コミックもフィギュアも在庫切れ…大人気の「鬼滅の刃」
オリコンが発表した1月27日から2月2日のコミック売上ランキングで「史上初」の快挙が生まれた。1位から10位を1つのコミックが独占、そのコミックは、「鬼滅の刃(きめつのやいば)」。
「鬼滅の刃」は書店でも在庫切れとなる人気ぶりで今や社会現象となっている。この人気は今や思わぬ業界にも波及。加熱するブームを取材した。

シリーズ累計、4000万部を突破した「鬼滅の刃」。
舞台は大正時代、家族を鬼に殺された主人公が、鬼にされた妹を人間に戻すため、“鬼狩り”をする物語だ。

男子高校生:
今、でもたぶん一番は鬼滅ですね。一番キてます
20代男性:
泣きましたね
10代女性:
続きが気になるなと思って
名古屋・栄の「ジュンク堂書店 ロフト名古屋店」には入り口入ってすぐの場所に特設コーナーがある。

1月27日~2月10日分を集計したコミックランキングでは、1位から10位までを「鬼滅の刃」が独占。
書店ではあまりの人気に在庫切れが続出していて、一人1冊と異例の購入規制も。
ジュンク堂書店のコミック担当者:
入荷しても比較的すぐになくなってしまう状態で、常に補充、補充っていう。注文が追いつかない状態ですね。(人気が)まったく衰える気配が今のところはないですね
名古屋駅のアニメショップ・アニメイト名古屋。

「鬼滅の刃」のフィギュアや限定グッズは全て完売。常に入荷待ちの状態が続いている。

アニメイト名古屋のキャラクター担当者:
アニメ放映があった昨年の夏から秋にかけて一気に人気が高まったという形ですね
去年のアニメ化で人気加速…世代や性別を超えて幅広い支持
4年前、少年ジャンプで連載が始まった「鬼滅の刃」。
去年、アニメ化して人気が加速した。

人気の秘密は個性的なキャラクターや、家族愛などをテーマにした泣けるストーリー、そして、心に響くセリフ。
その人気は、少年漫画の枠を超え女性や大人の男性にまで広がっている。
男子高校生:
他のアニメと違って、敵を慰めるとかなかなかないと思うのでいいかなと思います。敵も味方もどっちも魅力があるキャラクターばかりで
20代男性:
(主人公の)炭治郎が心折れる修行のシーンとかでも、家族のためだったりとか、そういうシーンはぐっとくるものがありますね
30代女性:
言葉じゃなく、お互いをみてどんどん高めあっていっているような、それで絆が深まっていくというところが自分の中ではぐっときたかな
明治時代の建物が立ち並ぶ愛知の「明治村」が“鬼滅の刃ファン”の間で「聖地」に

愛知県犬山市の「明治村」。レトロな建物が『鬼滅の刃』ファンの間で、話題沸騰中だ。

【Twitterより】
女性:
鬼滅の刃が好きなオタクはみんな明治村へ行こう
男性:
明治村で鬼滅の刃っぽいとこ探す遊び楽しい
別の男性:
聖地巡礼ポイントとしてはまだ意外と穴場だと思う

130年前に建てられた日本赤十字社病院の病室には、熱心に写真を撮る人がいた。

30代女性:
聖地巡礼ですね、いわゆる
一緒に訪れた30代女性:
こんな感じのベッドで寝ていたので、炭治郎たち

この病室、アニメで使われた病室にそっくり。

蒸気機関車もアニメのシーンと瓜二つ。

明治村では去年夏ごろからコスプレをしたファンが、目に見えて増えてきたという。
「鬼滅の刃」ブームは苦境の「畳」業界にも明るい兆し

さらにブームの影響は意外なところにも。大正10年創業の老舗、岐阜県海津市の「小畑畳店」。
親子二人でひとつひとつ昔ながらの丁寧な畳づくりをしている。

小畑畳店5代目・小畑光広さん:
(畳は)青ければ綺麗だっていう風でもないので、見えないところの手縫い作業とか、うちは代々、先代から伝わる技法のなかでやっています

一見、アニメの世界とは縁もゆかりもないようだが、会社の中を見渡してみると、小さな畳にフィギュアが乗っている。
小畑さん:
そうなんですよ、これですね、小さい「ミニ畳」。フィギュアの台座として今、注目されていて。今、流行りになっている鬼滅の刃で、大正時代設定というのと、あと、和服メイン。その中で畳の台座ってすごく映えているんだと思うんですよ
なんと、小さな「ミニ畳」が鬼滅の刃のフィギュアの台座に。

元々、盆栽や陶器を飾る敷物として作られていたミニ畳。

それが、去年の秋ごろから畳が「大正っぽい」とフィギュアを飾る台座として、人気になっている。小畑さんがネット販売を始めたところ、注文が殺到した。
今ではマンガやアニメのシーンに合わせた畳を作っている。
小畑さん:
ジオラマだと思うんですけど、古い感じというスタイルなので、こういった柄のへりを使わせてもらいながら、畳も日焼けした後の少し黄色めのものを使っています
若者の畳離れや後継者不足、畳業界の未来は不安ばかり。そんな中、鬼滅の刃のブームは久々の追い風になっている。
小畑さん:
フィギュアの台座を作ったから、こんなカラーで、畳で、座敷のほうも、変わったへりでやりたいというお客様もいますし、フィギュアから和室へと畳の仕事にまた戻っているという感じですね
マンガの世界を飛び出し、今や社会現象となっている「鬼滅の刃」。今年は映画も公開され、ブームはさらに加速しそうだ。
(東海テレビ)