愛知県安城市の小学校に勤める教師の男が、中学3年生の少女にみだらな行為をしたとして逮捕された。男はマッチングアプリを通して少女と知り合ったとみられている。こうしたアプリの危険性について、専門家に話を聞いた。

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警察によると、逮捕されたのは愛知県安城市の小学校教師で、2021年4月に採用されたばかりの稲葉健太郎容疑者(23)。

2021年7月と8月に瀬戸市のホテルで、18歳未満と知りながら中学3年生の当時14歳の少女とみだらな行為をした疑いが持たれている。その後、警察署に自首しているが、稲葉容疑者は「当初は相手は18歳だと思った」と容疑を否認している。

稲葉容疑者は「ひまトーク+(プラス)」というマッチングアプリを通して、少女と知り合ったとみられている。

匿名でメッセージ送信可能、1対1でチャット

ここ数年、こうしたマッチングアプリで未成年者がトラブルに巻き込まれるケースが後を絶たない。成蹊大学客員教授でITジャーナリストの高橋暁子さんに話を伺った。

高橋教授は、今回の事件のきっかけとなった「ひまトーク+」などを“ひまつぶしトーク系アプリ”と呼んでいて、次のような特徴があるという。

・不特定多数の中から1対1でチャットができる
・メールアドレスや電話番号登録など一切不要で簡単に登録ができ、すぐに利用できる
・名前は匿名で、メッセージと写真が送り放題
・年齢・性別・地域で相手を検索する機能があり、気が合う人を見つけられる

とにかく手軽にできて、暇なときにチャットをしたいという人が利用するもので、十数年前から類似アプリがいくつも登場している。

しかし、こうしたアプリにはリスクも潜んでいる。匿名で利用できることをはじめ、性別や年齢などいくらでも嘘がつけてしまうので、仮に問題が起きた時に個人が特定しづらい。

こうしたアプリの多くは、18歳未満は使えないなど年齢制限をしているが、身分証明などが不要で自己申告制のため、中高生などでも使えてしまう。実際、今回の「ひまとーく+」を利用していた被害者は中学3年生だった。

親子の話し合いや子供のスマホチェック…自衛対策も大切

こうした事件を防ぐため、運営側も嫌な相手をブロックできる機能や不審なアカウントの削除などの対策をしているが、同様のアプリでは過去にも犯罪が起きている。

2019年に「ひま部」というアプリで、静岡県の当時26歳の男が年齢や身分を偽って小学6年生の女子児童と直接会い、みだらな行為をした疑いで逮捕された。

2017年には「斉藤さん」というアプリで出会った当時9歳の女の子に、十数回にわたって裸の動画や画像を送らせたとして、愛知県の当時22歳の男が逮捕された。女の子は「しつこく言われて怖くなり断れなかった」と話していた。

警察庁によると、SNSに起因する被害児童の件数は、2021年が1819人と年々増加傾向にあり、1日あたり5人が被害に遭っている計算だ。

こうした事件から子供たちを守るため、高橋教授は「まず大前提として“知らない人に会わない”ことをしっかり伝えてほしい」という。このようなアプリで出会った場合、最初は優しい言葉で信頼させ、後に性的行為を求めるケースもあるとのこと。

高橋教授は「大人が未成年者を呼び出すなんて、たいていはロクな大人ではない」と憤っている。

また、顔写真・名前・学校名などの個人情報を絶対に明かさないこと。文字はもちろんのこと、写真にも気付かないうちに個人情報が紛れ込むことがある。

そして、同世代が被害に遭っていることを伝えて親子で話し合い、事件に遭わないための知識や判断力を高めてほしいと話している。

他に、携帯電話会社が提供している、子供に有害と思われるアプリやサイトへのアクセスを制限する「フィルタリング」を行うこと、親が子供のスマートフォンを定期的にチェックしたり、不安な時はすぐに相談できる関係を築くことなどが挙げられる。

(東海テレビ)