「爆発的な感染拡大には進んでいない」

月曜に新型コロナ肺炎に関して政府の専門家会議が「爆発的な感染拡大には進んでおらず一定程度持ちこたえている」との認識を示し、対策の効果を19日頃に公表すると発表したのを受け、安倍首相はイベント自粛の19日までの延長を表明した。

「一定程度持ちこたえている」と会見する専門家会議のメンバー

安全宣言を出すにはまだ早いが、日本の死者の少なさは感染が大きくは拡大していないことを示している。一部で出ている「PCR検査をわざとやらないのは感染者数を低く抑えるためだ」という主張は、間違っていることは明らかだ。いい加減に「PCR早くやれ」と騒ぐのはやめてほしい。

経済と安全のバランス

新型コロナは感染の広がりもそうだが、経済への影響もかなり深刻になっている。株や為替は流行が終息すれば戻るだろうからいいとして、飲食店、新幹線、ホテル、劇場、どこへ行っても閉まっていたり、ガラガラなのには恐怖すら覚える。大手はいいとしても中小零細は大変だ。

ただ困ったことに、この経済と安全とのバランスに対する感覚は、人によっても、職種によっても違う。大企業の従業員や、公務員、年金生活者はよほど株に投資でもしていない限り、この自粛ムードは自分たちの経済生活を脅かすほどのものではない。だから安全重視。自粛しすぎるくらいでちょうどいい、と思っている。

だがフリーランスや中小零細企業の経営者、従業員などはそれどころではない。特に経営者は借金で首が回らなくなる。命の安全がもちろん一番大事なのだが、その前に新コロナ不況で自分の命が守れなくなるかもしれない。。

安倍首相が決断すべきこと

という今の日本の状況を考えると、安倍首相が今後どういう決断をすべきか、というのはおのずから見えてくる。

まず3/19までに専門家会議が感染拡大についてある程度防止できているという発表を行ったら、首相はそれを受けて大規模イベントなどの自粛要請を一部解除すべきである。ただし「クラスターつぶし」は続けるべきなので、3月中はまだ小中学校の休校やライブハウス、スポーツジムなどの自粛は続けるべきだろう。

4月の小中学校の新学期や、プロ野球の少しずらした開幕などは状況によっては可能ではないか。

経済の影響について「特効薬は消費税減税」と言う人が野党にもいるが間違っていると思う。このコロナ不況で損害を被ってない人にまで恩恵を与える必要はない。損害を被っている、特に個人事業主に集中的に、それも利子や税の免除ではなく、直接の現金の補償をすべきだ。そのためには今の対策では不十分で、本予算を直ちに成立させ、15~20兆円規模の補正予算を組まなければいけない。

安全か経済か。アクセルかブレーキか。このタイミングは実に難しい。だがこれこそが安倍首相の手腕が問われるところなのだ。

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】