それぞれの場所で思い込め…宮城県内各地で鎮魂の祈り 東日本大震災発生から9年
わすれない 3.11

それぞれの場所で思い込め…宮城県内各地で鎮魂の祈り 東日本大震災発生から9年

仙台放送
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  • 2020年3月11日 東日本大震災から9年
  • 新型コロナウイルスの影響で追悼式縮小や中止も
  • 「同じ悲しみを繰り返さないでほしい」遺族の祈り

2020年3月11日 東日本大震災から9年

朝日に染まっていく、宮城・名取市閖上地区。
あの日、東日本大震災の津波で754人が犠牲になった。

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訪れた人:
あっという間の時間でした。あの瞬間に多くの人たちを失って、今もその悲しみは残っています。

町の職員など43人が亡くなった、南三陸町の旧防災対策庁舎。
2019年、一部が開園した震災復興祈念公園では、訪れた人が庁舎に向かって静かに手を合わせていた。

訪れた人:
亡くなった人に申し訳ない。一生懸命頑張ってくれた人がみんな亡くなってしまった。夫も義母も

訪れた人:
被災地に対しての思いを忘れていないよと伝えていくことが大切

3月11日、午後2時46分。人々が各地で黙とうをささげた。

南三陸町・息子が行方不明の男性:
(息子が)見つかっていない。いつ帰ってくるのかと、心の隅に残っている。

遺族:
つらいですよ、やっぱり、この日が来るのは。どうしても思い出しますからね。当然ですけど、一生忘れることはできない。記憶が薄れていっても忘れることはできない

遺族:
9年たって、女川の町もここまで復興したのと、わたしの気持ちもほとんど前に進んでいると報告しに、手を合わせに来た

新型コロナウイルスの影響で追悼式典の中止や縮小も

2020年は、新型コロナウイルスの影響で、県内12の自治体で予定されていた追悼式典が取り止めに。
それぞれの自治体は献花台を設置するなど、規模を縮小して、犠牲となった人を追悼する機会を設けた。

献花に訪れた人:
こういう自粛の中で、(式典中止は)やむを得ないと思う

宮城県・村井知事:
(式典中止は)東日本大震災の慰霊を軽んじたわけではなくて、コロナウイルスという新たな脅威に対応するための措置なので、ご遺族の皆さんや亡くなられた御霊も、ご理解をいただけるものだと思っています

東松島市は式典を開催「風化させないことが責務」

そんな中、宮城県内で唯一、追悼式典を開催したのが東松島市。
会場の市民体育館には、遺族など約300人が参列した。

感染拡大防止のため、入口には消毒液、来場者にはマスクを配り、座席の間隔を空けるなど、対策を徹底したうえでの開催。追悼式自体も、30分ほどに短縮された。

ほとんどの自治体が追悼式を取り止める中、東松島市があえて開催した理由は、渥美巌市長の強い思いから。

東松島市・渥美巌 市長
新型コロナウイルスの影響で、県内の追悼式は中止や縮小になったところもあるが、東松島市では、遺族の哀悼の気持ちとともに、震災を語り継ぎ、震災を風化させないことが、被災自治体として大変重要であり、責務ととらえた

訪れた人々は献花台に花を手向け、亡くなった人の冥福を静かに祈った。

遺族:
追悼式があるからこそ、おじいちゃんおばあちゃんに会えるという気持ちになるので、開催してもらえて良かった。ちょっとずつ(震災を)忘れていくのを感じていて、忘れたくないと思っても、どんどん時間がたっていくから、自分ひとりだけでも忘れないようにしていきたい

大川小にも多くの人 遺族「本当なら成人式だった」

震災の津波で児童など84人が亡くなった、旧石巻市立大川小学校。
2020年は、ここでも遺族が集まる法要は中止された。

それでも、校舎には全国から多くの人が訪れ、慰霊碑を前に手を合わせた。

そして、遺族も。

遺族の一人、紫桃隆洋さん。
大川小に通っていた千聖さん(当時11歳)を津波で亡くした。

大川小の遺族・紫桃隆洋さん:
遺族の慰霊祭や石巻市の慰霊祭も中止ということで、9年ということで、静かに時間を過ごしたい

3月11日、あの日から9年。

大川小の遺族・紫桃隆洋さん:
本当なら、(千聖さんは)成人式だった。小学生の姿はわかるけれど、大人の姿は、なかなか想像つかない

同じ悲しみを二度と繰り返さないでほしい。
遺族の願いは、今でも変わることはない。

大川小の遺族・紫桃隆洋さん:
「命を守る学校でなければならない」ということを、これからの学校に期待して、(行政と)話をしていきたいと思います

「風化させたくない」大曲浜の空に泳ぐ「青いこいのぼり」

東松島市大曲浜の空に、2020年も、青いこいのぼり140匹が泳いだ。

この活動は、震災の津波で祖父母と母親、そして当時5歳の弟を亡くした、東松島市の職員・伊藤健人さん(26)が中心となって行っている。

2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でイベントを行うかどうか悩んだというが、震災の記憶を風化させたくないと、開催することにした。

伊藤健人さん:
コロナウイルスの関係とか災害、地震、台風、そういったものが何回もあった中で、そういう大きな出来事があると、記憶が上書きされるようですごく怖いなと。1つ1つの出来事は、大切にしていかないといけないのかな、というふうに思っています

青いこいのぼりは、5月5日まであげられるという。

想いを乗せて…荒浜地区の空に500個の風船

仙台市若林区の荒浜海岸にある慰霊碑の前には、約300人が訪れ、午後2時46分に黙とうがささげられた。

震災の津波で、194人が犠牲となった荒浜地区。
訪れた人たちは、亡くなった人たちへの想いを乗せて、500個の風船を空へと放った。

東日本大震災の発生から9年。
3月11日に、1人ひとりがそれぞれの場所で込める思いは、これからも変わることはない。

(仙台放送)

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