新型コロナのワクチン接種では、県内では7割を超える人が2回目の接種を終えています。一方で、高齢者施設などでは2回のワクチン接種後に感染する、いわゆる「ブレークスルー感染」が目立ち始めています。ブレークスルー感染は、どういった場面で起きているのか。そして、これから私たちは何に気をつければ良いのか取材しました。

*福井県の会見(先月)「寝起きを共にしているケースでのブレークスルー感染が福井県内で目立っている。身体接触を伴う病院や施設での感染が多い」
先月、福井県越前市の介護老人保健施設で発生したクラスター。
感染した入所者と職員、33人全員が5月までに2回の接種を終えていました。

ブレークスルー感染によるクラスターは、全国だけでなく県内でも起きています。
先月、富山市内の介護老人福祉施設で起きた15人のクラスターのうち11人がブレークスルー感染でした。

このブレークスルー感染はどういった場面で起きるのか。8月下旬に、入所者1人の
ブレークスルー感染が確認された県西部の介護施設です。
施設を運営する法人に勤務する男性看護師が取材に応じました。
*感染者発生の介護施設を管理する看護師「認知症の方はマスクをするのも難しいし、してもすぐ取ってしまう。よくお話もされる。特に飛沫感染のリスクが非常に高い」
施設では、70代から90代の認知症の高齢者が共同生活を送っています。
最終的に感染したのは、ブレークスルー感染の1人を含む入所者3人。
看護師は、「ワクチン接種がなければさらに感染が広がっていた」と話し、早く3回目の接種が進んでほしいと話します。
*感染者発生の介護施設を管理する看護師「失礼な言い方ですが、3人で済んだ。僕たちにとってはワクチンにすがっていると言ってもおかしくない状況だと思う。もちろん職員も介護従事者としての責任を持った行動をしてくれていると思うが。(接種の優先順位に関しては)業種としては、介護従事者、医療関係者、高齢者の方に優先して接種してほしい」

先月の感染者に占めるワクチンの接種状況です。
若い世代を中心に、感染者の85%がワクチン未接種でした。
一方、ワクチンを2回接種して2週間経過した後に感染したのは2.4%でした。

県衛生研究所の大石和徳所長です。
*県衛生研究所 大石和徳所長「Qブレークスルー感染は、これぐらいに留まっている? 多いという現象ではない。血液の中に抗体があっても、ウイルスは喉・鼻から入ってくるので、喉・鼻に抗体がないとブロックはできない。たくさん抗体があってもブロックはできないので、マスクは重要な役割をしている。発症予防効果は大事だが、基本ワクチンの効果は重症化、死亡の抑制。ワクチンをうっても対策を怠れば感染するかもしれないが、命を落とすや入院するという可能性は低くなっていく」

県は、3回目の接種を医療従事者は12月中に、高齢者は来年1月から始める方針です。
大石所長は、どの世代がどの程度免疫を獲得しているかを検証することが重要と指摘します。
*県衛生研究所 大石和徳所長「高齢者でも(免疫が)一体に低くなる傾向があるがバラつきがある。それをどう評価したらいいのかは議論してから。私は高齢者の3回目のワクチン接種を急ぐ必要がある可能性もあると思っている」

福井県で起きたブレークスルー感染によるクラスターや、今回取材した県西部の介護施設の感染者は、いずれも軽症か無症状で済んでいます。
ワクチンの効果を高めるためにも、マスク、手洗いの徹底を続けていく必要があります。