大阪の企業が高圧の水素を使った二酸化炭素排出ゼロの船の航行に成功しました。
世界で初めての取り組みですが、今後の期待と課題とは。

「H2」水素と大きく書かれたこの船。
世界で初めて高圧の水素を充填した燃料電池システムで航行することに成功しました。

この船は水素を燃料とした電池システムを使って動く船でヤンマー・パワーテクノロジーと豊田通商が共同で開発しました。

10月12日に大阪港で試乗会が開かれましたが乗り心地は・・?

【記者リポート】
「この船は水素燃料電池で動いているため、振動もとても少なく、スムーズな乗り心地です」

通常の船はディーゼルエンジンを動力として使うのが主流ですが、この船は水素を使うため、二酸化炭素の排出量はゼロです。

このシステムは、8本の水素タンクと2つの燃料電池によって成り立っていて、同じシステムを使うトヨタ自動車の燃料電池自動車「ミライ」4台分の燃料で動いています。

今回の開発で、これまでに比べ約2倍の水素を燃料タンクへ充填することが可能になりました。

船舶業界では世界的な環境規制強化で二酸化炭素の排出量を減らし、環境への負担を軽減することが求められるようになりました。

【ヤンマーパワーテクノロジー特機事業部・廣瀬勝事業部長】
「我々は今までエンジンを販売してきたが、燃料の転換をしながら脱炭素に取り組むのは、我々に与えられた使命だと考えている」

ヤンマー・パワーテクノロジーは2023年には、300キロワット級の水素燃料電池システムを商品化することを予定しています。

しかし課題もあります。

高圧水素を燃料とする船を普及させるためには、水素の補給拠点を増やすことなど様々な課題を乗り越えなければなりません。

同社は、2025年の大阪万博で、このシステムを搭載した船が万博会場とUSJなどを結ぶ移動手段として活躍することを目指しています。