わずかに不足した生活費を補うつもりが自己破産に…

裏社会ジャーナリスト 花田庚彦さん:
これ新手のヤミ金だなと

黒木和彰弁護士:
これはものすごい高金利。全部違法です

今、全国で新たな問題となっている給料ファクタリング。被害続出の現状を追った。

その実態を明かしてくれた男性。職業は非常勤の塾講師だ。「給料ファクタリング」を利用した果てに待っていたのは、20代での自己破産という結末だった。

給料ファクタリングの元利用者:
相手の業者側からは「あなたのお給料を債権として一部を買い取ります」と言われるんですね。女性のオペレーターがいたりとか男性も声が柔らかい。普通のいわゆる会社然とした印象

男性によるとその仕組みは勤務先から給料を受け取る権利。これを利用者は給料日より前に業者に売り渡す。そうすることで必要な時にすぐ現金を入手できるのだ。

仲村健太郎記者:
インターネット上には給料ファクタリングの謳い文句が躍っています。「即日給料を現金化」、「給料債権の買い取りなので利息もありません」

そういった言葉が男性にも魅力的に映った。国立大学の学費を自ら工面していたこともあり生活はギリギリだった。給料ファクタリングを初めて利用したのは1年ほど前。わずかに不足した生活費を手軽に補うつもりだったが…

給料ファクタリングの元利用者:
例えば、7万円分買い取りますと言って実際に7万円分こちらには送られてこないんですよ。そのうち手数料を引いた5万円を今あなたの口座に送りますとなる

「手数料」という落とし穴があった。例えば、7万円分の権利を売っても手元に届くのは5万円だけ。しかし、給料日になるとその給料から7万円戻さなければならない。つまり、差額の手数料、2万円が業者の利益。

さらに業者は利用者の弱みに付け込む。

給料ファクタリングの元利用者:
連絡ちょっと途絶えるだけで「連絡しますよ○○さんに」とか「会社に連絡しますよ」というメールを送ってきたりとかもするので、着信があったりとかもする

ーー会社に言われるというのは?

給料ファクタリングの元利用者:
いやもうそれは絶対避けたいですよね

労働基準法では「給料は、直接労働者に支払わなければならない」と定められている。

第三者への支払いを禁じているのだ。
金融の問題に詳しい黒木和彰弁護士にお話を伺った。

黒木和彰弁護士:

雇い主さんからすると、働いている人にお給料を直接払わなくちゃいけないという労働法上の規制があるのに、業者に払っちゃうことになる訳だから、これで本当に給料を払ったことになるのかという問題が出てくる。利用者と業者の間では「お前の給料は俺の所に来てるんだぞ」と言えるような関係になってるから、そうすると今度はそれを雇い主に言うぞということで、脅しになっちゃうんですね

のしかかる手数料の負担。生活はかえって苦しくなり別の業者とも契約せざるを得なくなっていった。いつしか月の支払い額は手取り額を超えた。

給料ファクタリングの元利用者:
5つの業者を同時にやりとりしていた。返す時になったら24~25万円にはなってたと思います。その時、手取りが17~18万円なのでもうオーバーしてますよね。給料日が全然、楽しくも何ともない

利用者と業者のやりとりを入手

これは別の利用者と業者のやりとりを記録した音声。

給料ファクタリング利用者:
ちょっとお支払いが今月厳しそうでして…

給料ファクタリング業者:
どういった事情ですか?

給料ファクタリング利用者:
他社が増えていたり

給料ファクタリング業者:
他社のファクタリングの場合、他のお客様からもけっこう手数料が高いという話はよく聞くんですね。なので、例えばですが、増額じゃないですけれども今、見る限りは○万円ぐらいは、おそらく増額が可能になるので、来月の給料債権に関しては、うち以外に譲渡しないという形。他に手数料高いところがあればその分の支払いは軽減される訳じゃないですか

巧みな勧誘で利益を上げていく業者だがその仕組みが今、問題視されている。3月5日、国が給料ファクタリングについて「貸金業」にあたるとの見解を示したのだ。

黒木和彰弁護士:
要するに金貸して給料日に払えと言ってるだけなんですよ。金額の差額が手数料だが、それが一体どれくらいなのか。金利として考えた時に何%の年利になるのかをよく考えないといけなくなる

貸金業を行うには金融庁に登録の上、年利は最大20%が上限となる。ところが、先程の例で手数料を金利に換算するとひと月で40%。年利換算すると480%で上限をはるかに上回る。

業者に直撃

ーー給料ファクタリングというのは貸金ではない?

給料ファクタリング業者:
貸金業ではないですね。要は債権の買い取りという形で、私たちサービスを行ってるんで貸金業ではないんですよ

ーー金融庁が貸金業だと見解を示したが?

給料ファクタリング業者:
金融庁は、本当第三者として、なんか意見言ってますけども、全て業者が悪いというのは、それはそれでなんか一方的な攻撃の感じがする。なんでそこまで僕たちがという話でもありますよね

「半グレ」が関与か?

今回の給料ファクタリングについて、長年、裏社会を取材しているジャーナリストの花田庚彦さんは「半グレ」と呼ばれる不良集団の関与を指摘する。

裏社会ジャーナリスト 花田庚彦さん:
これが本当の反社会的勢力でしたら金額がもっとデカイので、個人がアルバイト感覚で半グレの奴らがやってる。半グレとかそこら辺はどんどん隙間を狙って見つけていく、シノギを。闇金じゃ食えなくなったから、今度ファクタリングいこうか。その名前使おうかというレベル

(テレビ西日本)

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