となった。

この事態を受け、日本赤十字社が公式サイトで発表した資料には「献血協力者の深刻な減少が続いています」と書かれている。

もともと冬の時期は外出する機会などが少なくなることから、献血者が減少しがちがだと言われている。それが新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、今はどのような状況にあるのだろうか?

そして今、献血センターでは感染防止のためどんな手段を講じているのか? 日本赤十字社の担当者に聞いた。

3月6日からはO型の供給に支障の可能性も

――献血は今、どのような状況にある?

この度の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの人が集まるイベントの中止や延期のほか、企業の在宅勤務、テレワーク 、時差出勤などの感染防止措置が強化されるなどの影響から、予定していた献血会場での献血実施が数多く中止されている状況です。

さらに、不要不急の外出を控えられていることから、献血ルームでの協力者も減少しています。

全国では、2月19日から3月4日までの間に、企業やイベント会場など約870ヶ所で献血の中止や延期が発生しており、ウイルスの感染者が確認された地域を中心として、日増しに増加している状況です。

日本赤十字社では、輸血用血液製剤を安定的に供給するため、赤血球製剤については「3日から5日」の分量を在庫とすることが適正としています。しかし、このままの状況で推移すると、3月6日にはO型の供給に支障をきたす場合もある在庫量となり、他の血液型についても3月13日には同様の事態となる恐れがあります。

――献血は保存できないものなの?

輸血用血液製剤の有効期間は、血液製剤の安全性を考慮し、血小板製剤は採血後4日間、赤血球製剤は採血後21日間、血漿製剤は採血後1年間と定められています。

献血ルームの様子

献血する人は前日までに予約をお願い

このように献血者不足となっている現在ではあるが、日本赤十字社では献血する前に「予約」をするよう広く呼び掛けている

なぜ、ひと手間かかる「予約」を必要としているのだろうか?

――なぜ「予約」が必要なの?

お手数をおかけしますが、一時期に献血者が集中することによる感染リスクを避けるため、また、輸血用血液を安定的に医療機関へお届けするために、ご来場の際には前日17 時までのご予約をお願いしておりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


――献血センターでは、他にどのような感染予防策を講じているの?

献血会場では、下記のような運営に取り組んでいます。
・職員の健康チェック(出勤前および出勤時)
・手指消毒または手洗い
・会場内の消毒、および清掃
・入口での来場者全員に対する体温測定の実施


さらに、新型コロナウイルス感染症に対する安全対策として、下に該当する方には献血をご遠慮いただいています。

・海外から帰国・入国して4週間以内の方
・発熱や咳、呼吸困難などの呼吸器症状等のある方
・新型コロナウイルス感染症(または感染疑い)と診断された方と4週間以内に濃厚な接触があった方
・新型コロナウイルス感染症(または感染疑い)と診断された方


また、献血後4週間以内に「新型コロナウイルス感染症」または「新型コロナウイルス感染症の疑い」と医療機関で診断された場合は、献血日、氏名、生年月日を、できるだけ早く血液センターまでご連絡いただけますようにお願いしています。

(画像はイメージ)

――献血した血液は「新型コロナ」の検査をするの?

現在は、献血血液について新型コロナウイルスを検査するのに適したシステムはまだ開発されておらず、その検査は行っておりません。

献血前の問診で感染の可能性のある献血者には辞退いただくとともに、献血後に連絡をいただいた血液は、まだ患者に輸血されていなければ回収し、輸血用血液製剤としては使用しません。


――最後に献血協力のメッセージを

他に代わりのきかない輸血医療に使用される血液製剤は、皆様からの献血によって支えられています

こうしている間にも、毎日約3,000 人あまりの患者さんが輸血用血液製剤を必要としています。これらの事情をご理解いただき、皆様の温かいご協力を心よりお願い申し上げます。


献血不足の要因の一つは、テレワークや大規模イベントの自粛にあった。通常は企業やイベント会場に出向いて献血を呼びかける献血バスの稼働が減っていたのだ。

不要不急の外出を控えなければならない今だが、近くに献血ルームがある健康な方は予約をした上で、是非ともこの機会に協力してほしい。

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