新型コロナで音声アナウンス装置に注目
新型コロナウイルスの感染が広がる中、意外なものに注目が集まっている。
群馬電機が開発し、2013年に発売した、音声アナウンス装置「G-vo(ジーボ)」だ。
こちらは、人が近づくと、人感知センサーで感知し、あらかじめ録音しておいたメッセージを再生する装置。
なぜ、新型コロナウイルスの感染拡大によって、この装置に注目が集まっているのか?
群馬電機の担当者に話を聞いた。
開発当初は、銀行・事務所などでの使用を想定
――「G-vo(ジーボ)」はどのような装置?
2つのチャンネルに、それぞれに90秒までの録音が簡単に出来て、そちらを再生します。
エンドレスで再生し続ける、または人感知センサーを使用し、お客様が近づくとタイミングよく1回再生をします。
――そもそも、どのような使い方を想定していた?
人感知センサーの感知により音声メッセージを再生し、通りかかったお客様にアピールする「店舗の販促用POPツール」としては、2000年に発売された「呼び込み君」がありました。
ただ、「呼び込み君の(可愛らしい)形状ではふさわしくない、もっと無機質なものがないか」「もう少し安価にできないか」というニーズがあり、そこから「G-vo」の開発を着手しました。
無機質な形状の「G-vo」は店舗だけでなく、銀行、事務所といった、様々な場所で使っていただくことを想定していました。
――そもそも、新型コロナウイルスに関係した使い方は想定していた?
通常、今の時期ですと、インフルエンザなどの注意喚起をするイメージでした。
去年もアピールしていましたが、すぐに購買につながるほどのインパクトはありませんでした。
インフルエンザなどの注意喚起の用途としては「G-vo」を想定していたということだが、新型コロナ対策として注目を浴びたきっかけを改めて聞いた。
“手指の消毒を促すツール”として介護施設などが問い合わせ
――注目を集めたきっかけは新型コロナウイルスの感染拡大?
2月12日~2月14日に、東京ビッグサイトで「CareTEX (ケアテックス)2020」という介護関係の展示会にブースを構えました。
その際、「G-vo」とともにアルコール消毒のボトルを置き、「感染症予防のため、手の消毒をお願いします」といった注意喚起のメッセージを発信したところ、多数のお客様の目にとまり、お見積の依頼をいただきました。
また、群馬電機にお越しいただいたお客様も同様で、玄関で見ていただき、お買い上げいただくようなこともございました。
新型コロナウイルスの情報が高まってきている時期であったため、特に興味を持っていただけたのだと思います。
――感染拡大の前と後を比べると、注文や問い合わせはどれぐらい増えている?
今は販売速度が上がりかけている状況です。
ただ、直接お話して、個別対応で即販売につながった件数は10件程度ありました。
――問い合わせてくる会社はどういった業種が多い?
介護施設、病院、工場、事務所などです。
――「G-vo」を購入した介護施設や病院などからはどのような声が寄せられている?
以下のような声が寄せられています。
「面会者だけでなく、職員通用口に置いて、職員に対する注意喚起としても使え
る」
感染予防に効果的とされている、手指のアルコール消毒を来客者にスムーズに促す「G-vo」。
価格は17,380円(税込)※3月16日現在
この状態が長引けば、介護施設や病院などで、音声アナウンス装置の需要は増えていくかもしれない。
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